Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アディダスのリーボック売却

1200億円前後か

2021年2月18日の日経にアディダスリーボックを売却するという記事がありました。

アディダス、リーボック売却へ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • アディダスは、傘下のリーボックを売却すると発表
  • 同業首位のナイキに対抗するために、2006年にリーボックを買収
  • 注力分野のすみ分けに苦慮
  • リーボックは不振が続いている
  • 2016年から再建プラン実行
  • 2018年には黒字化
  • 売上高は、17億4800万ユーロ
  • しかし、立て直しをあきらめた
  • 売却先は未定
  • 売却額は、約1280億円前後の見通し

とあります。

 

2021年2月18日のCNN.co.jpには、

売却先候補は、

  • ヴァンズやザ・ノースフェースの親会社VFコーポレーション
  • 米オーセンティック・ブランズ・グループ
  • 中国の安踏体育用品

とあります。

CNN.co.jp : 独アディダス、不振の米リーボックを売却へ

 

コメント

リーボックの売上高の17億4800万ユーロは、130円で計算すると約2272億円ですので、1200~1300億円では一年の売上に満たないようです。

 

Wikipediaで、リーボックアディダスを調べたのですが、アディダスやプーマの創業者兄弟の話は、面白い話がいろいろとありましたが、あまり情報がありません。

アディダス - Wikipedia

プーマ - Wikipedia

 

ただ、リーボックは英国の会社と思っていましたが、本社はアメリカにあるようです。リーボックWikipediaには、1986年にはスポーツ用品ブランドとして、全米No.1の売上とあります。

リーボック - Wikipedia

リーボックのイメージとしては、ビジネスでも使える黒いスニーカーのイメージがあったのですが、米国での事業は、スポーツ中心のようです。

 

アディダスWikipediaによると、1990年に実業家に買収される前には、創業家内の内紛があったりして、この時期のアディダスは、ナイキ、リーボックに次ぐ業界3番手であったとあります。リーボックにも負けていた時期があるとは驚きです。

そして、銀行団や別の実業家が立て直して、2005年のリーボック買収とあります。(日経の記事とは1年ズレていますが、契約締結から買収完了かの違いでしょうか)

アディダス - Wikipedia

 

強かったリーボックが、なぜ低迷したのかが良くわかりません。CNNには、アディダスリーボックの買収当時はNBANFLと契約していたとありますが、

リーボックWikipediaによると、2005年の買収された当時、既に不振だったようですであり、2012年にNFLのスポンサーがナイキになったとあります。

リーボック - Wikipedia

スポンサー契約は、この業界においては死活問題のようだなということと、1990年代、2000年代に、ナイキが強くなってきた感じがします。

 

さて、アディダスリーボックの扱いですが、

リーボックリーボックで強いブランドですので、アディダスが2つのブランドを併存させることは理解できます。

LVMHやリシュモンのように、多くのブランドをもち、ポートフォリオ的に運営する企業もあります。

 

日経にあった、注力分野のすみ分けに苦慮という点が、ポイントということなんでしょうか。

アディダスはサッカーに強く、リーボックはバスケットボールやアメフトに強い、スポーツの種類ですみ分けできなら良かったのでしょうが、ジョギングやエアロビクスやスニーカーなどの両者の事業がクロスする領域があり、同じ事業分野で戦わざるを得なかったということなんでしょうか。

 

スポーツシューズのメーカーは、ブランドや商標の話題の宝庫なので、関心をもって見ていきたいと思います。