Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

中国人の爆買い、越境ECで

化粧品など。旅客機を貨物臨時便に

2021年5月19日の朝日新聞に、コロナ禍で、中国人観光客の日本での爆買いはなくなったが、越境ECは活況であり、そのため、旅客機を臨時の貨物便として運行するなどしているという記事がありました。

 

  • 越境ECは好調で、航空貨物が急増し、中国物流大手が日中便を拡大
  • KOL(キーオピニオンリーダー)を通じた情報発信(ライブコマース)が効果
  • 2020年の中国の越境ECの購入額は、2019年比で16.5%増の約9.7兆円
  • 日本は、そのうち20.8%で、化粧品、日用品が人気
  • ANAも旅客機を貨物専用の臨時便に
  • 運賃は2倍に。旅客ゼロでも黒字

とあります。

 

コメント

越境ワークに続き、越境ECです。 nishiny.hatenablog.com

 

最近、商標法や意匠法が改正させ、日本に個人輸入する場合でも、商標権侵害になるという話があります。

増大する個人使用目的の模倣品輸入に対応し、海外事業者が模倣品を郵送等により国内に持ち込む行為を商標権等の侵害として位置付けます。【意・商】(施行期日:公布日から1年6月以内の政令で定める日)

 「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました (METI/経済産業省)

 

増大する国内での模倣品の増加への対応したもので、個人というよりは、現地の業者を取り締まるためのものです。

受け手の日本側が個人であり、ここでは「業として」が成立しないので、現地の業者を事業者とみて、税関等で、排除するということです。

法律案概要(参考資料) (meti.go.jp)

 

中国で、今回と同様の法律があるのか、不勉強で知らないですが、そもそも、中国人の有名サイトで商品を販売するには、中国で商標登録を持っていることを商標登録証で証明したり、場合によっては商標登録証だけではなく出荷同意書を提出してルートの適切性も明確にする必要があり、日本よりはずっと厳しい運用を要求していました。中国のECでは、模倣品が多いので、それを排除する趣旨だろうと思います。

 

当然ですが、日本の商品でも中国で販売するなら、日本のみならず、中国でも商標登録が必要です。

以前は、中国では英語や日本語ではだめで、中国語が必須と言いましたが、最近の傾向を見ていると、日本語のまま中国で商標登録を取得することが多くなっているような気がします。

中国人はアルファベットや漢字は読めるので、ポイントはひらがな、カタカナですね。まだひらがなカタカナは図形と言っていますが、将来は、韓国のように日本語を称呼認識し始めるかもしれません。

 

いずれによせ、日本で商標登録する時に同時に、中国でも商標登録が必要な時代です。中国で登録にならないようなら、日本で採用しても、越境ECはできません。全く中国輸出がないならならまだしも、越境ECがあるなら、ネーミング時に、日本のみならず中国の商標調査は避けて通れない時代になった感じがします。