事例09~12
続いて、「Rights」を読んでます。
知的財産を経営に生かす知財活用事例集「Rights」について | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
09 株式会社アーキビジョン21
海上コンテナと同じ大きさの木造建築物モジュールの「SMART MODULO」が紹介されています。SMART MODULOは、災害時に威力を発揮するもので、内閣府の推奨があり、書く都道府県で導入が進んでいるようです。
工法の特許もあるようですが、特許よりは商標が中心で、パートナーづくりのために、低額あるいは無償で、ノウハウ・アイディア・商標などをセットにして、知財ライセンスをしているとあります。
知財は、粗悪品がでてきたときの対処のツールとあります。知財取得が事業目的ではなく、事業を前進させるために、知財を使うとあります。
10 株式会社エレドック沖縄
独立系エレベータメンテナンス事業者であり、メンテナンスサービスの事業を知財権で守りたいと思い、沖縄県知財総合支援窓口に相談したところ、商標権の取得になったようです。
商標は社名にもある「エレドック」と犬のキャラクターの「エレドクター」であり、エレドクターはシールにして、エレベータに貼付しています。
子どもに見える位置にシールを貼付し、これが子どもに人気で、指名につながるとあります。
また、高齢化で従業員の仕事をつくため、機械式駐車場やフィットネス機器のメンテナンスに参入し、ここでは、「エレドクター」を商標にしているとあります。
11 株式会社ICST
NOZOMIブランドのハンディマッサージ機をロシアで販売し、薬局で85%のシェアがあり、毎年20万台売れているそうです。
日本ブランドには、信頼があるようです。
ライセンスが少し独特で、代理店には無償でコーポレートブランドロゴをライセンスして、露出を強化しているとあります。
また、ベトナムにも進出しています。
12 ののじ株式会社
お父さんがレーベンという会社で、便利な食器などを作っており、その販売会社の「ののじ」を息子が運営しているという関係です。
お父さんは特許明細書を自分で書くような技術者で、権利で守れないものは販売しないそうです。
ただ、技術的な説明だけでは消費者に商品の価値(ベネフィット)が伝わらないため、ののじ株式会社のスタッフが、理解しやすい言葉に翻訳した商標を考えています。伝え方が重要ということのようです。
インドネシアなどの親日国、奥様同行で海外赴任している日本人が多い国をターゲットにしているそうです。
コメント
この4つは、商標ですね。
- アーキビジョン21のSMART MODULOは、技術ブランディングと考えると良いと思います。
- エレドックのエレドクターは、サービスマークですね。日立の「BUILCARE」、三菱の「弁慶」と似ています。
- ICSTは、Japan Brandの活用です。FUJI(富士)などは、日本をイメージさせるブランド、商標の代表例ですが、NOZOMIも新幹線の「のぞみ号」として有名であり、日本をイメージするのだろうと思います。
- ののじは、ネーミングというものの重要性を示しているなと思いました。
各々、面白い事例です。
中小企業と大企業が比較されますが、実は大企業といってもブランドや本社機構や研究所があるだけで、一つひとつの事業部は中小企業です。大きな事業部は3000名の事業部もありますが、小さい場合は200名程度の事業部もあります。
200名というと、中小企業と同じ規模です。
冊子からは、中小企業は中小企も頑張っていることも分りますし、中小企業が採用しているブランド戦略なり、知財戦略は、大企業と同じ、あるいは遜色ないことも分ります。
ICSTの、代理店に対する、コーポレートブランドのライセンスが面白いなと思いました。ここは、大企業はなかなかできない点です。ベンチャースピリットを感じます。