「間違い」によるフェイクニュースの一種
2021年4月2日の朝日新聞のニュースQ3のコーナーで、農林水産省の通達と、法案作成ミスに端を発した、ワープロソフトの「一太郎」の使用禁止令についての誤った報道についての、顛末をまとめた記事を見ました。
- フジテレビ系のニュースサイトが、「法案ミスで『一太郎』禁止令?」という見出しの記事を配信
- 政府内で法案ミスが相次いだ時期
- 農林水産省が、マイクロソフト「ワード」を使うように省内に通知(3月25日)
- 通知では、原則として「ワード」を使うこと。ただし、対外的にやむをえない場合を除く(※)
- ワード使用を求める通知は、2017年12月にも出ている。理由は、一太郎のファイルを開くことができない自治体が多いという意見から
- ニュースサイトの記事は、「一太郎」の使用が、法案の条文ミスの理由としたが、農林水産省はそれは間違いであるとフジテレビに指摘
- フジテレビは、記事を修正
- 法案の条文ミスは、担当者による確認不足が原因
- 一太郎で作った表をワードにコピーすると、書式が崩れたり、色が変わることはある
- 法案作成には一太郎の方が使いやすい
※この「対外的にやむを得ない場合」とは何か、意味が分かりにくいなと思いました。
コメント
フェイクニュースには、意図的なものもありますが、これはミスによるもののようです。
農林水産省としては、以前から、ワードを使用するように通知をだしていたようですが、このとき、再度同じような通知を出し、また、別に法案ミスの問題があり、その法案ミスの原因が一太郎が原因であるように報道されたようです。
企業にいたときは、一太郎の文書は見ませんし、現在の外国商標の仕事をしていても、海外から送ってくるものは間違いなく、ワードファイルかそれで作った文章をPDFにしたものですので、一太郎は見ません。
ただ、大学の先生は論文を一太郎で書いておられたように思いますし、企業でも身近なところでは、研究所で特許の明細書を書いている人が一太郎を使っていたように思います。政府の法案作成担当者以外にも、ユーザーはいるのは頷けます。
一太郎といえばジャストシステムですが、ジャストシステムのWebサイトを見ても、この問題について、何らコメントをしていないようです。
ジャストシステムは、徳島の会社で、夫婦で社長・副社長をされていた浮川和宣・初子夫妻が有名でしたが、現在は退任され、キーエンスが筆頭株主となっているようです。
一太郎もありますが、「スマイルゼミ」というタブレットを使った学習サービスが有名なようです。
製品も、ATOK、一太郎、三四郎、花子だけではなく、いろんな製品があります。
従業員350名弱で、これだけの広範囲な事業ができるんだなあと思いました。
ATOK、一太郎などの強みがあって、それなりの収益性があるので、他の事業が回っているということでしょうか。
日本にとっては、必要な会社なんだろうと思います。