Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ニュージーランド首相の娘の名前

氏と名とミドルネーム

2018年6月22日の朝日新聞に、ニュージーランド首相が無事に女の子を出産したという記事がありました。

  • ニュージーランドのアーダーン首相(37)が、女の子を出産
  • 6週間の産休に入る
  • 首相代行はピーターズ副首相兼外相
  • パートナーは、釣り番組の司会者のクラーク・ゲイフォードさん
  • アーダーン首相は、ニュージーランドの3人目の女性首相
  • 現役の首脳が出産した例としては、1990年のパキスタンのブット首相がある

という内容です。

 

コメント

  1. 女性が首相(しかも三人目)
  2. 首相の年齢が若いこと
  3. 正式な結婚ではなく、パートナーであること

など、日本の現状と比べると、だいぶ違うなと思い、このニュースを見ました。首相になる6日前に妊娠が判明し、テレビの番組で、首相が産休と育休をとっても良いと思うか?と質問され、2017年にその質問は許されるわけがないと切り返したとあります。

The AM Show - Jacinda Ardern says she's happy to field...

英語は、ちょっと早くて、十分聞き取れないのですが。。。

 

日本では、産前休暇が6週間、産後休暇が8週間というのですが、アーダーン首相は、産後休暇だけなのでしょうか?

 

本題なのですが、女の子の名前が、ニュースになっていました。

ニュージーランド大使館 - 第1子となる女の子を6月21日に出産したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は同2... | Facebook

女の子の名前は「ニーブ・テアロハ・アーダーン・ゲイフォード(Neve Te Aroha Ardern Gayford)、短くは「ニーブ・ゲイフォード」

ということです。

ファーストネームのNeveは、「明るい」「輝く」「雪」を意味し、

ミドルネームのTe Arohaは、「愛」を意味し、また、アーダーン首相の家族の出身の田舎町の名前ということです。

ここまでは良いとして、気になったのは、氏(姓)部分で、お母さんのArdernとお父さんのGayfordの双方の名前が入っています。

そして、通常は、お父さんの氏のGayfordを使って、Neve Gayfordを名乗るということです。

 

日本の出生届では、氏と名しか記載欄がなく、もし、ミドルネームをつけるなら、名のところに入れてしまうしかないと聞いたことがありますが、今回の場合、氏が2つですので、これは氏のところにもミドルネームがあるという感じです。

 

夫婦別姓制度を取ると、親は別姓で良いとしても、こどもは、どちらかの姓を名乗るしかないなと思っていたのですが、ミドルネームを使い、このように2つの姓を持つという方法も、世の中にはあるのだと思いました。

 

日本的に考えると、お父さんの氏を名乗るが、ミドルネームとして、お母さんの氏も受け継ぐというイメージです。

 

ミドルネームですが、下記のサイトによると、ギリシアでは、お父さんの名前を付け、同じ氏の中での家系を示すもののようです。

ミドルネームって何?外国人のミドルネームの意味、お教えします! | IU-Connect

 

洗礼を受けたときに、聖人の名前をもらうのかと思っていたのですが、これはクリスチャンネームといって、ミドルネームではないということです。(プロテスタントには聖人崇敬がないためのようです)

洗礼名 - Wikipedia

 

夫婦別姓の議論は盛り上がっていないですが、結婚ではなく事実婚のパートナーというものの方が、先に広まるのかもしれませんし、そのときは、子供の名前の付け方が議論になると思います。

 

お母さんばかりでも、お父さんばかりでもない、第三の道もあるんだと思いました。

中国商標法の研修会

鴨王事件とGoogle NEXUS事件とUGG事件

2018年7月3日に日本商標協会の「中国商標制度」についての研修会があり、参加しました。講師は、三枝国際特許事務所の岩井智子弁理士です。午後、3時間の研修会だったのですが、時間を間違えてしまい、一時間遅れで会場に到着しました。

