Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

減資した会社のリストに、驚きの社名が

ANAあきんど

2021年5月5日の朝日新聞に、収益悪化を背景に資本金を1億円に減資する会社が相次いでいるという記事がありました。

中小企業となり、税負担が軽くなるようです(外形標準課税がかからなくなるなど)。

 

リストには、

などがあります。

 

コメント

「なんだこれは」と思ったのは、「ANAセールス」が、「ANAあきんど」となっている点です。「ANAセールス」は至って普通ですが、「ANAあきんど」とは驚きました。

 

「あきんど」は、「あきんどスシロー」の専売特許だと思っていました(ちなみに、検索エンジンで「あきんど」と検索すると、「あきんどスシロー」と「ANAあきんど」の他に、「PCあきんど」というものも出ていきました)。

 

ANAあきんど株式会社

こちらがANAあきんどのロゴです。Akindoの「kind」の部分をライトブルーにしています。親切をモットーにしている会社ということが、ロゴから理解できます。

外国の方には、Akindoの意味(商人)は分からないと思いますが、面白い会社だということは、伝わります。

 

ANAセールス株式会社(以下:ANAセールス)は、事業の更なる発展を目的として、2021年4月1日に旅行事業を、ANAX株式会社に会社分割により承継し、商号を「ANAあきんど株式会社」に変更致しました。

新しい商号は、これまで長年培ってきた「航空セールス事業」に加え、今後は新たに「地域創生事業」にも事業領域を拡大し、それぞれを深化させることで、地域の皆様、お客様、そしてANAグループの「三方よし」を実現する会社になって行きたいという思いを込めて一新することと致しました。
社名のロゴについても、同様に「三方よし」を象徴するアイコンを取り入れ、地域に寄り添う思いや、地域の皆様とお客様に喜ばれる会社として成長し続けてまいります。

ANAあきんど株式会社 (ana-akindo.co.jp)

 

事業が拡大して、地域とお客様とANAグループの「三方よし」がアイコンになったという説明です。

三方よし」は、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」からきているのは明らかですが、「あきんど」の部分は「商人」のくだけた言い方のようです。

 

もともとが、ANAセールスですので、「セールス」=「販売」=「商売」ですので、それを行う人は、「商人」=「あきんど」といえないことはありません。

 

ANAセールスのもともとの事業は、航空券販売事業だったようです。そこに、地域創生事業が入ってきています。

三方よし」の理念は、地域創生に親和性がありますので、地域創生を本気でやるための社名ではないかと考えました。

ANAあきんど」は、一度聞くと忘れられない、インパクトのある社名ですので、地域創生活動をするときに、プラスに働く可能性が高いと思います。

 

しかし、相当に冒険をした名称です。ANA(航空事業)の持つ、スマート・かっこいいイメージから、非常に親しみやすいイメージに、一挙に変化しています。

 

この社名を承認するANAは、自由闊達な会社なんだろうなと思いました。

 

ビジュアルは整理されていますし、記憶には残る社名ですし、新規事業の発展が楽しみです。