必要な労働時間管理と、過度な監視
2021年5月16日の朝日新聞に、テレワークで、社員の働き方を確認するソフトがストレスの温床になっているという記事がありました。
- 使ったファイル名、電子メールの件名、サイトの閲覧履歴などのデータ収集
- 一定時間操作されていないと、作業していたとみなされない
- 女性は、会社の意識が怖くなり退職
- 社員のパソコンの画面をランダムに記録するソフト、カメラで働いている姿を撮影するソフトもある
- 上司は部下がさぼっているのではないかと思うことがある(パーソル総研調べ)
- 弁護士も、ソフトによる監視が労働者の負担になるとして、会社と労働組合の話合いが重要
- 厚生労働省はテレワークについてのガイドラインを改訂
- 厚生労働省担当者は、労使での話し合いが重要
コメント
この記事には、弁護士のコメントがあり、適切な労務管理は必要であり、パソコンの勤怠管理システムの導入、ログオン・オフの記録は必要としています。
このレベルを超えたソフトが、労働者にとっては過度に監視されていると思ってしまうようです。
記事には、パーソル総研のアンケート調査結果が出ています。
さぼっているかどうかの話もありますが、それよりも、
- 上司は「業務の進み具合が分りにくく不安だ」(46.3%)とあり、
- 部下は「新しい仕事に挑戦させてもらえるか不安だ」(32.1%)とあります。
上司は、短期的な話をしていて、部下は長期的な話をしています。この部下の不安である新しい仕事に挑戦というのは、テレワークではやりにくいのでしょうか。
確かに、新しい仕事は、説明をしたり、話合い、相談をしながら進める必要がありますので、テレワークでやりにくいなら、課題だろうと思います。
テレワークでは、週に一回、上司がZoomなどで、簡単な面談をすることを義務付けている会社があると聞きますが、このようなコミュニケーションのルールが必要だろうと思いました。
さて、厚生労働省のテレワーク導入のガイドラインは次にあります。
テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
特に、目新しいものはないように思いました。
それよりも、パーソル総研の調べにある、新しい仕事への挑戦ができるようにすることが重要そうです。
パーソル総研のサイトに何かないか見ていると、次の論考がありました。
まだらテレワーク職場で発生する評価不安とその解消法 - パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)
良くまとまっているように思います。上司の観察力を高めること、仕事の割り振りや進捗管理の状況のオープン化が必要とあります。
一度、読んでみてください。
追伸
本日の日経の社説、同じテーマのようです。