あれ、受付に誰もいない。誰もまだ来ていないのかな?と会場の扉を開けてみると、会場は満席で、既に講義は佳境。何が起こったのか理解にするのに、少し時間がかかってしまいました。

ともあれ、聞きたいので、おずおずと、前方の空いている席に着席しました。

 

さて、講義は、ある程度、条文や判例などを理解している人が聞くと、復習になって良く分かるのでしょうが、内容が豊富で、駆け足だったので、ちょっと難しいかな?という感じです。

 

判例なども豊富に解説されていましたが、中国の代理人は忙しいので、中国の判例は、日本側でも検討しておく必要があり、中国の判例DBを購入したという説明には驚きました。なかなか、そこまではできません。

また、現地の商標公報をチェックして、異議要否の照会をやっているようです。これもなかなかできないことです。さすが、中国商標法の専門家です。

 

普通は、特定国の法律に特化はできず、各国の現地代理人に頼らざるを得ないのですが、インド法や中国法に特化するのも、一つの生きる道ではあると思いました。

 

代理人ではないですが、弁理士が相談にいく弁理士、というのもありだと思いました。町医者と専門医の関係です。

 

前置きが長くなったのですが、面白いと思った(先生が、比較的丁寧に説明されていた)判例が、鴨王事件とGoogle NEXUS事件です。

 

<鴨王事件:2013年判決>

  • 北京のレストランが、「鴨王」を商標出願
  • レストランでは、識別力がないとして、拒絶
  • 上海のレストランが、約1年後に、「鴨王」を商標出願
  • 上海の「鴨王」が出願公告。北京鴨王が異議申立
  • 審決で登録決定。その後、裁判に。
  • 最高人民法院の裁定で、北京鴨王の再審請求を却下
  • 識別力なしの判断でも、第三者が登録を取る可能性があるので、要注意との教訓
  • なお、北京鴨王の救済のため、最高人民法院は、先使用権に言及し、北京地域での継続的使用権が認められた→商標法59条3項(先使用権)の立法へ

Google NEXUS事件:2016年判決>

  • 同意書は、法的に根拠はないが、審判・訴訟では認められている
  • <UGG事件(2012年判決)> 商標権は一種の私権であり、同意書はその処分行為。同意書が消費者の利益を侵害する状況下でのみ否定されると最高人民法院が判断
  • しかし、商品同一・商標同一でも、同意書が認められるかは、議論があった
  • 日本のシマノが「自転車用コンピュータ」にNEXUS商標を権利を保有
  • Googleが「タブレット型コンピュータ」で出願。シマノの権利が引用例
  • シマノは同意書を発行
  • 類似商標では同意書が認められるが、同一商品・同一商標(ダブル アイデンティティ)では認められなかったが、最高人民法院は、この同意書を認めた

これらの事件名だけでも覚えておこうと思います。

 

中国の出願件数は、2017年が年間574.8万件(単区分計上)、2018年は800万件を予想しているようです。日本が、2016年が16.2万件、2017年が19万件(複数区分、国際出願を除く)です。日本の内内出願の平均区分数が、2.8区分(試算しました)の出願のようですので、それをかけると、2016年が45.36万件、2017年が53.2万件となります。

行政裁判も、2016年の数字ですが、北京知財法院の商標行政で5,942件、その二審の北京市高等法院の商標行政が2,941件という数字です。日本の知財高裁の、2016年の審決取消裁判が、279件ですので、10倍程度の数字です。

 

人口比10倍と考えると、出願件数、審決取消件数も同じ、10倍です。

しかし、これだれの数が、処理されているため、判例もどんどん蓄積されると思います。

 

