Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

偽ワクチンの出現

早くも出現

2020年12月22日の日経に、フィナンシャルタイムズの記事として、新型コロナウイルスのワクチンの偽物が販売されているという記事がありました。

対コロナ、つけ込む闇サイト: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • イスラエルのサイバーセキュリティ企業が、インターネットの闇サイトで約2万6000円で販売されていることを発見
  • また、中国企業が開発したワクチンを2回分で750ドルで販売するという広告
  • 多くは偽物か、注文しても送付されない
  • 国際刑事警察機構等が、ワクチン犯罪の激増を警告
  • ワクチンが盗まれる、優先者であることの証明証の売買市場が出現

などいう内容です。

 

コメント

「偽」という言葉に反応してしまいました。バイアグラも偽物が出回りましたが、人気のある薬などは直ぐに偽物がでるようです。

 

今なら、新型コロナのワクチンが市場に出ているだけで偽物くさいと判断できるので、買う人は少ないでしょうが、世の中には騙されて買う人もいるかもしれません。

もう少したって、周りにワクチンを接種した人が増えてくると、ワクチンがだんだん身近に感じられてきて、騙される人が増えるのかもしれません。

 

法的には、商標権侵害や不正競争防止法の違反というよりも、第一義的には詐欺ですね。

さらに、今回の事例なら、中国企業の名称などを使っていると、そこが商標権侵害や、不正競争防止法違反になるのだろうと思います。

 

注目したのは、金額です。約2万6000円、2回で750ドルという金額です。現在、ワクチンの接種がはじまったばかりなので、希少価値が高いのですが、その状態でもこの程度の金額です。ビックリする金額ではないようです。

 

実際は、政府の予算で無償化したりするので、一般に届くころには、実際は相当、安くなると思われます。

また、時間はかかると思いますが、大量に供給はされるとすると、この偽物の金額はより安くしないと誰も買わないということになります。

そうなると、この偽物ワクチン業者は値下げをしないといけなくなります。

今回の偽物は、あまり儲からないような気がしました。

 

それよりも、本物のワクチンの窃盗の方が心配です。記事にもありますが、製薬業界は、定期的な監査、供給網の検査、配送中の人との接触減、などを計画しているようですが、こちらは関係者の横流しも起こらないように、現金輸送をするときのような対応が必要になりそうです。

ワクチンを配送する救急車に、セコムの人に同乗してもらうようなことが必要かもしれないなと思いました。