「商標登録して終わり」にしない西野 吉徳弁理士が提唱する世界基準の「商標管理」 | Authense法律事務所
Authense Professional Group のインタビュー記事ができました。
「商標登録して終わり」にしない西野 吉徳弁理士が提唱する世界基準の「商標管理」 | Authense法律事務所
Authense Professional Group のインタビュー記事ができました。
12月6日水曜日に、「ブランド戦略と商標マネジメント」というタイトルでセミナーをします。
今回は、企業のブランド戦略と商標管理、アメリカの商標実務の視点、コーポレートガバナンスコードと商標など、をテーマにしています。
今回もAuthense 法律事務所の中村穂積弁護士との共同セミナーです。
皆んなが待ってた!新商標管理システム
日経にcotoboxの記事が出ています。cotoboxが商標をクラウドで管理できるサービスのベータ版の提供を、2023年7月31日(今日)から開始したという記事です。
是非、この記事をご確認ください。
特に、
①外国商標も管理できる点、
②日本の特許庁や各国の当局に提出した書類や弁理士とのやり取りした書類をクラウドに保全できる点、
③異議や情報提供に結びつく、第三者の似ている商標のチェックが可能になった点、
が良いと思っています。
国内商標に関しては、従来版のcotoboxでも相当程度は達成できていたと思いますが(操作感、見やすさ、使いやすさ、などは別)、個人的には外国商標に関心をもっています。
実は、マークアイやGMOブランド&セキュリティを使って外国商標出願した場合は、これらの会社から似たようなクラウドサービスが提供されていたんですが、
それ以外で、そのようなサービスを提供しているところは知りません(あるかもしれないですが、不勉強で知りません)。
今回のcotoboxのシステムは、国内も外国も一元管理できますので、その点は、マークアイやGMOブランド&セキュリティではできていないところではないでしょうか(企業の要望があれば、依頼を受けてやっているのかもしれませんが、こちらも不勉強で知りません)。
どちらにせよ、マークアイやGMOブランド&セキュリティは、中堅・中小企業を対象にしたものではないように思います。
大企業の要望を入れるとシステムが大きくなり、中堅・中小企業では、却って使いづらいものになります。
企業と特許事務所で外国商標管理をしていたので、クラウドで「外国商標」を管理できるシステムがあったらなと思っていたのですが、やっと出てきたという感想を持っています。
そもそも、国内は、特許庁データとの突合せが簡単にでき、間違ったデータは少ないのですが、外国商標では特許事務所からの連絡を、企業側でデータ入力することが必要でした。
しかし、企業でやると入力ミスが多く、どうしても日本の特許事務所にデータ入力を代行してもらうということになってきていました。
特許事務所としては、企業毎に異なるシステムへの入力を求められるので、特許事務所の外国商標の事務は本当に大変です。
特許事務所では、現地への指示書とか、現地からくるemailとその添付ファイルを、顧客のクラウドに入力するのですが、
emailの本文などもPDF化して添付ファイルの一つにする必要があり、また、企業が格納方法について、面倒な要求をするので、とにかく大変でした。
特許事務所や法律事務所は委任契約であり、業務委託契約であり、下請法の提供範囲がなのですが、下請法の適用をしてほしいぐらいでした。
この外国商標の一連の流れに、完全に上手く対応したシステムは、残念ながらまだ無いと思います。しかし、cotoboxのこのシステムは、外国商標実務の改善の突破口になるのではないかと思います。大いに期待をしています。
商標の件数が100件などを超え、管理に時間を取っているという企業は、一度、cotoboxに問い合わせをさせてはどうでしょうか。
私の所属するAuthense弁理士法人は、cotoboxの提携事務所ですので、cotoboxで外国商標の依頼があれば、私が担当することもあると思います。
中堅・中小企業に限らず、外国商標のご依頼があれば、喜んで対応させていただく所存です。
商標管理についてのセミナー
無料のウェビナーです。お時間があれば、ご参加ください。
