色の表現が変わってきた
2021年3月27日の日経に、花王が人種の多様性議論に配慮し、「美白」という表現を撤廃するという記事がありました。
花王、「美白」表現を撤廃: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 今後、すべてのブランドで美白の表現を使わない
- 米国で起こった黒人差別への抗議運動を受け、外資系メーカー(ユニリーバ、ロレアル)でも「ホワイトニング」などの表記をやめた(2020年6月)
- 肌の色の多様性を配慮
- 白い肌がベストと伝わるのは良くないという考え
- 花王は化粧品ブランドの「トワニー」で、今後は「ブライトニング」と言葉を使った
- ファンデーションでも幅広い肌の色に対応できるように、従来の約2倍の23色に
- ユニリーバは、髪質について、「Normal(標準)」という言葉を無くす
- 花王もファンデーションで、「標準」という言葉も使わない
また、2021年3月26日の朝日新聞デジタルで、ファミリーマートがPB商品の女性向け下着を、「ベージュ」から「はだいろ」にしたところ、社員や加盟店から、不適切という指摘があり、製品を回収し、「ベージュ」に表記を変えるという話がありました。
コメント
子どもの色鉛筆をみて、肌色(はだいろ)という表現ではないなと思っていました。もう15年~20年ぐらい前の話です。
Wikipediaによると、2000年ぐらいから動きがあり2005年~2006年に変わったとあります。
人種差別に対する問題意識から、人種・個人差・日焼けの度合いによってアメリカでは、たとえば1962年にCrayola社は肌色に相当する flesh の呼称を“peach”(ピーチ)と呼び変えている。日本では、2000年前後から大手文具メーカーが協議の結果として「肌色」という呼称の使用を取りやめるようになり、2005年から2006年頃には全てのクレヨンからこの呼称が撤廃された。
サクラクレパスのクーピー色鉛筆やクレパスでは、「うすだいだい」と言っているようです。
クーピー色鉛筆12色(スタンダード)|クーピー色鉛筆|色鉛筆|絵画用品・学用品|商品を探す|株式会社サクラクレパス (craypas.co.jp)
クレパス太巻16色|クレパス|クレパス(パス)|絵画用品・学用品|商品を探す|株式会社サクラクレパス (craypas.co.jp)
子どもが幼稚園や小学校で使う色鉛筆やクレヨンでは、人の顔などを書くことも多く、その色が必要です。肌色のクレヨンは減りが早かったのではないでしょうか。まずは、よく使う色があり、その色は人の肌を塗るときの色ということで、慣用的に肌色と呼ばれるようになったのだろうと思います。
しかし、確かに肌の色は、多様ですので、特定の色を肌色とすることは、無理があります。アメリカなどでは、人種も多様ですので、いろんな肌の色があるでしょうから、無理があるのはよくわかります。
日本でも、個人差があるので、アメリカほどではないにしても、状況は同じだと思います。
この議論は、文具の業界では2000年や2005~2006年に解決していたいものが、化粧品の世界やファッションの世界では、今、やってきているようです。
海外では、人種問題が大きく影響しているのでしょうが、
日本では2005~2006年のクレヨン、色鉛筆の名称変更を経験した層が大人になり、社会に出てきて、購買層になってきたという点もあるのではないでしょうか。
なお、12色、16色の色では、それ以外は色の名称は変わっていないようです。