みんなのグリル
2021年5月7日の日経に、ニトリが外食産業に進出し、低価格ステーキ店をオープンしたという話が出ています。
- ニトリが外食進出。低コストを武器に
- 店舗名は、「ニトリダイニング みんなのグリル」
- ニトリの家具雑貨店に併設
- 併設により、滞在時間が伸びると客単価が増える
- 500円のチキンステーキなど、割安
- 内装工事は社内で
- 賃料を抑えるために、店舗の敷地で
- 店舗では自社の家具や食器を使う
- 卸を通さずに食品メーカーから食材を調達
- 将来は、生産から販売までを一貫で
とあります。
コメント
もともと、「いきなり!ステーキ」の店舗だったところを、居ぬきでスタートしたようです。また、二トリは、「いきなり!ステーキ」のフランチャイジーだったそうで、3店舗を経営していたそうです。
ニトリのファミレスに驚きの声続出「知らなかった!」「めっちゃ気になる」:イザ! (iza.ne.jp)
東洋経済の記事の方に、経営的な分析があります。イケアやコストコを見ても分るように、店舗に飲食店を併設することは、たとえ飲食店では利益がでなくても、来客頻度があがったり、滞在時間が長くなるなど、本業にメリットがあるとあります。
ニトリが密かにファミレスを始めた納得の理由 | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)
「いきなり!ステーキ」の居ぬきの店舗なので、店の内装等は似ているそうです。
一方、ニトリは、チキン中心にするとか、価格をだいぶ安くしているとか、「いきなり!ステーキ」との差別化はしているようです。
東洋経済の記者も少し指摘していますが、「いきなり!ステーキ」のノウハウを学ぶために、加盟店になっていたのではないかという点は、気にはなりましたが、フランチャイズ組織を作るなら、このような事態も織り込まないといけないのかもしれません。
フランチャイズは、ブランドとノウハウが重要です。
「いきなり!ステーキ」の場合、急激に拡大し、そして失速していました。閉店する店舗が多く、ブランド力が落ちたと言えます。フランチャイジーが逃げてしまうのも、仕方ないような気はします。
もう一つのノウハウですが、専門家なら、店舗を見るだけで、フランチャイジーにならなくても分ることも多いかもしれませんが、フランチャイジーになると分る店舗運営のノウハウも多少はあると思います。
一方、セントラルキッチンや食材の調達のノウハウ、組織運営のノウハウはフランチャイジーには不明です。フランチャイジーに公開しない部分が重要ということなんでしょう。何を企業機密として、何をフランチャイジーに公開するかですね。
さて、少し気になったのは、「ニトリダイニング」のロゴです(東洋経済の写真など参照)。「ニトリ」と同じ、うす緑の色です。「ニトリダイニング」という言葉は良いとしても、折角、外食事業に参入するなら、飲食店なら暖色系が良いのではないかと思いました。