自分のブランドで
2017年5月26日の日経に三陽商会が、自社ブランドの「SANYO」を育成するという記事がありました。
英「バーバリー」とのライセンス契約が切れて売り上げが低迷し、コーポレートブランドでもある「SANYO」の名を冠したブランドを育てることで、ライセンスに頼らない体質にしていく計画とのことです。
新しいコートは9月下旬に発表で、デザイナーの森下公則さんと組み、男女それぞれで3つの型が用意され、7万3千円~8万9千円という価格です。セレクトショップや専門店で販売されます。
三陽商会は、「パーバリー」のライセンス商品で成長しましたが、バブル崩壊と百貨店離れで業績が低迷し、2015年にバーバリーとのライセンス契約が切れたようです。
追伸:
こんな記事がありましたので、SANYOズバリではないのですね。「Kiminori Morishita+Blue Flag(SANYO)」とありました。(6月1日)
コメント
ライセンスビジネスには、いつも契約切れの問題があります。オリエンタルランドの東京ディズニーランドも、45年間の契約で、2046年9月には、契約が切れるようです。
ライセンス切れにならないためには、本家がやる以上のパフォーマンスを残し、自分がやるよりもライセンス先に任せるのが得策と本家に思わせる必要があります。
ライセンスの延長のためには、多大な労力が想像されます。
先日記事に書いた「Knot」の時計ですが、この創業者も、もともと北欧の「SKAGEN」という時計の輸入代理店をしていたようなのですが、契約を切られたため独自の日本ブランドを立ち上げれたようです。
電機業界で有名な話としては、ソニーの盛田さんが、北米輸出のはじめに、ラジオの売り込みにアメリカに行ったときに、非常に良い製品なので大量に買いたいという会社があったが、相手方ブランドを条件に出されたので、蹴って帰ってきたという話があります。
自社ブランドでないと、やりたいことができないということは、確かだと思います。
ちなみに、以前の勤め先との関係では「SANYO」というと、三洋電機の方をすぐに思い出しますが、その勤め先の休憩室の窓から三陽商会の「SANYO」ロゴの看板が見えていたことや、私のモスグリーン色のコートが「SANYO」のコートであることなどから、案外身近なブランドでした。
電機の「SANYO」が、今、ブランドとしては露出していないので、色々とある「SANYO」ブランドを使っている会社の中(パチンコのSANYOなどもあります)では、三陽商会の「SANYO」がエンドユーザーに一番有名なのではないでしょうか。
「SANYO」といえば三陽商会の「SANYO」というところまで育成できれば、大きなブランドにできるようにも思います。業種は違うのですが、三洋電機が元気な時代は、「SANYO」といえば、純粋想起では三洋電機だったはずです。
「SANYO」のコート、売れると良いですね。