Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

予備試験の受験者数宇

これは「予備」なのか?

昨日は、司法試験の法科大学院を卒業した受験者と予備試験を合格した受験者で、予備試験経由の方が、司法試験の合格率が高いという話でしたが、2021年1月21日の朝日新聞では、「司法試験の『抜け道』鮮明に」という見出しになっています。

 

予備試験は経済的事情などで院に進学できない人向けに設けられた制度が、学費や時間の負担を軽くできる「抜け道」になっている実態が鮮明になったとあります。

 

予備試験をWikipediaで検索すると、過去の予備試験の受験者数などが出ていました。

2011年にスタートした予備試験は、短答式、論文式、口述式までの試験があり、2019年は、受験者が14,494名とあり、合格者が476名で合格率は4.04%となっています。

短答式、論文式、口述式と、過去の司法試験のようなものであり、合格率からも非常に難関であることが分かります。この試験をパスした人の、本当の司法試験の合格率が89.36%もあるというのは、うなづけます。

司法試験予備試験 - Wikipedia

 

特に、受験者が14,494名というのは、相当な数です。法科大学院の志願者が毎年8,000名とありましたので、その倍ほどあります。

おそらく、法科大学院に行きながら、予備試験を受けるという重複もあると思いますが、それでも予備試験の受験者が多い気がします。

 

30年ほど前の記憶ですが、当時の司法試験は、毎年1万数千人ぐらいが受験して、500名ぐらいが合格者だったのではないかと思いいますので、今の予備試験は、それと同じです。

ここまでの試験をするなら、予備試験合格者に司法試験を受けさせる必要もなく、予備試験という司法試験(名称変更が必要ですが)と、法科大学院経由の司法試験という2つのルートを作っても良いのではないかという気がします。

どうも日本には、2つの司法試験のルートが出来てしまったと考えるしかなさそうです。

 

二つの試験に分けてしまうと、法曹一元化とか、言い難くなるのかもしれませんし、法務省は任官用に、レベルチェックなどをしたいのかもしれないなと思いました。

優秀な人は、予備試験組にしかいないという訳ではなく、法科大学院組みにもいるはずですので。

 

予備試験の存在理由が、経済的理由だけなら、奨学金の支給を厚くして、法科大学院に通えるようにするなどの対策がありそうです。

しかし、法律家を選抜する試験で、これほど堂々とした、「抜け道」があると指摘される状態は、相当な違和感がありますので、知恵を絞って回避する必要があるように思います。

 

単なる思い付きですが、法科大学院監督官庁を、法務省一本に絞ったら、この問題が少しは良くなるかもしれないのではないかと思ったりしました。