また、お知り合いの方で、商標管理に悩んでいるという方をご存じであれば、是非、ご紹介ください。
商標管理というタイトルでも、弁理士・弁護士の専門領域の話も多いのですが、今回は、企業経験での経験がある弁理士・弁護士が講師をします。
少しでも、企業実務の参考になればと思っています。
セミナー開催のお知らせ:「ゼロからわかる商標管理 弁理士と弁護士が解説!企業を守る知財マネジメント」 | ニュース|Authense弁理士法人 (authense-ip.com)
Authense弁理士法人は、Authense法律事務所と共同で、オンラインセミナーを開催する運びとなりましたので、お知らせいたします。
昨年8月に、はつな弁理士法人に転職したというところで、ブログを書くのを止めてしまっていました。
その後、あたったことは、
1.Authense弁理士法人に
2022年11月に、はつな弁理士法人がAuthense弁護士法人のグループになり、Authense弁理士法人になったこと。それに伴い、2023年1月からは、事務所所在地が、霞が関駅の飯野ビルから、六本木駅の東京ミッドタウンになりました。
2.Authenseプロフェッショナルグループ
Authense弁護士法人は、弁護士ドットコムやクラウドサインを経営している元参議院議員の元榮太一郎弁護士が代表の、弁護士法人、税理士法人、弁理士法人、社会保険労使法人などの士業や、コンサルティング会社などからなるグループです。
そのため、これからは、弁護士との共同作業で、これまでの弁理士法人の力だけではできなことができるようになります。
プレスリリース(Authense Professional Group 日本橋税務会計事務所とはつな弁理士法人の参画に関するお知らせ )| Authense法律事務所
3.はじめてのテレビ取材
2023年3月3日に、テレビ朝日から取材を受けて、コメントしました。なぜ、私のところに来たのかは不明ですが、ウェブ会議で記者の質問に答え、一部が夕方のニュースで、テレビ放送されました。内容は、FENDIの生地の模倣品についての刑事事件の話でした。
何故FENDIのはぎれを売ると書類送検されてしまうのか?(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース
4.外国商標制度部会
2023年5月末から、日本商標協会の外国商標制度部会の部会長になりました。まったく予想していなかったのですが、この5-6年、ほぼ部会には出席していたので、出席率によって選ばれたのでしょうか。
この部会、外国商標の審決例、判決例を検討する、日本でも唯一に近い部会なのだと思います。ただ、内容が高度で、出ている先輩弁理士もそうそうたる外国商標の専門弁理士がおられる部会です。
ただ、弁理士の若返りの必要性、弁護士の参加がない(日本の弁護士は、外国商標マターに詳しい人は少ないのでは?)、企業の参加も少ない(外国審判決の報告があたるとその準備が大変)、という課題があります。
是非、若手弁理士、外国商標に興味のある弁護士、企業の方、の参加をお待ちしております。
5.パネルディスカッション
2023年6月14日に、日本商標協会の実務検討部会で、コンセント制度の今後の運用について、TMIの佐藤俊司弁理士、元花王の遠藤さんと3名で、パネルディスカッションに参加しました。
コンセント制度は大人の制度であり、問題のない場合は、コンセントが求められたら、できるだけ認めるというのが基本という話をしました。また、無償が基本という件は、議論が盛り上がりました。
佐藤弁理士から、米国の弁護士は、意見書で非類似の主張をするのを嫌がる。それは、自らの権利を狭めることにつながるからという話があり、今後の弁理士のミッションは、上手い意見書を書くことから、コンセントに対応して、いかに、あるべき共存契約を締結するかに、重要性がシフトするという話は、日本の商標弁理士の在り方を180度変えるものだと思いました。
また、昨年8月末からは、本業の商標コンサルティング以外に、国内案件を担当しており、Authense弁理士法人では、多くはないのですが、500件程度の国内出願(事前調査あり)を、事務所の外国商標案件にも参加しています。
このようなことで、忙しくしております。
はつな弁理士法人では、新規業務の「商標コンサルティング」という新しい業務を開拓する予定になっています。
