Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

五輪協賛

ブランドを考えて

2020年12月12日の日経に、2021年の東京五輪パラリンピックのスポンサーが契約の延長に動いているという話がありました。

五輪協賛、「ブランド」考慮 各社が契約延長を検討: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • 各社が契約延長の最終調整
  • 業績悪化企業も、追加協賛金
  • 国家的イベントに協賛する意義
  • スポンサーを降りた場合に、ブランドイメージが傷つく懸念
  • JALANANEC、KNT(近畿日本ツーリスト)、JR東日本など

国や都が追加費用を支払うのに、

  • スポンサーを降りることのリスク
  • 直接恩恵を受けるスポンサーが追加負担をしないことへの国民の非難

そして、

  • ブランドイメージ低下を懸念

とあります。

 

コメント

スポンサーにも、まだ、継続する余力のある企業と、大変な状況になっている企業があると思います。

一律に、皆スポンサーを続けるというのは少し無理があるのではないかと思いました。

 

スポンサー契約は期間をくぎってやっているのですから、追加費用を支払らわずに、延長しない選択肢もあります。

スポンサーであるメリットはなくなってしまいますが、しかし、それだけの話です。

 

NECJR東日本はまだしも、JALANA、KNTがスポンサーを継続する理由は、理解できません。

売上が激減し、従業員を解雇や一時帰休し、株主への配当も少なくせざるを得ない企業が、東京五輪パラリンピックのスポンサーとなって、追加負担するのは、従業員の目から見ても、株主の目から見ても、奇妙な話です。

給与が下がるのに、スポンサーを継続するのは、個人としては理解できないのではないでしょうか。

 

スポンサーにならなくても、十分、五輪・パラリンピックのお客さんを対象にした商売もできますし、アンブッシュの指摘が怖ければ、徹底してアンブッシュにならないように配慮して、営業すれば良いはずです。

 

有形、無形の何らかの圧力があるのかと勘繰りたくなります。確かに、オリンピックは政治的な話の面はありますが、一般人なら、この時期に、この3社が、お金を出す方がおかしいと思う人が多いのではないでしょうか。

 

通常のオリンピックの協賛は、スポンサーも少なく、スポンサーになる意味があると思いますが、そもそも、こんなに沢山のスポンサーのいる東京五輪パラリンピックでは、スポンサーになる意味はどうなのかという気もします。

税金に近いと考えると、また違いますが、あくまでも立て付けはスポンサー契約です。

 

記事には、ある社外取締役が、ブランドイメージへの影響があるので、スポンサーを継続した方が良いと言ったとありますが、大変な状況であると理解できる企業については、今回、スポンサーを降りたからと言って、ブランドイメージが低下するとは思えません。

 

ブランドイメージの低下というマジックワードを使った、政治的な判断の後押しぐらいの話ではないかと思います。話の正当化の根拠に、「ブランドイメージ」という言葉が使われてしまった感じがします。何か釈然としない記事でした。