日本法に非常に近い中国商標法で、同意書を上手く運用している点など、日本においても相当参考になる話だと思います。

サムスン対アップルのスマホ訴訟

損害賠償額は、ほぼ意匠権

2018年6月28日の日経夕刊にアップル対サムソンの7年におよぶスマホ知財をめぐる係争が、最終的に和解になったという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 6月27日付で、カリフォルニア州サンノゼの地裁に和解を通知
  • 5月に、地裁は、サムスンに損害賠償金の支払いを命じていた
  • アップルは、スティーブ・ジョブズ氏の存命中の2011年4月に、ギャラクシーのデザインが自社の権利侵害と提訴
  • サムスンが、日本や韓国で反訴。係争は10ヵ国に
  • 転機は、米国以外の訴訟が、取り下げられた2014年8月あたり
  • ファーウェイ(華為技術)やシャオミ(小米)など中国勢が台頭
  • 世界中で費用をかけて訴訟を続ける意味は薄れていた

2018年6月29日の日経に、関連記事がありました。

www.nikkei.com

  • サンノゼ地裁の陪審は、損害賠償額として、5億3,900万ドル(590億円)を支払うよう求めた
  • 裁判でアップルが求めたのは、独自性の認定
  • もた、訴訟で、サムスンは、アップルと互角に対抗する有力企業として位置づけられた
  • 現在、主役は、スマホの上で動くサービスとクアルコムなどの部品

という内容です。

 

コメント

タイミングよく、2018年7月5日に、JETROの「韓国の商標・デザイン制度とトレードドレス保護の最新事情」というセミナーに参加しました。

その中で、韓国の特許事務所 NAM & NAMの代表のユ・ビョンホ弁理士から意匠権に関連して、この訴訟の説明を聞く機会がありました。

 

ユ先生は、クアルコムサムスンに在籍していたことがある弁理士です。2011年~2015年にはサムスンにおられたようです。

 

今回の損害賠償金の内、意匠権3件で、5億3,331万6606ドル、特許は2件で、532万5,050ドルで、意匠が特許の100倍の算定があったようです。

知財の中での意匠の位置づけを、高いものと見直すべきという解説をされていました。

 

本体のデザインについての14名の意匠創作者には、ステーブ・ジョブズの名前もあります。

新聞に、ティム・クックCEOの「感情の戦い」という言葉がありましたが、会社のアイデンティティについての、命を懸けた戦いだったようです。

 

3件の意匠の内、フラットな画面に関する意匠が1件(US D 618,677)、ベゼルとフラットスクリーンについての意匠が1件(US D 593,087)、アイコンのGUIが1件(US D 604,305)です。部分意匠と画面デザインの意匠です。

 

米国では、意匠権の侵害は、商標や文字を外してみて、消費者が混同を生じるかどうかという基準で判断されたようです。

特許は、特定の機能についてのもので、損害賠償額の算定でも、スマホ全体が対象ではなく、貢献のあった部分が対象になりますが、今回の意匠の場合、正面の部分意匠であった点で、スマホ全体を対象として、損害額を算定するので、100倍になったようです。

 

和解契約には、単なるお金以上の条項もあるようでした。また、この和解金の6割が訴訟代理人の費用となるという説明もありました。

 

ベゼルとフラットスクリーンの組合せについてですが、今のギャラクシーのS9は、スクリーンが側面に回り込んでおり、フラットではなく、また、外周に沿ったベゼルもないデザインになっています。これは、このアップルの意匠権を徹底的に回避して、作りあげた新しいデザインではないかと思いました。

 

日本では低調な意匠出願ですが、韓国では好調なようで、2017年に65,635件と日本の29,865件の2倍強です。人口を考えると、4~5倍、意匠が出願されています。中国も意匠が多いようですが、日本の意匠は、本気で考え直さないといけないのではないかと思いました。

 

日本の意匠が低調になった理由ですが、大昔のホンダのスーパーカブの訴訟で、当時、最高額の判決が出て(近年まで、知財の最高額でした)、これでは企業が意匠で潰れるという政策判断があり、意匠権の効力を抑えていく方向となり、特許庁が権利を細かく設定し、そして、権利さえとれば意匠権侵害でないという実務を作ってしまったところにあると理解しています。