世の中には、インターブランド社や広告代理店、デザイン事務所など、多くの「ブランドコンサルティング」を行う会社があります。
これらは、マーケティングの一種として、ブランディングサービスを提供しており、ブランドの目指す姿を整理したり、ブランドのビジュアルを変えたり、ネーミングをしたり、消費者アンケート調査をしたり、ブランド価値のチェックをしたりします。
私も、12年程度の期間、企業のブランドマネジメント部門にいましたので、インターブランド社や多くのコンサルティングファーム、デザイン事務所と一緒に仕事をしましたので、日本の商標弁理士の中では、ブランド戦略やブランディングは理解をしている方なのですが、今回提供する予定のサービスは、直接、ブランドコンサルティングではありません。
(もちろん、ケースによって、ブランディング、ブランド戦略的な視点で、アドバイスすることが必要なときは、その経験を生かそうとは思っています。)
今回のミッションは、「商標コンサルティング」です。「商標コンサルティング」を提供するにあたり、まず必要になるのは、商標弁理士とのしての知見ですが、より重要になるのは、企業で「商標管理」をしていたときに経験した「企業の商標管理」だろうと思います。
通常の特許事務所でも、依頼された商標調査、出願、中間の権利取得や、異議等の係争案件は、使用許諾交渉や譲渡交渉程度は対応します。また、商標調査戦略や商標出願戦略を相談できる商標弁理士はいると思います(調査会社や外国出願会社の方が詳しい可能性はありますが)。
しかし、商標弁理士が、顧客企業の商標管理自体にコメントするようなことはほとんどありません。
「商標管理」というと、更新などの期限管理を中心とした事務管理を想像しがちですが、大前提として、商標のものの見方・考え方ということができます。
商標の名義は誰の名義にすべきか、どのような商標体系を作っていくか、ライセンスを含めてどのように戦略的に商標と向き合うか、商標の啓発はどうすべきか、商標管理体制(連絡網)はどう構築べきか、というものです。
コンサルティングファームでは、会計系のデロイトトーマツグループのサービスに、名義などは多少近い内容がありますが、ほとんど特許寄りの内容のようです。
実は、商標と特許は発想が違うことが多いのですが、そこはあまり気にせずに、一括りに知的財産コンサルティングと括っています。
知的財産コンサルティング|知的財産アドバイザリー|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
会社によって、商標のポリシーは大きく異なります。沢山商標出願することを良しとする考え方もありますし、商標を絞って強い商標を作るという考え方もあります。
この「商標管理」は、実に奥が深いものであり、各企業がトライ&エラーを繰り返して、各社各様で行っているのが実情です。
商標管理を一番学べるのは、知財協会や業界団体の商標委員会の飲み会の席、商標協会の実務検討部会程度ではないでしょうか。
商標管理の書籍といっても、昔の日本生産性本部や萼優美先生や小野昌延先生、藤原龍治先生の本ぐらいしかありません。
商標管理については、知財管理誌、パテント誌、INTA、商標協会、すべての情報媒体においても、その重要性に比べて、決定的に情報不足です。
商標コンサルティングの内容は、アイディア出しの状態ですし、どこまで需要があるのは不明です。
ただ、はつな弁理士法人には、非常に多くの既存ユーザー(クライアント)があります。また、成長真っただ中の企業が多いのも特徴です。それらの企業では、どのように商標を管理していけば良いのか、相談したいと思っておられる会社もあると思います。
これまでの経験から、各社の状態を見ると、こうした方が良い、将来こうなるだろうから、今こうしておくべきというのは、ある程度ガイドすることができますので、このあたりが商標コンサルティングになるのかもしれません。
ある程度、コンサルティングの事例がまとまれば、ブログ、ウェブサイト、雑誌、書籍などで紹介したいと思っています。
先日、特許を中心とする「知財コンサルティング」で一本立ちしている事務所の弁理士の方の話を伺ったのですが、まだ、特許出願に誘導しようとする知財コンサルが多いが、それは目指すべき知財コンサルではないという話を聞き、まったく、その通りだと思いました。
