300万円以上を充実
2017年12月29日の日経に、グランドセイコーの話がありました。
- 2017年には中低価格帯も扱う「セイコー」ブランドからGSを独立させた
- 2018年度以降は「グランドセイコー(GS)」のモデル数を2割以上増やし、200超を展開
- GSの現在のモデル数は約170
- 高価格帯を増やすなど商品展開の幅を広げることで高級イメージを確立する狙い
- 中心価格帯は数十万円
- 今後は300万円以上や1千万円以上の商品を増やし、富裕層らの獲得につなげる
- 2017年春に実施したブランドの独立化に続き、高価格帯商品も充実させることで、スイス勢を中心とした世界の高級ブランドに対抗
とあります。詳しくは、日経をご覧ください。
コメント
Grand Seikoですが、25万円~100万円までというイメージだったので、300万円というのは相当高級だと思います。1000万円は別世界です。
このように高級品を出すことで、Grand Seikoは高級な時計であるというイメージを作っていくのだと思います。
高級時計の定義は明確にはないと思いますが、金額で100万円、300万円、1,000万円など、切りのよい数字で、高級のレイヤーが変わってくるように思います。
従来、100万円までのレイヤーだったGrand Seikoが、一挙に300万円のレイヤーや1,000万円超のレイヤーに上がるとすると、グレードが上がった感じです。
ここからは机上の議論ですが、将来、300万円や1,000万円のGrand Seikoが売れてきたとすると、100万円以下のリーズナブルなGrand Seikoは、超高級商品Grand Seikoの足を引っ張ることになるように思います。
そうすると、Grand Seikoブランドの価値を維持向上させるためには、50万円以下のような商品は、Grand Seikoから、通常のSEIKOに移すことが必要になるかもしれません。
もしそうなると、通常のSEIKOブランドの価値が上がります。
しかし、300万円、1,000万円のSEIKOの時計が売れるようになればよいですが、これは簡単にはいかないように思います。
記事には、従来の銀座や大阪の店舗だけではなく、アメリカのビバリーヒルズに店舗を出したことや、女性向けやスポーツモデルを出すようなことがありました。高級商品はレピュテーションですので、高級な店舗や商品やPR(広報)で評判を築くというのは理にかなっています。
2017年11月20日のSEIKOのニュースリリースにありましたが、 Grand Seikoは、2010年から本格的にグローバル展開を開始し、2017年春にはデザイン領域の拡大し、ブランドカラーを刷新、Grand Seikoロゴをダイヤル(文字盤)の12時位置に配し、独立ブランドとしての新たなスタートを切ったとあります。
セイコーウオッチ 世界初の「グランドセイコーブティック」を 北米、ビバリーヒルズにオープン|セイコーウオッチ株式会社
また、世界初となるGrand Seiko専門店Grand Seiko Boutiqueを北米・ビバリーヒルズの高級ショッピングゾーンロデオドライブにオープンしたとあります。日本の銀座や大阪のSeiko Premium Boutiqueの看板が、グランドセイコー、クレドール、ガランテと3つのブランドを取扱っているのでSEIKOロゴなのに対して、米国の店舗はGrand Seiko専門店ですので、店名もGrand Seiko Boutiqueですし、看板もGS Grand Seikoロゴだけです。
日本では、店名や看板にSEIKOが残っています。日本では、Grand Seikoの成功のために、SEIKOロゴの持つブランド力も利用しようという意図があるように思いますが、米国では、完全に切り離しているようです。