プライバシーに配慮しグループ化
2021年3月3日の日経電子版に、グーグルが今後は個人の閲覧履歴を追跡することを段階的に廃止して、数千人をグループ化をして広告を配信する方向であるという話がありました。
Google、ネット広告の制限強化 個人の閲覧追跡させず: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- プライバシーの保護のため
- 消費者から行動を見られているようだと不満が高まっていた
- ターゲティング技術の転機となる
- サードパーティクッキー、デバイスフィンガープリントという技術に対する不安
- 一人ひとりの閲覧履歴をブラウザーに搭載したAIで解析し、似た趣味や嗜好を持つ数千人を同じグループにくくって広告の配信に活用する
- アップルもプライバシー保護を強化
- 個人は特定されない
コメント
グーグルのこの対応により、確かに、個人を特定してのターゲテイング広告はなくなるのかもしれませんが、似た趣味や嗜好の数千人のグループが形成され、それ向けの広告が出てくるということになります。
パソコンを購入しようかとパソコンを調べたりしていると、何回もパソコンの広告が出てます。また、マンションの検索をすると、これでもかというぐらいマンション会社からの広告がきます。
新技術にシフトしてもこのプッシュ型の広告は変わらないような気がしますが、どうなんでしょうか。
ネットの世界ではない、リアルな世界では、いろんな広告にあふれています。新聞にはその新聞に適した広告が、雑誌にはその雑誌の読者に適した広告があります。街を歩けば各種の屋外広告があり、電車に乗れば交通広告があり、いろんなものが目に飛び込んできます。世の中の広告を見ているだけで、相当、いろんな情報が入ってきます。
これに対して、パソコンばかりマンションばかりのネット上の広告は、面白くありませんし、社会を理解したりするのに役立ちませんし、流行を察知したりする参考にもなりません。テレビCMの方がずっとインフォ―マティブです。
ネット企業には広告についての表現の自由があるのかもしれませんが、消費者には多様な広告に触れる自由、権利というものがあっても良いように思います。これはプライバシーではなく、知る権利に近いものだろうと思います。
できれば、パソコンの広告を見たいときにはパソコンの広告が表示され、マンションの広告が見たいときにはマンションの広告が表示され、特に興味がないときには、ランダムに広告が表示されるのような技術というものはないのかなと思います。
いかにグーグルでも、個人の心の中までは覗けないので、少し無理があるかもしれまえん。
そうなると、基本は、ランダムに多様な広告を表示し、特にパソコンの広告を見たいときは、利用者がその旨を設定すると、パソコンの広告が中心に出てくる程度が良いのではないでしょうか。
ターゲティング広告は、そのうち破綻しないものでしょうか。