 

こういう抑制的な判断の積み重ねが、結局は、企業の闘争本能を抑えてしまい、特徴のない製品に繋がってしまいました。

今は、意匠の仕事をしていないので、好きなことを言えるのですが、日本の意匠は抜本的に法運用を変える時期ではないでしょうか。

ブート品の古着の商標権侵害

商標権侵害で逮捕

2018年7月5日の朝日新聞の夕刊で、ブランド品のロゴを無断で使用した古着を販売目的で所持したとして、警視庁が古着店経営者を商標権侵害で逮捕したという記事がありました。

  • ブート品とは、1980~90年代に米国で作れたもの。古着業界で人気
  • 立件は全国初
  • 容疑者はグッチなどのロゴをあしらった古着のTシャツなどを販売目的で所持
  • ロスアンジェルス仕入れた
  • 容疑者の一人は「開運!なんでも鑑定団」にも出た鑑定士

とあります。

 

コメント

ブート品という言葉を知らなかったので、検索すると、一番トップで出てきたのが、次のFashionsnap.comのページでした。

www.fashionsnap.com

まず、「ブート品」の定義ですが、

 「ブート」とは「密造・違法の」などの意味を持つ「ブートレグ / ブートレッグ(bootleg)」の略語。(略)アパレル関連では主に「無断で既存のブランドロゴをあしらった衣服や装飾品」がブート品と呼ばれている。米国では1980年〜90年代に、ブランド品に憧れを持っているが購入することができない中間層や貧困層を中心に流行した。現在では古着として流通していることが多い。

今回の逮捕は、ファッション業界でも意外と思われているようです。世界中にブート品はあふれており、一つの分野として成立しているためのようです。

以前、ブート品を作っていた業者は廃業しており、古着が高値になっているとこと、また、最近は、本家のラグジュアリーブランド側が、自ら同じようなデザインの商品を出して、人気になっているとあります。

 

権利者側からみると、商標権侵害であることは間違いないもの、ブート品は古着であることなどから、甘さが出たということのようです。

 

詳しくは、Fashionsnap.comの記事を見てください。

 

一種のパロディのようなものですが、パロディは著作権侵害では権利侵害の阻却理由になるのでしょうが、商標権侵害においては成立しにくい主張です。

高値で取引されているということですので、買う人も、ブート品と分かって買っている可能性は高いので、この点を突くと、商標権侵害を否定できるのかもしれませんが、相当、高度な内容の訴訟になります。

 

もう一つ、古着ですが、商品が点々と流通しているということで、なんとなく、違法性は無くなってしまっているような感じにもなります。

しかし、そもそもが、違法なものなので、所有者が点々と変わったところで、その商品が侵害品であることは、変わりありません。

 

ブート品とは違う話ですが、中古車やカメラなど、古い商品が、価値を持っていることがあります。商品には商標が入ったままで存在します。

既に一旦、市場に出たもので、市場に出たときは、適法だったとも、現在はその商品は、ディスコンになっており(あるいは会社が無くなり)、商標権者が権利を放棄したりして、現在は第三者が権利をもっていたとします。

そのとき、現在の権利者が、その中古品を権利侵害追及できるかというと疑問な感じがします。

以前みた、映画の「タッカー」を思い出しました。

タッカー (映画) - Wikipedia

 今、タッカーの商標権を第三者が持っていると仮定して、憧れのタッカーの中古車を商標権侵害と言うのは無理があります。

 

もしも、過去の時点で、権利者がブート品を目こぼししていたと証明できれば、その時点で合法になりますので、その商標がそのまま残っているに過ぎないブート品は、合法と言えるのではないでしょうか?

グッチが、簡単に、そう言ってくれるとは思えませんが。 

 

環境ブランド調査2018

ESGにシフトしていく?

