緑のドラえもん
2021年3月24日の朝日新聞で、緑のドラえもんが出てくる、ユニクロの一面全面広告を見ました。
- コピーは、「服のチカラで、未来を変える。」
- ドラえもんが「青」から「緑」へ
- 「ユニクロ」「UNIQLO」のロゴも、「緑」に。2つのロゴの下には、「THE POWER OF CLOTHING」の「緑」の文字
というビジュアルです。
関連の日経の記事はこちらです。
ユニクロ、サステナビリティーアンバサダーにドラえもん: 日本経済新聞 (nikkei.com)
関連のユニクロのプレスリリースは、こちらです。
緑の『ドラえもん』がグローバルサステナビリティアンバサダーに就任 ─ 綾瀬はるかさんやグローバルブランドアンバサダーたちとサステナビリティ活動に取り組んでいきます。 - UNIQLO ユニクロ
日本で生まれ、今や世界中で世代を超えて愛され続ける『ドラえもん』
サステナビリティへの取り組みを加速させるユニクロはその決意を緑のロゴに込め、『ドラえもん』も緑色の「サステナモード」にチェンジ。今後、世界中のユニクロの店頭やWEBサイトなど様々な場面でアンバサダーとして活動していきます。
ユニクロは、「服のチカラで、未来を変える。The Power Of Clothing」をサステナビリティのキーメッセージとし、緑のユニクロロゴとともにサステナビリティ活動の情報発信を世界中で行っていきます。
とあります。
コメント
ドラえもんを「緑」にするのは、藤子プロの許可があればできると思います。ただ、この緑のドラえもんは独占使用権でしょうから、利用料は相当高くなると思いました。
ドラえもんは、虎ノ門ヒルズでは「トラのもん」と変形して登場しているぐらいですから、比較的同一性保持にはうるさくありません。
トラのもん | 虎ノ門ヒルズ - Toranomon Hills
さて、注目したのは、ユニクロのロゴです。赤が緑になっています。通常のブランドマネジメントではブランドカラーは非常に大切なものであり、赤なら赤で、一貫して使わないといけないと説明されます。
白黒印刷しかできない新聞広告などでは、モノクロ表示もありますが、カラー印刷が可能なものは一貫して同じカラーを出して、顧客にカラーとセットで認知してもらおうということになっています。
よって、通常のブランドマネジメントからすると、ユニクロの緑は邪道です。
ブランドカラーを変えるなど、役員会で十分議論しないといけない程度の内容です。
もし、私がユニクロのブランドマネジメントを任されているとすると、この案件が宣伝部門や広報部門から出てきたら、即却下しないと職務上の義務に反するぐらいです。
よくあるのは、宣伝や広報が先に社長などTOPに報告を済ませ、決まったことだからと言って、ごり押ししてくることです。
ブランドマネジメント部門としては、TOPにこちらの考え方を説明をして、その上での判断を仰ぐ必要があります。
サステイナブルアンバサダーとして、緑のドラえもんを起用し、THE POWER OF CLOTHINGという言葉とセットになったユニクロ、UNIQLOロゴも準備し、考え方は分かります。
しかし、これをどの程度、露出できるのか不明です。
あまりに緑が多くなると、赤とバッティングします。おそらく、そこまでは露出しないと思います。
THE POWER OF CLOTHINGは、良いコピー、スローガンと思いますが、ユニクロのLife wearとの関係もあります。顧客視点では、Life wearに分があります。
結局、サステイナブルの場面だけでの使用になりそうです。
ブランドロゴを使って、遊んでいるだけだという批判も出てきそうです。
数年たって、この緑のロゴや緑のドラえもんはどうなったのか?となるような気もします。
変化がないと飽きますし、時代とともに変化も必要かもしれませんが、本気で変化をつけるなら、ユニクロ、UNIQLOロゴ自体を「緑」に変えるべきなんでしょう。
ロゴ自体を変えないと、時代に取り残されます。