9200億円(84億5000万ドル)
2021年5月28日の日経に、米アマゾンが米老舗映画会社のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を、債務を含み9200億円で買収したという話が出ています。
Amazonが映画製作MGM買収 9200億円、動画配信強化: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 有料会員サービス「プライム」に配信する映画やドラマなどコンテンツを拡充するため
- 債務を除く、MGMの評価額は65億ドル
- MGMは、007シリーズ、ターミネイターなどのヒット作
- コロナ禍もあり、20億ドル近い負債
- ネット動画配信に消費者が支払うのは50ドルが限度
- 限られたパイの奪い合い
- アマゾンの他、NETFLIX、ディズニー、HBO MAX+discovery
- 残るのは3-4社
- アマゾンのコンテンツ投資額は年110億ドルで、NETFLIX(170億ドル)と遜色ない
とあります。
コメント
アマゾンは、NETFLIXやディズニー、HBOなどと異なり、アマゾンプライムの魅力を高める方法として動画配信をしており、そのため他の3社とは競争環境が違うようです。
同じ紙面に、アマゾンが買収した会社の一覧があり、ホールフーズ・マーケットプレイス、MGM、ズークス(自動運転技術開発)、ザッポス(靴の通販)、リング(ホームセキュリティ機器)、ピルパック(オンライン薬局)があるとあります。
これを見ていると、ホールフーズは生鮮食品事業の知見を蓄えるため、ザッポスは靴を売るため、ピルパックは薬を売るためであり、ECの事業に密接に関係するものだということが言えます。
一方、ズークスの自動運転技術は配送のためでしょうか。ドローンでの配送の実験の映像を見ますので、これも本業のためのものだろうと思います。
さて、ホームセキュリティのリングですが、置き引き防止のためだそうです。
アマゾンのRing買収、スマートホームよりも荷物の置き引き防止が目的? - CNET Japan
ジェフ・ベゾス氏は、インターネットの有用性と発展に、いち早く気づいた技術者であり、アマゾンの基本は単なる小売りというよりはインターネット技術の方にあります。
インターネットと親和性の高いものであれば、果敢に取り入れるということなんでしょうか。
しかし、楽天やソフトバンクは、金融に進出しています。金融もインターネットと親和性が高い事業と言われていますが、アマゾンが金融に進出したという話をあまり聞きません。
市場が大きく、まだまだ拡大できるので、地域性の高い金融のようなものをやる必要はないということなんでしょうか。
アマゾンのM&A先は、見ていて面白いなと思いました。