統一マークの制定
2017年7月26日の日経に、国立公園の統一マークが制定されたという記事がありました。
記事の内容は、次のようなものです。
- 環境省が、34ある国立公園の利用拡大を目指し統一ロゴマーク公表
- 太陽が地平線から昇る様子や、赤と青の鮮やかなグラデーションでかすみがかった風景を表現
- ロゴは日本語と英語の2種類
- 国立公園内の標識、公式ホームページ、インターネットのSNSで活用
- 政府は、2020年に国立公園を訪れる外国人観光客を現在の2倍以上の1千万人に増やす方針
環境省のウェブサイトには、デザインナーの紹介や、適用事例がPDFで掲載されていました。
コメント
やっている内容は非常に良いことだと思います。国立公園毎にパンフレットやウェブサイトのデザインが違うのでは統一感がでず、国立公園のイメージ、ひいては日本のイメージも分散してしまいます。
このように統一マークを作ることで、すくなくとも、国立公園というもののイメージは一つにすることができると思います。
デザイン自体も、日本の国立公園のイメージに合致して、良いように思います。
話はズレますが、日本国には統一的なデザインの指標はなく、各省庁や関係団体が比較的自由にマークを作っているようです。そのため、例えば、一例ですが、中央官庁のマークをみてみると、経産省のマークは幾何学的な図形で、法務省のマークはモノグラムで、農林水産省など省庁のマークのない省もあるなど、バラバラです。
外国人からみた日本のイメージを統一感をもったものにしようとすると、内閣府などにブランドマネジメントをする人材を配置して、内閣法制局ではないですが、各省庁のマークのチェックをして、OK、NGを出すようにしてはどうかと思います。いわば、内閣法制局のブランドマネジメント版です。
当然、そのようにしようとすると、考え方の整理をしておかないといけませんので、あるべき日本の姿や、受け取ってほしいイメージなど、事前に決めておく必要があります。個別企業では、ロゴマークの変更の際などに、やっていると思いますが、この作業を日本で一度やっておくと、しばらくは、日本全体の統一感が保てると思います。
キャンペーン的なものは、一時的なのであまり目くじらを立てる必要はありまんが、永く使くものは、慎重に対応した方が良いと思います。2020年には間に合いませんが、その後のことありますので、考えてはどうかと思います。
全くの私見ですし、好き嫌いの世界になってしまいますが、今回の統一マークの英語のフォントについては、国立公園だけなら良いのですが、日本全体の印象との関係ではどうなんだろうという感想を持ちました。
場面場面で色んなフォントがあっていいという立場も、もちろんありますが、日本という国を印象づけるなら、ある程度のコントロールが必要になります。
また、今回の件とは別に、一般論として、日本人は欧文字フォントについては素人なので、日本人が良いと思ったフォントでも、欧文字の母国の外国人にとっては、奇妙な印象をもたれるフォントであることがあります。このチェックだけは、この道の専門家に入ってもらうのがベストです。