こんな発信をしていたのか
2021年3月16日付ですが、特許庁のWebサイトを見ていて、新着情報に参考審決等の英訳というものがあることを知りました。
新着情報一覧 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
具体的には、
参考審決等の英訳 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
ここに、商標の場合は2012年ぐらいからの審決が紹介されています。
英訳があるぐらいですから、重要なものということは言えると思います。
我が国の産業財産権に関する国際的な情報発信の一環として、事件の種類、分野などに応じて法解釈や運用の理解に参考となると考えられる審決等(審決、異議決定、判定)の人手翻訳による英訳を提供しています。
とあります。
機械翻訳ではないということを言っており、お金がかかっています。
一つ上の階層の審判の箇所の一覧に、
「審判実務者研究会報告書」というものがあり、2015年からは要約版には英訳があります。
審判実務者研究会報告書 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
2012年や2015年に、英語での情報発信が必要となってきたのだろうと思います。
また、EUTM、ドイツ特許裁判所、USPTOのサイトへのリンクですが、外国の審判決に関する情報というものがありました。
外国の審判決に関する情報 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
英語で発信しないことには、世界では全く認知されないので、やらざるを得ないというところでしょうか。
コメント
審判は準司法手続きで、一審省略ということですが、その情報は審決広報によって公開されています。
ただ、数が多いのですべて読んでいる人がいないでしょうし、分野を商標だけに絞っても、それを読み込んでいる人は少ないと思います。
商標協会の審決部会などでスクリーニングしたもので、会誌に載っているものをさっと読んで、気になったものは特許庁のサイトなどで確認するということになります。
それだけでも、ちゃんとするのは大変なので、意見書を書くときに、参考になるような審決をDBで検索するということが一番多いのかなと思います。
一方、上に紹介したものは、さっと見たところ、類否の話のレベルではなく、もう少し、法律と類否判断の中間に位置するような、考え方、ものの見方についての審決なのと思いました。
実務にどれだけ役立つかは別として、日本の審判決のレベルを海外に紹介することは、日本の国際的な評価につながります。
そういえば、知財の判決の英訳のサイトなど見たことがないですので、特許庁の審決の英訳サイトは、一歩先を行っているのかもしれません。(*判決もあるようです。教えてもらいました。)
https://www.ip.courts.go.jp/eng/hanrei/index.html
商標協会の国際活動委員会で、Bulletinを作っていたことがあるのですが、カタカナやひらがなや漢字がでるとお手上げです。
発音記号でも書かないと海外の人にはちんぷんかんぷんです。
このあたりが理由かもしれません。