Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アサヒ スーパードライ 生ジョッキ缶

早く見たい、飲みたい

2021年5月21日の日経の「ヒットのクスリ」に、「アサヒ スーパードライ 生ジョッキ缶」の話が出ていました。

「生ジョッキ缶」手間いらず: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • 4月に発売
  • 久しぶりのヒット
  • プルタブを抜くと、蓋が全開。細かい泡が発生する。麦芽の香りと、生ビールのような味わい
  • あっという間に売り切れ。販売中心に
  • 居酒屋感覚。外部市場の内部化に成功
  • グラスに移す手間が省ける
  • 隠れたサボり願望発掘

コメント

日経の記者は、居酒屋の感覚を家でも味わえるという点と、隠れたサボり願望発掘という2点を挙げていますが、居酒屋の感覚を家でもというのはその通りですが、この商品は、隠れたサボり願望かなという気はしました。

 

しかし、この商品はスーパードライ以来の大ヒット商品になる予感がします。いままでの缶ビールの概念を根本から覆しそうです。

 

生産が難しく、簡単に量産して大量に販売することが難しいようですので、発売日も月に一回と限定的です。

しばらくは手に入れることも難しいようです。

 

アサヒビールのサイトに、「生ジョッキ缶」の特設サイトがあり、開発秘話など掲載されています。

アサヒスーパードライ|生ジョッキ缶|アサヒビール (asahibeer.co.jp)

 

■商品企画編

商品企画編|スーパードライの新たなる挑戦がいま、始まる。生ジョッキ缶開発ストーリー|アサヒビール (asahibeer.co.jp)

 

ブランドマネージャー(アサヒビールは、ブランドマネージャー制を引いているようです)が、スーパードライで生ジョッキ缶を出すか、新ブランドにするか、議論があったが、結論としてスーパードライとなったと話をしてくれています。

スーパードライは「挑戦の歴史」であり、新たな挑戦を「生ジョッキ缶」ですとしています。

 

※ ブランド論でいうと、「アサヒ」がマスターブランドで、「スーパードライ」はサブブランド、「生ジョッキ缶」はサブブランドの更にサブブランドです。「生ジョッキ缶」という記述的なジェネリックな名称にせずに、新ブランドにする方法もありますが、アサヒビールはあくまで「スーパードライ」を進化させる方法を採用したようです。

 

将来的には、スーパードライグローバル化にも、有効かもしれません。

 

■研究開発編

研究開発編|スーパードライの新たなる挑戦がいま、始まる。生ジョッキ缶開発ストーリー|アサヒビール (asahibeer.co.jp)

 

ここがブランドづくりのポイントの部分です。若手技術者の奮闘を伝えています。フルオープンの缶の技術は缶詰であったようですが、それを飲料に応用した点が新しいそうです。でも、カップ酒などはフルオープンのものが昔からあります。例えば、コンビニでもよく見かける菊水酒造の次の製品はフルオープンです。

生原酒 ふなぐち菊水一番しぼり|菊水酒造 (kikusui-sake.com)

 

缶ビールは泡を立てないようにするものらしいのですが、この生ジョッキ缶は泡を立てることがポイントだったようです。

凹凸や塗料に特徴を持たせて、泡が出てくるようにしているようです。

 

また、研究室と工場でもだいぶ違うようです。

 

■クロスオーバー編

クロスオーバー編 |スーパードライの新たなる挑戦がいま、始まる。生ジョッキ缶開発ストーリー|アサヒビール (asahibeer.co.jp)

 

各部門が協力して製品が出来上がっており、ブランドストーリーとしてもカッコウのものとなっています。

 

早く見たい、飲みたいという商品です。