特許事務所経験での弁理士経験、企業での商標管理の経験やブランドマネジメント(ブランド戦略)の経験もありますので、千差万別の顧客企業のご要望に、対応できるのではないかと思っています。
はつな弁理士法人に転職して、まず驚いたのは、業務で使用するソフトにマイクロソフト系があまりない点です。その代わりにGoogleなどのソフトを使っています。
Windows3.1、Windows95の時代から、マイクロソフトのOfficeソフトにお世話になりましたが、Officeソフトを使わなくて良い時代になったんだと実感しました。
はつな弁理士法人の業務では、cotoboxシステムという強力なコミュニケーションツールがあるので、そもそもwordが不要です。
次に、表計算ソフトについては、excelではなく、Googleのスプレッドシートを使います。一番大きな違いは、「保存」が不要ということです。昔よくあった、何時間もかけて作ったexcel表が保存できずに消えてしまったということがありません。
自前のファイルサーバはありません。クラウドのGoogleドライブに、作った表などは自動で格納されます。
「保存」という行為がいらないのは、最近のマイクロソフト365でも同じであり、One Diveに自動保存できるのだろうと思いますが、従来の共用ドライブやデータ保存の方法に慣れているので、まだ、あまり皆さん使っていないのではないでしょうか。
また、テレビ会議は、Teamではなく、Zoomです。これは、これまでも使うことがあったので、違和感はありません。
ただし、運用が異なり、週に2日ミーティングがあり、報告があったり、勉強会をしたりしています。
次に、Slackです。これが一番強烈です。ビジネスチャットのソフトとは知っていました、単なるチャットソフトではありませんでした。
チャネルが沢山あり、どんどん書き込みがあります。私にもメンションがあるので、確認の絵文字をつけたり、即答してどんどん処理していかないと置いてけぼりになります。
内部の連絡はすべてこのSlackです。外部とも使えるようですが、まだ十分使いこなせていません。まだ、そこまで使えていませんが、Slackは電話にも、テレビ会議システムにもなるそうです。
リモートワークが基本の事務所であり、まだ、全員をお会いしていないのですが、Zoomでの週2回のミーティングやSlackがあることで、隣で仕事をしているような錯覚を覚えます。
そして、Notionというソフトです。Notionは、イントラや共用サーバーの代わりになるものです。WordやPowerPointを作る程度の感じで、簡易なイントラネットサイトが簡単に出来上がります。
これに招待機能をつけて、例えばWebデザインを検討してもらっているデザイン会社などと情報共有をすることも可能なようです。
外部との連携に、SkackやNotionの中間のような、ChatWorkも使い始めました。
先ほどのSlackにも、Googleドライブにも、ほとんどのものに招待機能があります。
協業というほどのことはないですが、情報共有に、excelで書類を作り、データを保存し、それをemailソフトで送るという作業手順がなく、時間が短縮できます。
この話を何人かにしたのですが、スタートアップ、ベンチャーでは、Googleスプレッドシート、Slack、Notionであり、これらを使うことは標準的な話のようです。
一方、中小企業や、大企業では、導入はまだ一部のようです。
これらのソフトに影響を受けて、マイクロソフト365になっているのだと思いますが、マイクロソフトのソフトを使っていると、過去のアーカイブに引っ張られて、運用を旧態依然の方法で行うために、折角の価値を引き出すことが、なかなかできなように思いました。
特許事務所では、電子出願導入以前からある事務所と、電子出願導入後にできた事務所で、ペーパーレスの程度が違います。
しかし、ペーパーレスの進んだ事務所でも、Wordを重視している人が多いので、新しくできた事務所でも、スタートアップやベンチャーのように、すぐにGoogleソフトやSlackとはなりにくいとは思いますが、どこかで、切り替えが必要な時期が来るかもしれないなと思いました。
知らない間に変化が起こっているようです。