Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

日経企業イメージ調査

トヨタの強さ、FT版調査とIB調査の類似性

2021年3月3日の日経に、2020年8-10月に調査した、第33回日経ブランドイメージ調査の結果が掲載されていました。

 

トヨタ、20年連続首位 日経企業イメージ調査: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

企業イメージ総合上位10社は、

  1. トヨタ自動車(前年1位)
  2. 任天堂(前年なし、新たに調査に加えたため)
  3. オリエンタルランド(3位)
  4. ファーストリテイリング(4位)
  5. サントリー(6位)
  6. グーグル(5位)
  7. アップルジャパン(2位)
  8. キリンビール(13位)
  9. 日本コカ・コーラ(8位)
  10. アサヒビール(14位)

とあります。

 

調査対象は672社で、回答は首都圏の2789事業所の5619人からとあります。

 

関連で、2021年3月5日の日経で、上記の日経企業イメージ調査を詳説した、6面の全面広告がありました。

その中で、特に、Financial Times Commercial Insightと日経が連携して調査した、Global Corporate Reputation Studyの紹介がありました。35社を対象にしているようです。

 

企業認知度は次のようです。

  1. Sony
  2. Toyota
  3. Nissan
  4. Honda
  5. Canon
  6. Panasonic
  7. Hitachi
  8. Mitsubishi Corp
  9. SUBARU
  10. Bridgestone
  11. Mitsubishi Electric
  12. Nomura
  13. SoftBank
  14. Nippon Steel
  15. NTT

また、リーダーシップは次のような結果です。

  1. Toyota
  2. Honda
  3. Sony
  4. FAST RETAILING
  5. Canon
  6. Panasonic
  7. Central Japan Railway
  8. Tokyo Marine
  9. SUBARU
  10. DENSO
  11. Mitsubishi Corp
  12. Sevei & i
  13. Takeda
  14. Bridgestone
  15. MUFG
  16. Nomura

 

コメント

トヨタが強いなと、改めて思いました。20年連続とありますが、2000年ぐらいまでは、他のトヨタが1位でない年もあったことになります。

ソニーだったんでしょうか?

 

任天堂を初めて調査対象にしたというのは、すこし驚きです。672社に入っていなかったのですね。そういう意味では、672社というのは、ちょっと少ないかもしれません。

 

さて、3月5日の広告の方が情報が多いので、そちらを見ていると、コロナ禍の影響が大きかったのと、中長期的にはSDGsやESGの重要性が強調されていました。

 

また、ENEOS、出光昭和シェル、AGCといった、社名変更して、社名をブランド名(基本商標)と合わせた企業の評価が高いとあり、認知から考えると、そうなると思いました。

 

識者のコメントでは、

中央大学の田中洋教授が、定点観測の重要性と、あるべき姿を社内で議論して、一つのイメージ項目に着目して改善していく重要性に言及されており、

法政大学の長谷川直哉教授が、SCR報告書や非財務情報の開示の重要性、特に英語での発信がないと比較対象にもならない、という指摘、

が目を引きました。

 

全体的な感想としては、結果自体も、社名表記の方法も、FTのランキングが、案外、Interbrandのランキングに近いなと思いました。

 

日経企業イメージ調査の対象は社名であり、その社名は日本語です。

最近は、ENEOSのように、社名とブランド名を合わせることが多いのですが、まだ、オリエンタルランド東京ディズニーランド)、ファーストリテイリングユニクロ)、良品計画無印良品)、全日本空輸ANA)、東日本旅客鉄道JR東日本)などの社名とブランド名が不一致の会社があります。

 

これでは、コミュニケーションロスが生じますので、早急に、社名変更すべきなのだと思います(オリエンタルランドはディズニーを含んだ名称の許可はもらえないし、ユニクロはGUなどの複数ブランドがありますが、無印良品ANAなどは変えても良いのではないかと思います)。

 

また、文字の表記についても、欧米企業であれば、商号も商標も同じアルファベットですが、日本企業は社名は日本語になります。

一方、商標はアルファベットの会社が多いので、この齟齬があるのは、日本企業の固有の問題かもしれないなと思いました。

 

最近は、アルファベットを商号中に使う会社も増えてきましたが、まだまだです。

SUBARUなどは、どのブランドランキングを見ても評価が高いのですが、その理由の一つは、アルファベットの社名にあるかもしれません。