論文数、特許数を政府が一元把握
2020年12月11日の日経夕刊に、政府が国立の大学や研究機関の資金と成果の関係を分析する基盤をつくり、国立研究機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)とするという記事がありました。
研究資金と成果の関係分析 政府、国立大の競争力向上: 日本経済新聞 (nikkei.com)
国立大学・機関の資金は、
からなる。これまで、政府が集約してきたのは、科研費とその他の競争的資金の一部のみ。
基盤で、資金獲得の工夫を促し、望ましい雇用形態を探る。
- 若手は任期がない研究者ほど論文数が多い
- 年齢が高いと少なくなる傾向
- 国立大では運営交付金が多いほど論文数が増え、質も高い
- 日本の論文数は、世界4位(20年前の2位から後退)
- 注目論文は9位
とあります。
コメント
よく聞く話は、大型の研究には大量の資金が必要という話と、反対に成果を出すのは個人の力であってあまり資金の多寡に関係ないという話です。
お金はあって困ることはないですが、若手の人気のない研究者ほど論文数が多いというのは、後者の話に近いですし、
反対に、運営交付金が多い国立大学ほど論文数が増え、質も高いというのは、前者の話に近いと思います。
企業の特許部にいた時に、商標ですので、特許の詳しいことは分かりませんでしたが、色んな研究所や事業場に、沢山発明(特許)を出す、特異な人の話を何人か聞きました。
社内で何とかスポンサーを見つけて、研究資金を調達して成果に結びつけている人もいましたし、そんなにお金をかけずに頭で考えて発明を作っているタイプの人もいたように思います。
どちらのタイプも、相当アグレッシブに仕事に取り組んでおられたことは分かります。
会社に入ったころ、会社の寮にいたのですが、その寮は野球部のメンバーと研究所のメンバーの寮で(知財部門が研究所の傘下にあったためと思います)、研究所の人と話をすることが多かったのですが、残業時間なんて関係ないという感じでした。
資金の多寡もありますが、あのような熱量がないと、研究成果は生まれないように思います。
体調の悪い人に無理やり仕事をさせるのは論外ですが、やりたい人の熱量・意欲の源泉のようなものを伸ばすことが、必要なように思います。
折角、研究機関のDXをするなら、お金の分配、組織の仕組みの改革を超えて、研究者の熱量を測り、それを刺激するような方策を考えることはできないものかと思います。