査定システム「AI真贋」、フリマアプリ「カンテ」
2020年1月14日の日経に、コメ兵がデータで真贋を判定し(「AI真贋」)、また、同社のフリマアプリ「カンテ」ではメルカリなどにはないサービスがあるという話題がありました。
コメ兵、データで真贋判定 中古ブランド取引を公正に: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- コメ兵は、2020年8月に、店舗に「AI真贋」を導入
- 生地やロゴなど数ヵ所を撮影
- 現在はヴィトンのバッグや小物のみであるが、正答率は99%
- 鑑定士が蓄積した本物、偽物のデータで判定
- また、システムで、相場も示す
- 在庫、販売履歴、店頭やコールセンターへの問い合わせ件数、通販サイトのクリック数、中古オークションへの出品数などの需要と供給のデータから
- 真贋判定と相場査定で、消費者に安心感
- コメ兵のフリマアプリの「カンテ」では、実物鑑定サービス
- 買い手が鑑定ありを選ぶと、商品がコメ兵に送付され、コメ兵が真贋を鑑定し、買い手に発送
- サイトの画像が本物でも、偽物はコメ兵でチェックできる
- 同サービスでは、取引の1割に偽物と見破った
- 中国のアリババ系のフリマアプリ「シエンユー」では個人の信用スコアを活用
とあります。
コメント
コメ兵の件は、これまでも何回か新聞記事になっており、ブログでも触れてきました。「AI真贋」「カンテ」など、ネーミングもつけており、コメ兵の本気度が分かります。
職業病ですが、「カンテ」はまだしも、「AI真贋」は識別性があるのかなと心配になります。
さて、今回は、単にAIの真贋判定だけではなく、相場の見える化を通じた消費者の納得感、安心感のようなもので、リユース市場を活性化しようというコメ兵の戦略が良く分かる記事でした。
さらに、コメ兵は、フリマアプリもに風穴を開けているようです。フリマアプリは、C to C市場であり、偽物がまぎれる可能性が高いのですが、その取引の間にコメ兵の、リアルな真贋判定のチェックを入れるという方法は思いつきませんでした。
アマゾンなどは、出品された商品の画像で、AIで真贋判定するようですが、画像は本物だけれども実際の商品は偽物の場合は、意味をなしません。
コメ兵の方法は、送付や鑑定作業が入るだけコスト高にはなりますが、信頼性は高くなりますので、高額商品はコメ兵方式に軍配が上がります。
中国の信用スコアの活用は、方法としては良さそうなのですが、日本では個人情報保護のために難しいのかもしれません。
そうなると、安い商品はアマゾン的に画像でAIで、高い商品はコメ兵的に真贋判定者を間に入れるということになりそうです。
新聞記事には、日本の知的財産侵害物品の輸入差止は、2015年から2019年の101万点まで、5割増えているとあります。また、コメ兵のフリマアプリで1割が偽物とあります。
中国製商品は今後も増えますし、ネット通販やフリマアプリなどの新しい流通ルートも、できますので、模倣品は身近な話になってきました。