2018年12月5日の日経に、JR東日本の品川新駅の名称が、「高輪ゲートウェイ」となるということの記事がありました。
- ゲートウェイという言葉に、交通の要衝として発展させたい思いを込めた
- JR東日本の選考委員会が、公募して集まった6万4052件から選んだ
- 1位は、高輪(8398票)
- 2位は、芝浦(4265票)
- 3位は、芝浜(3497票)
- 高輪ゲートウェイは、130位の36票
- 2024年街開き
- 駅舎のデザインは、隈研吾が担当
とあります。
一方、2018年12月6日の日経には、東京メトロ日比谷線の新駅が、「虎ノ門ヒルズ」になったと発表がありました。
- 2020年東京五輪・パラリンピック開幕前に利用開始
- 2014年開業の虎ノ門ヒルズ森タワーなど、複数の高層ビル建設。一帯が「虎ノ門ヒルズ」として再開発
- 9月に首都圏約2千人に実施したアンケートで、約半数が「虎ノ門ヒルズ」
コメント
新駅の名称が、話題になっています。「高輪ゲートウェイ」駅は、公募で130位という相当下位のものが選ばれたのに対して、「虎ノ門ヒルズ」駅の名称はアンケートですが、約半数が指示をしている名称とあり、議論になっています。
JR東日本ニュースという冊子に、公募の件が出ています。募集要項は、極めてシンプルです。
募集内容
山手線・京浜東北線 田町~品川駅間の新駅の駅名
弊社が駅名の公募を行うのは初めてになります。
なお応募された駅名は応募数による決定ではなく、ご応募いただいたすべての駅名を参考にさせていただき、新しい駅にふさわしい名前を選考します。
ちなみに、
採用された駅名をご応募いただいた方の中から抽選で100 名様に当社オリジナルグッズを差し上げます。
とあり、
とあります。
http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180604.pdf
確かに、応募の数で決めるとは、書いていません。よって、JR東日本に問題があるということはないのですが、やはり、公募した場合、数の多さは気になります。少なくとも、ベスト5、あるいは、ベスト10に入っていないとと思います。それなら、はじめから専門家とJR東日本で決めらたどうかと思ってしまします。
品川新駅は、一帯の車両基地跡を再開発し、新駅はその中核施設になり、そのコンセプトは、「グローバルゲートウェイ品川」というようです。
また、命名理由として、近くの江戸時代の「高輪大木戸」から、この地域は昔から江戸の玄関口だったという説明があります。
一方、「虎ノ門ヒルズ」駅の方は、公募ではなく、アンケート、マーケティングリサーチです。どのようなアンケート内容かは分かりませんが、たぶん、自由記述ではなく、東京メトロで複数案を提示して、どれが良いか選択させる方法ではないでしょうか。(事前の予想では、虎ノ門一丁目なども有力候補だったようです。)
アンケートは、どのような情報を与えていたかで結果が変わるように思いますので、どのような聞き方をしたかまで見ないと、なんとも言えません。
双方とも、再開発であり、そのコンセプトなり、施設の名称に由来しています。
違いは、高輪ゲートウェイ駅の場合は、「●●ゲートウェイ」という施設が、現時点、現実にある訳ではなく、単なる開発コンセプト名であるのに対し、虎ノ門ヒルズ駅の場合は、すでに虎ノ門ヒルズ森タワーなどがあり、イメージしやすい状態だったということではないかと思います。
商標の決定でも、社内公募でさえ公募は難しいですし、一般公募はさらに大変です。
社内公募であれば、アイディア出しと割り切ることもできますが、一般公募の場合は、民意を聞いていますので、ある程度の尊重されることが、期待されます。
募集要項をしっかり読んだ人は、納得していると思いますが、本件をニュースで聞いた程度の人は、JR東日本のやり方は強引と感じてしまうように思います。