ケンタッキー、ユニクロ、ポロ?
2019年8月19日、プレスリリース集のPRTIMESで、フランク三浦がTシャツを販売するというニュースリリースを見ました。
デザインは、サイトでご確認ください。
- ケンタッキーフライドチキンの図形
- ユニクロの赤い四角を横に二つ並べたもの
- ポロ・ラルフローレンのポロの図形
のパロディ?のようです。
ケンタッキーの図形は、人物と赤いバケツを組み合わせた点と、三本の白線の入った赤いエプロンまで同じです。しかし、そもそも、フライドチキンとTシャツでは、商品の混同は生じないですし、パロディかなぁということは分かりますが、ケンタッキーに何かの実害が生じるかといえば、ポリューション(汚染)はなさそうです。ダイリューション(希釈化)があるかなぁという感じです。
ユニクロの赤い四角を横に並べたものは、それだけですので、もともとこれだけでは強い商標ではありません。(使用による特別顕著性は出ています)
この種の案件にうるさい、ポロ・ラフルローレンですが、図形は、ポロをしている人物ではなく、ケンタウロスがこん棒を持っている図形です。違うといえば違います。
良く考えられているという感じです。
一番、文句を言いたくなるのは、ケンタッキーだと思いますが、商品的には一番離れています。一番うるさいのは、ポロ・ラルフローレンです。ここは、何か法的にやってくるのかもしれません。
価格は、4600円(税別)とありますので、安くはありません。
リンク先を見ると、Tシャツの他に、デザインは時計の数字をモチーフにしたものなどで、ポロシャツもあります。ポロシャツは12,960円~とあります。結構します。
カラーやサイズも選べます。フルフルに展開すると、ある程度のコストがかかるのかもしれません。
デザインは、自社製でしょうか?
これに対して、KFCやユニクロやポロ・ラフルフローレンは、どうするのでしょうか?
フランク三浦が、出願でもすれば、争うこともあるのでしょうが、差止をするなると、不競法でも、著作権法でもちょっと難しそうな気もします。静観するしかないのでしょうか?
フランク三浦は、3社に対して、喧嘩をけしかけているようなものですが、敏腕弁護士も入って事前に検討したんでしょうから、一応は法的問題ないと判断しているだろうと思います。
フランク三浦も、遠方に本拠があり、日本に慣れていないフランクミュラーだけを相手にしたときは、商標登録の有効無効の審決取消訴訟程度で収まりましたが、日本で大々的に活動している、これらの企業を相手にすると、ちょっと様子が異なることになるかもしれません。
パロディが正当化されるのは、政治的な主張や、表現にウィットがあって、社会が許容するという点があると思います。フランク三浦を認めるのか、あるいは反対に、先行者の努力を尊重し、フランク三浦をNGとするのかは、社会の判断によります。
私などは、企業の商標管理、ブランドマネジメント寄りの立場ですので、受け入れがたいなと思っています。これが認められると、ブランド構築など、できたものではなく、社内にも示しがつきませんし、何とか裁判所に考え直してもらいたいと思っています。
ただ、フランク三浦にとっては、裁判などの争いになればなるほど、宣伝になるという面があるので、これらの会社も放置するのが得策となるかもしれません。
忙しいので、あまり関わりたくないかもしれませんが、本気で戦う会社はないものでしょうか?