カルピスの「ココカラケア」の広告を見て
最近、新聞広告で、よくカルビスの「ココカラケア」の広告を見ます。カルピスの別のサプリを買っているのでサプリのダイレクトメールも来るのですが、どうも「ココカラケア」は、今、カルピスの一押しの商品のようです。
カルピスですので、乳酸菌のサプリなのですが、ストレス対策になるとあります。
気になったのは、ネーミングです。新聞広告や商品パッケージでは、上段に「メンタルサポート」、下段に「ココカラケア」とあります。下段の「ココカラケア」の文字の方が大きく、Ⓡもついています。
メンタルサポート「ココカラケア」「C-23ガセリ菌」配合|「カルピス健康通販」 (calpis-shop.jp)
「ココカラ」というと「ココロ(心)」と「カラダ(体)」を想起しますので、心と体を「ケア」するというネーミングなのだと考えられます。広告を見ていると、乳酸菌で腸内環境を整えると、ストレスが緩和されるということのようです。
「ココロ」の「ロ」を抜き、「カラダ」の「ダ」を抜いて、「ココカラ」です。
また、「ココカラ」は、「ここから」ですので、ここから、すなわち腸内環境改善からからスタートして、精神的ストレスをケアしましょう、という意味も看取できます。
ダブルミーニングのネーミングです。
商品の特徴を表したものですし、文字数もそれほど長くない、良いネーミングなんだろうと思います。
しかし、「ココカラ〇〇」というと、「ココカラファイン」を思い出します。ココカラファインは横浜に本社があるようですが、先日、京都旅行をしたときに、インバウンド消費を目的にしたものでしょうか、京都の街中に沢山の「ココカラファイン」の店舗を見ましたので、全国で有名なんだろうと思います。
この「ココカラファイン」のブランドの由来は、そのブランドスローガンである「ココロ、カラダ、元気。」が端的に示しているように、「ココロ」と「カラダ」です。こちらのブランドサイトには、「ここから始まる」という意味もあると説明がありました。
ココカラファイン|ブランドについて (cocokarafine.co.jp)
ネーミングとしては、「ココカラ」接頭辞商標として、よく似ています。
商品的にも、サプリメントは、よくドラッグストアで売っていますので、関連商品です。
商標登録的には、双方、別に登録されているようですが、先出願の「ココカラファイン」の指定商品にサプリメント(32F15 )が無いようです。
サプリメントは昔は認められていない表現だったと思うので、このあたりが商品の類似の判断では影響しています。
ココカラファインが、異議申立をしてもよかったのかしれませんが、これだけカルピスのココカラケアが有名になれば、もう遅いと思います。異議申立はタイミングです。
そもそも、第5類に限定しても、「ココカラ〇〇」の商標登録は沢山あるようですので、類似では無理で、周知著名で混同を生じるという主張が必要です。
カルピスのサプリは、販売ルートが通販のみなので、現実の出所混同は起きないという特徴があり、カルピス側の反論の根拠にはなりそうです。
「ココカラファイン」が戦って勝てたがどうかは分かりませんが、自分の権利は自分で守るのが商標の世界ですし、戦うのが商標管理です。
結果負けてしまっても、あの会社は怖い、「ココカラ○○」は避けようと思ってもらうことが必要です。
それはさておき、「ココカラ」とGoogle検索すると、別にフィットネス&スパが出てきまう。こちらは、「cocokara」です。
cocokara-フィットネス&スパ ココカラ (coco-kara.jp)
こちらは、商品・サービスの業態は、だいぶ違いますのが、「ココロとカラダの健康づくり」ありますので、ネーミングの由来は同じです。
ちなみに、このフィットネス&スパも、ちゃんと商標出願されています。
「ココカラ」とあると「ココロとカラダ」。これはもう、一般的で、造語としてのパワーがなく、一つの会社が独占できないものなんでしょうね。