Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アレキサンダーとチンギス・ハーン

空港とコロコロ・コミック

2018年2月26日の朝日新聞に、マケドニアアレクサンダー大王空港が名称を変えるという記事がありました。

www.asahi.com

コメント

 朝日新聞は、マケドニアの国名問題を時々取り上げています。

nishiny.hatenablog.com

 

国名問題が30年弱も続いているようです。日本の外務省でも、マケドニアではなく、マケドニアユーゴスラビアとしているようですが、ギリシャとの話合いは、最終、どのような調整になるのだろうかと思います。

この記事では、解決に向かって着実に進んでいるということを理解しました。

 

種類は違うのですが、同じ英雄に関する話として、チンギス・ハンの不適切描写が問題になっています。2018年2月23日の朝日新聞によると、子供用漫画の不適切表現で、モンゴル政府が外務省に抗議し、小学館に連絡するという事態になっているようです。

www.asahi.com

 

そして、2018年3月7日のスポニチANNEXによると、小学館は、問題の漫画が掲載されているコロコロコミックを、回収するところまで発展しています。

www.sponichi.co.jp

 

問題の画像をネットで見ましたが、不適切だというのは分かりました。

今から考えると、雑誌編集者も、編集長もいるのに、なぜチェックの段階で止まらなかったのか? と思います。相手の視点に立ってものごとを考えることは、現実には難しいということでしょうか。

雑誌の締め切りもあり、この程度なら子供向けの漫画ならいいかと判断してしまう可能性はあります。

海外の人が、何に対して、どのような感情を持っているかなどは、あまり理解できていないのが実情です。

 

話は変わりますが、あるネーミングが、英語のスラングで、良くない意味を持つとして、刷り上がったカタログを回収することになった事例に一度だけ遭遇しました。英語の含意(connotation)の問題です。回収費用など大変だったと聞いています。

通常、国内だけの商標ではネイティブチェックを入れないことが多いと思います。会社にも英語のできる人は沢山いても、スラングまで理解できる人は非常に稀です。

今後、ますます、日本にも沢山の国の人が来ると思いますが、すべての言語でのチェックは無理でも、せめて英語ぐらいは、日本向けの商標であっても、ネイティブチェックが必要なように思います。

 

ちなみに、ネイティブチェックですが、インターブランドなどにお願いすると、海外10カ国パックなどで、各国のネーミングの専門家の意見を提供してくれます。

また、商標調査の段階で特にお願いすると、各国の弁理士・弁護士の意見をもらえます。商標専門家ですので一般人よりは、まとまった意見を言ってくれます。