英国最高歳裁判決を受けて
2021年3月17日の日経に、英国最高裁判決を受けて、ウーバーは7万人の運転手を労働者として扱うと発表したとあります。
ウーバー、英で最低賃金保障: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 3月17日付で、「個人事業主」から「労働者」へ
- 英国法では、「労働者」は、「従業員」とは異なる区分で、税務上は自営業者であり、運転手らは好きな時間に働くことができる
- 最低賃金を保障
- 休暇手当
- 年金への加入機会
- 英国では、既に99%の運転手が最低賃金を上回る収入がある
とあります。
コメント
1月ほど前に、英国で、ウーバーの運転手が従業員と認めらるという記事がありましたが、この日経の記事によると、従業員ではなく、「労働者」という別の区分になるようです。
英国の労働法は良くわかりませんが、税務上は個人事業主であり、また、好きな時間に働いてよいということであれば、個人事業主と従業員の中間的なものであることは分かります。
ウーバーの運転手も、このあたりなら、納得できるというところなんでしょうか。
AFPBB Newsの記事で、中国でもギグワーカーが増大しているという話を読みました。
中国のギグワーカーが2億人に 政府は推奨、待遇に課題も 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
政府がギグワーカーを推奨しております。
中国政府は経済成長や就業支援、新型コロナウイルス対策につながるとみてギグワークを推奨しているが、労働者の権利保護も課題となっている。
「ギグエコノミー市場の構築を支援して雇用のルートを広げ、意欲と能力のある人のために公平なチャンスを生み出していく」。全国人民代表大会(、全人代)で今月5日、李克強()首相は今年の経済方針を示す政府活動報告の中で、政府としてギグエコノミーを促進していく姿勢を明確にした。
とあります。
ギグエコノミーは、全世界的な流れであり、この流れは止まらないということと、労働法上の課題はあり、この解決が重要ということのようです。
日本でも、タクシーとの関係でウーバーライドシェアが出来なかったのですが、ウーバーイーツは、規制法がなかったためか、一挙に広まりました。
先日紹介した「不道徳な経済学」では、「最低賃金が失業を促進する」という話が載っています。
賃金などは市場原理で決めるが、一番、効率が良いのに、そこに政府がでてくることで市場が歪み、最低賃金以下でもよいので働いて少しでもお金を稼ぎたい人が稼げなくなる。また、最低賃金の主張は、大企業の労働組合からでており、そのメンバーは、最低賃金よりも相当高い金額で働く人達であり、その背景には、低賃金の未熟練労働者を切り捨てて、自らの仕事を守ろうという意図であるという指摘です。
いろんな考え方があるんだなと思いました。
各地の最低賃金はアルバイトの時給のベースにはなっている程度の意味はありますが、リバタリアンの発想からすると、そもそも、最低賃金保障というものは、あってはならないもののようです。
ポイントは、事故にあったときの休業補償のようなものではないでしょうか。その点、日経の冒頭の記事からは明らかではなありません。
そもそも、英国のウーバー運転手のように、そもそも最低賃金は超えている訳ですので、すくなくとも、最低賃金の保障はあまり関係ない話だなと思います。
また、時間などからの自由を選択してギグワーカーになったのであれば、従業員と同じ処遇でないことも仕方ないように思います。