ステンレス車両にも塗装
2016年3月16日の朝日新聞に京急の車両の塗装の話が出ていました。
- ステンレス車両は、軽量。メンテナンスが楽。多くの鉄道会社が採用
- 従来の鉄やアルミはさび防止のために塗装するのが一般的
- 一方、さびないステンレスは塗装は不要
- しかし、色フィルムで線を入れるだけの車両が多い
- 鉄道ファンは、似たデザインばかりで、色がなく寂しい
- 現在は、ステンレス車両中心であり、京急もステンレス車両を導入
- 側面に赤と白のフィルムを貼ったが、ファンからは失望
- 社内からも「京急らしくない」との声
- 車体の側面のほぼ全てを赤と白のフィルムで覆った車両を投入
- しかし、ドア枠などに銀色の部分が残った。銀色部分をなくすには、全面塗装
- ステンレスはペンキが定着しにくい。手作業で試行錯誤し塗装
- 車体の重量も増し、コストは車両1両あたり数百万円も増える
- 「ステンレスの上に塗装して自社のカラーリングを守るレベルの高さが京急の凄いところ」の声
- 「やはり京急と言えばこの色」など好意的な声
コメント
非常に面白い記事でした。記事のタイトル「京急カラーでGO!」も、いいなと思いました。電子版でも良いのですが、できれば、新聞で写真を見てください。
ブランドにおけるカラーの大切さは、昔から指摘されていますが、困難な状況でも愚直に守るところにブランドが生まれるのだと思いました。
塗装に向いていないステンレス車両に、コストをかけてまで塗装するところが、京急らしいと思います。
新幹線はどうなっているのか調べてみると、塗装していました。
最近では、ロボットが水性塗料を塗装しているようです。
一つ面白い記事がありました。0系の初代の新幹線が引退後、大阪の摂津の公園にあるようようですが、塗装の色が違うとして、鉄道ファンから苦情があり、塗装をやり直したようです。
摂津の新幹線の車両基地のあたりの公園です。確かに写真を見ると、青色がおかしな色です。高額な塗装費用を節約しようとして、一般の業者に依頼して塗装したが、上手く行かず、鉄道ファンからクレームがあり、やり直しに、1600万円かかったようです。やり直しは、JR西日本の子会社に委託したようです。
鉄道車両の塗装は、だいぶ高いものだなと思いました。
京急がステンレスの車両に、シールを貼る方式から、塗装に変更するのに、数百万円かかりました。シールを貼るだけでも数百万円かかっていたとすると、こちらも数百万円でも上の方、あるいは1000万円近いのかもしれません。
カラーを守る、ひいてはブランドを守るのは、コストがかかるものだなと、改めて思いました。このコストを単に無駄な出費と考えるのか、ブランドを守り、作るための投資と考えるかで、将来のブランド価値、ひいては企業価値が大きく変わってくると思いました。
金沢文庫に住んでいたとき、京急にはお世話になりましたが、話題のつきない、ユニークな会社だと思います。