Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

司法試験の合格者数

2020年は1450人

2021年1月20日の日経電子版に、今年の司法試験の合格者数が1450人であり、政府目標の1500人に届かなかったという記事がありました。

司法試験1450人合格 政府目標「1500人」初めて下回る: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

  • 2020年の試験は、コロナの影響で実施時期が変更
  • 2019年よりも52名少なく、政府目標の「1500人以上」を下回った
  • 受験者数の減少傾向。受験者数は3703人で、2019年から763人減少
  • 受験者、合格者とも5年連続で減少
  • 合格率は39.16%
  • 合格者の内訳は男性1083人、女性367人
  • 平均年齢は28.4歳、最年長は69歳、最年少は20歳
  • 法科大学院を修了した合格者は115人減の1072人(合格率32.68%)
  • 予備試験組は過去最多の378人(同89.36%)
  • 合格者大学は、東京大、慶応大、京都大、中央大、一橋大
  • 法科大学院の志願者も2016年度以降はおおむね8千人台で横ばい

コメント

この数字を見ると、法科大学院よりも、予備試験の方が断然合格率が高く、人数も3:1程度なので、少ないとは言えない数です。

これは予備試験がなくならないと、法科大学院は存在価値がなくなるのではないかという気がしました。

 

以前、法科大学を出ても、3回受験できるし、法律部出身者のと理科系などの他学部出身者を分けると法学部出身者の合格率は高いので、結局、案外沢山合格しているということを記事にしたことがありますが、この予備試験を見ると、今後の法科大学院はどうなるのかなと思ったりします。

 

さて、法科大学院ができ、司法試験改革が始まるまでは、企業の法務に弁護士はほとんどいませんでしたが、最近はよく見ます。

以前勤務していた会社にもいましたし、お客さんで商標の相談にこられた方が弁護士だったというケースもあります。

 

企業法務であれば、ある程度の給与もありますし、福利厚生も充実しているので、それはそれでありだろうと思いますが、弁護士はやはり裁判で活躍することを望む方が多いのかもしれません。

そうなると、企業ではなく、法律事務所を選択することになります。企業では裁判となると、いくら内部に弁護士や弁理士(審決取消訴訟は可能です)がいても、外部の弁護士、弁理士を使うことを望みます。

 

しばらくは、この1500名という数字が続くのだろうと思います。

受験者3703名とありますが、この受験数で、1450名の合格です。

記事には、法科大学院の志願者は、2016年以降おおむね8,000名とあります。

法科大学院の志願者のどの程度の割合が、実際に大学院に入り、実際に卒業できているは、記事からは明確ではないですが、どうなのでしょうか?

 

法学部の既習コースを考えているようですが、現実には、社会人になっていない人は予備試験で、社会人になった経験のある人は法科大学院という気もします。

そうなると優秀な学生は予備試験に走ります。やはり予備試験は無くすか、法科大学院を無くすか二者択一になりそうです。

両立させるとすると、方策としては、予備試験の合格者を徹底的に絞ること、あるいは予備試験に所得制限をすることなどで、予備試験の選択はあくまで例外とすることです。

 

文科省法務省で、相談しているのでしょうが、わかりにくいですね。