Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

商標情報のクラウド管理(cotobox)

皆んなが待ってた!新商標管理システム

日経にcotoboxの記事が出ています。cotoboxが商標をクラウドで管理できるサービスのベータ版の提供を、2023年7月31日(今日)から開始したという記事です。

www.nikkei.com

 

是非、この記事をご確認ください。

特に、

①外国商標も管理できる点、

②日本の特許庁や各国の当局に提出した書類や弁理士とのやり取りした書類をクラウド保全できる点、

③異議や情報提供に結びつく、第三者の似ている商標のチェックが可能になった点、

が良いと思っています。

 

国内商標に関しては、従来版のcotoboxでも相当程度は達成できていたと思いますが(操作感、見やすさ、使いやすさ、などは別)、個人的には外国商標に関心をもっています。

 

実は、マークアイやGMOブランド&セキュリティを使って外国商標出願した場合は、これらの会社から似たようなクラウドサービスが提供されていたんですが、

それ以外で、そのようなサービスを提供しているところは知りません(あるかもしれないですが、不勉強で知りません)。

 

今回のcotoboxのシステムは、国内も外国も一元管理できますので、その点は、マークアイやGMOブランド&セキュリティではできていないところではないでしょうか(企業の要望があれば、依頼を受けてやっているのかもしれませんが、こちらも不勉強で知りません)。

どちらにせよ、マークアイやGMOブランド&セキュリティは、中堅・中小企業を対象にしたものではないように思います。

大企業の要望を入れるとシステムが大きくなり、中堅・中小企業では、却って使いづらいものになります。

 

企業と特許事務所で外国商標管理をしていたので、クラウドで「外国商標」を管理できるシステムがあったらなと思っていたのですが、やっと出てきたという感想を持っています。

そもそも、国内は、特許庁データとの突合せが簡単にでき、間違ったデータは少ないのですが、外国商標では特許事務所からの連絡を、企業側でデータ入力することが必要でした。

しかし、企業でやると入力ミスが多く、どうしても日本の特許事務所にデータ入力を代行してもらうということになってきていました。

 

特許事務所としては、企業毎に異なるシステムへの入力を求められるので、特許事務所の外国商標の事務は本当に大変です。

特許事務所では、現地への指示書とか、現地からくるemailとその添付ファイルを、顧客のクラウドに入力するのですが、

emailの本文などもPDF化して添付ファイルの一つにする必要があり、また、企業が格納方法について、面倒な要求をするので、とにかく大変でした。

特許事務所や法律事務所は委任契約であり、業務委託契約であり、下請法の提供範囲がなのですが、下請法の適用をしてほしいぐらいでした。

 

この外国商標の一連の流れに、完全に上手く対応したシステムは、残念ながらまだ無いと思います。しかし、cotoboxのこのシステムは、外国商標実務の改善の突破口になるのではないかと思います。大いに期待をしています。

 

商標の件数が100件などを超え、管理に時間を取っているという企業は、一度、cotoboxに問い合わせをさせてはどうでしょうか。

 

私の所属するAuthense弁理士法人は、cotoboxの提携事務所ですので、cotoboxで外国商標の依頼があれば、私が担当することもあると思います。

中堅・中小企業に限らず、外国商標のご依頼があれば、喜んで対応させていただく所存です。