シャープと米社に事業売却
2021年5月26日の日経電子版に、オンキヨーホームのAV事業をシャープと米音響機器大手のヴォックスに33億円で売却すると発表したという記事がありました。
オンキヨー、シャープと米社に家庭向けAV事業売却: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 売却金額は、33億円
- 生産は主にシャープ、販売はヴォックスが中心となる
- シャープとヴォックスは合弁で家庭向けAV事業の企画・開発会社を設立
- オンキヨーは新会社に事業売却。従業員らも新会社に移る
- マレーシアでAV機器の生産を手掛けるシャープとの合弁工場、シャープがオンキヨー出資分を引き受け
- 取得額は数億円
- ヴォックスはもともとオンキヨーブランドの販売
- 北米には愛好家がおり、家庭用の音響機器の市場が残っている
- オンキヨーはOEMで車載用サウンドシステムを生産し、再生を図る
とあります。
コメント
オンキヨーホームエンターテインメントのニュースリリースがありました。
20210526_HAVjotosaishu.pdf (onkyo.com)
条件欄を見ていると、米社及びシャープ社並びに特定の取引先との間でのライセンス契約が締結されること、という条項がありました。
Pioneer商標については、パイオニアからの商標ライセンスを引き継ぐのだろうと思います。(特許ライセンスもあると思いますが)
一方、ONKYO商標については、譲渡も選択肢だろうと思いました。ライセンスをすると、品質管理をしないといけなくなるのですが、オンキヨーに品質管理部門が残るのだろうかと思ったためです。
また、オンキヨーに残るのが、OEM事業なら、社名だけあればよく、商標権は不要です。
しかし、ニュースリリースにはライセンスとありますので、譲渡ではなく、ライセンスなのでしょう。
ライセンスというと、対価を徴収する必要があるのですが、この対価ですが、譲渡対価に含まれるという契約も可能ですし、譲渡対価とは別にランニングロイヤルティーで収入を得る方法もあります。
オンキヨーとしては、ライセンスとして、ランニングロイヤルティが入ってくる方が良いのでしょう。
一方、シャープや米社にとっては、自分のブランドになった方が、育成にも力が入ります。
このあたりは、ちょっと分かりませんが、素直に読むとライセンスです。
視点を変えて、ONKYOブランドとしてはどうでしょうか。オンキヨーがONKYOブランドを捨てることはないでしょうし、販社の米社も捨てないと思いますが、シャープはONKYOブランドに活用価値がないとすると育てる必要ななさそうです。
何れにしても、ここまでくると、会社よりもブランドのことを中心に考えて判断する方が、よさそうです。
最後に、トリビア的な気づきですが、「オンキヨー」とカタカナで書くときは、「ヨ」は大文字なんですね。「キヤノン」「キユーピー」と同じです。