新デザインが決まらない
2020年2月3日の神戸新聞NEXTに、兵庫県小野市がトンボ鉛筆に提示した「ONO」消しゴムのデザイン10種がすべてNGということになっているという話が出ています。
神戸新聞NEXT|総合|小野のパロディー消しゴム “MONOまね”難航
兵庫県の話ですし、神戸新聞のスクープですので、神戸新聞が継続して取材をしているようです。今回は、神戸大学や大阪工業大学の先生の意見も確認しているようです。
- 昨秋、兵庫県小野市観光協会は製造した千個を返品
- 「市のアピールに」と改めて類似品1万個の製造をトンボ鉛筆に依頼
- 同協会は、十数種類のデザインを提案したが合意には至らず
- MONO消しゴムの本物は青・白・黒のストライプ
- 神戸大大学院の島並良教授は、水色・白・濃紺の3色のデザインは商標法に触れる可能性あり、黄・白・緑でも本家の別パターンであって広い意味で混同を招くとして不正競争防止法違反の恐れを指摘
- 大阪工業大大学院知的財産研究科の大塚理彦教授は、「HOMO」や「NOMO」も予防的に商標登録しているとし、協会がONOの3文字に固執すれば、トンボ側は拒否すると予想
- 島並教授はパロディー感は薄まるが、「ONO」を「小野」に変えることを提案
- 色彩の商標では、セブン-イレブンの白・オレンジ・緑・赤の4色カラー、三井住友銀などの濃緑・薄緑のツートンカラー、UCC上島珈琲の「UCCミルクコーヒー」の茶・白・赤の3色柄など計8件が認められている
コメント
色彩の商標で、トンボ鉛筆のMONO消しゴムとセブンイレブンの看板の色が有名でしたが、三井住友銀行の緑のツートンカラーや、UCCミルクコーヒーも認められているようです。
UCCミルクコーヒーについては、こちらに別の記事があります。
UCC缶コーヒー“あの3色”が商標登録 表に見えない真の価値:日経クロストレンド
現行のデザインは、2019年からのようですが、コーヒー豆の図柄が無くなり、色とロゴだけのシンプルなものになっています。知りませんでした。
ただ、茶・白・赤の3色は、1969年から使い続けているようです。
さて、本論の「ONO」消しゴムに戻って、パロディはとして許されるのか?と権利者に聞くと、たいていNGとなるように思います。
島並教授のいうように、「小野」にするのは一案ですが、おそらく本物に近い、青・白・黒では、トンボ鉛筆としても折角の色彩商標ですので、OKと言い難いのではないでしょうか。
そうすると、漢字の「小野」に、水色・白・濃紺や、黄・白・緑となります。
確かに、そこまで変えると混同は生じないように思いますが、パロディと理解できないかもしれません。
どこが、落ち着きどころになるのでしょうか。話合いで素晴らしい解決案が出ないものかと期待しています。
この「MONO消しゴム」ですが、もともとはトンボ鉛筆のおまけとしての「消しゴム」だったという記事を見つけました。
最初はオマケだったMONO消しゴム、半世紀の道のり|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE
MONO消しゴムのデザインの変遷もあります。
UCCミルクコーヒーではないですが、こちらもカラーは踏襲していますが、1969年から8回ほどデザイン変更しています。