Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

外務省のミャンマーのアンケート調査

評価の誘導?

2021年5月1日の朝日新聞に、外務省が4月に発表した「外交に関する国内世論調査」のミャンマーの質問で、政府の対応への肯定的な評価が7割をしめ、回答が肯定的なものにならざるを得ない質問ではないかという記事がありました。

 

ミャンマーについての質問は、

これまで日本は、ミャンマー民主化のため、政府開発援助を始めとして、長らく支援の手を差し伸べ、欧米とは異なるやり方で粘り強く変化を促し独自の立場を築いてきました。(※そのような中で、クーデターが発生し、治安当局がデモ隊に発砲し、多数の死傷者が発生しています。)ミャンマー情勢の改善に向け、日本は、独自のパイプを活用しつつ、積極的に関与すべきと思いますか。

  • 外務省の担当者は、「日本が国軍との間に持つパイプも活用して、情勢改善のために背積極的に取り組みことに多くの人が賛成してくれた」
  • しかし、大学教授は、質問を疑問視
  • 外務省の報道官は、回答を誘導する意図はない。指摘があれば考慮していきたい。と回答

とります。

 

コメント

外務省のサイトに、この国内世論調査が出ています。

令和2年度外交に関する国内世論調査|外務省 (mofa.go.jp)

100176587.pdf (mofa.go.jp)

 

米国、中国、東アジア情勢など、質問は広範囲にわたりますが、朝日新聞ではミャンマーが特に問題にしています。

 

「評価できる」「そう思う」というタイプの回答については、軒並み政府の方向性が高評価を受けています。こちらのPDFを見ていただければ、項目と回答が分かります。

100176586.pdf (mofa.go.jp)

一方、具体的な重視すべき点を聞く質問については、国民の意見が出ているように思います。

 

特にミャンマーですが、現在の国軍?(治安当局?)の民衆への発砲をみて、その国軍側を支持する日本人は少ないのではないかと思います。

 

なお、この調査、電話調査です。

100176587.pdf (mofa.go.jp)

電話調査ですので、70代、80代の意見が多数入っています。その点は、良いのですが、この複雑な質問を、本当に電話調査で調べられるのかなと思いました。

 

課題の内容を理解して、日本政府の対応を理解し、その評価をするというのが、レクチャーなしに可能なのかという気がします。

選挙予想のどの政党を支持します?程度は、電話調査に適していますが、複雑な内容については、十分に時間をとって背景内容も説明して、そのうえで意見を聞くような、特別な調査方法が必要ではないでしょうか。

電話調査よりは、まだ、インターネット調査の方が、取り組み等を丁寧に説明できるように思います。

 

この電話調査、まともにやったら30分はかかりそうです。それに付き合ってくれる人がいるのかとい問題もあります。10分でやるには、表面的になりすぎます。

この調査は、調査の設問もそうだと思いますが、調査方法を、考え直した方がよいように思います。