薄緑色ではなくオレンジ色
2021年6月12日の朝日新聞に、ニトリと島忠の融合店がオープンしたという記事がありました。
- 埼玉県さいたま市にオープン
- 融合店の店名は、「ニトリホームズ」
- ホームセンターは「ホームズ」ブランド
- 融合店は、両社のほぼ全ての商品を置く大型店
- 1階は日用品
- 2階は低価格のニトリの家具と、島忠の高価格ブランド品を比較検討できる
- 数年かけて融合店の効果を見極めて、全国展開する
とあります。
看板ですが、長方形の中に、白抜きで、上段にカタカナで「ニトリ」と、下段にローマ字で「HOME'S」とあります。
コメント
5月の段階で、ニトリが島忠ブランドを廃止し、「ニトリホームズ」にブランドを変更するという記事がありました。
これまで、ニトリは、「ニトリダイニング」でさえ、暖色系ではなく、薄緑色のニトリを使っていたので、今回の薄緑色にするんだろうと思っていました。
通常は、飲食業では食欲を想起させる暖色系が多く、薄緑色は珍しいと思います(スターバックスは緑色ですが)。
しかし、朝日新聞の記事を見ていると、新ブランドはオレンジ色です。このオレンジ色は、これまので島忠Home'sのオレンジ色を、そのまま使っているように見えます。
「島忠」というブランドは消しましたが、「HOME'S」というブランドは、生かしていこうという意味だと思いました。
薄緑色のブランドカラーは大切なものとすると、ニトリの戦略は一貫性がないように思いますが、どういうことなのでしょうか?
飲食業よりは、近い業態のホームセンターですので、ここは薄緑色で押すべきではないでしょうか?
全く別の話で、少し気になったのが、業態は違うのですが、「LIFULL HOME'S」です。本田翼さんのCMで有名です。こちらも「HOME'S」です。
住宅情報サイトについての「HOME'S」ですので、「HOME’S」は、識別性が高いとは言えないと思います。要部は、「LIFULL」の部分でしょうか。
ブランド表記に、特徴があるとすると、アポストロフィーエスとしている点ですが、「ニトリHOME'S」も「LIFULL HOME'S」も、この点は同じです。アポストロフィーエスは、所有格だろうと思いますが、両社とも、どのような意味を込めているのでしょうか?
【ホームズ】不動産売買・賃貸・住宅情報サイト (homes.co.jp)
ただ、「ニトリ」や「LIFULL」というコーポレートブランドがあり、「HOME'S」は識別性が低いとすると、一般論としては、区別はできそうです。
家具や住生活のブランドの「ニトリHOME’S」と、住宅情報サイトの「LIFULL HOME'S」は、出所混同をするかというとしないと思いますが、同じオレンジを使った段階で、似てはきます。
商標的には、そもそも商品・役務が非類似ですし、両商標の要部は「ニトリ」と「LIFULL」であり、「HOME'S」というサブブランドレイヤーの話なので、商標法的には十分に区別可能となりますが、現実のビジネスの関係では気にはなります。
「HOME'S」を使いだしたのはどちらが早いのか、オレンジ色の使用はどちらが先なのかを明らかにして、徹底的に争う方法もありますし、あるいは、出所混同も不正競争でもなく、事実上共存している状態が続くのかもしれません。
どちらもありうるなと思いました。