2018年7月6日の日経に、2018年の日経BPの環境ブランド調査の結果が掲載されていました。

www.nikkei.com

環境ブランド総合ランキングでは、

  1. サントリー(前年1位)
  2. トヨタ自動車(2)
  3. イオン(7)
  4. パナソニック(3)
  5. 日産自動車(5)
  6. キリン(6)
  7. アサヒビール(9)
  8. アサヒ飲料(25)
  9. ホンダ(4)
  10. コスモ石油(23)

となっています。

サントリーは、7度目の首位で、「天然水の森」活動や、「水育」がが評価されたとあります。また、イオンが順位を伸ばしています。

 

コメント

第一印象は、日産を除き、社名が片仮名ばかりと言うことです。

さて、内容については、日経BP社のWebサイトに少し説明がありました。アサヒ飲料の、例のブランド名を印字したラベルをつけないペットボトルも紹介されています。

corporate.nikkeibp.co.jp

 

これによると、日経BPは、2017年から、企業の持続可能性を測る指標として、ESG(環境・社会・ガバナンス)の3つを使う指標を目指しているようです。

そのため、昨年に続き、企業の「社会・ガバナンス」分野のイメージを尋ね、そのスコアを集計した「SGイメージスコアランキング」を出しています。

このスコアが高い企業は、社会・ガバナンス分野の取り組みが評価されている企業ということです。

 

従来型の環境は、環境ブランド総合ランキングで評価し、

社会・ガバナンス関係は、SGイメージスコアランキングで評価するという構造です。

 

ちなみに、SGイメージスコアランキングでは、

  • 働き方改革をすすめている
  • 従業員の健康に配慮した経営をすすめている
  • 女性の雇用に積極的/女性が幹部に登用されている
  • 働きたい会社である

などが紹介されていました。

 

●数年前までは、CSR(Corporate Social Responsibility)が環境の上位概念で、CSRの一部に環境があるという位置づけでしたが、どうも、ESGに置き換わる感じです。

 

●ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。

どちらかというと投資に関する概念のようです。以前は、SRI(社会的責任投資)といっていたものが、ESGに進化しているようです。

 

ESG(環境・社会・ガバナンス)・ESG投資とは・意味 | Sustainable Japan

ESGと検索すると、一番トップに出てきたのは、このサイトなのですが、

  1. ネガティブ・スクリーニング
  2. 国際規範スクリーニング
  3. ポジティブスクリーニング/ベスト・イン・クラス
  4. サステナビリティ・テーマ投資
  5. インパクト・コミュニティ投資
  6. ESGインテグレーション
  7. エンゲージメント/議決権行使

 

日経BPのSGイメージスコアは、このポジティブスクリーニング/ベスト・イン・クラスなどを見るためのものなんだと思います。日経ですので、経営や投資に関するものに注目するのは頷けます。

 

●企業の組織などに、CSRという名前を付けたところが沢山あります。

CSRという言葉が出てきて、それに対応するために大騒ぎをして、また、ESGという言葉が出てきて大騒ぎをするというのも良くないように思います。

流行の概念は、考え方としてはきっちりと理解しながら、あまり惑わされないことが必要だなと感じました。

 

CSRと似た言葉に、コーポレート・シチズンシップ(Corporate Citizenship)がありますが、この2つの違いも良く分かりません。

 

●そういう意味では、環境は、一つの分野として、他と区別して認識されている訳ですので、立派な分野なのだとあらためて思いました。

アマゾンの薬通販

PillPack(ピルパック)買収

2018年6月29日の日経に、米アマゾンが、処方薬をインターネット販売しているピルパックを買収し、医薬品の販売に本格参入するという話がありました。

 

www.nikkei.com

  • 買収額は、10億ドル(約1100億円)程度
  • ピルパックは薬剤師が2013年に創業した企業。処方薬やビタミン剤の宅配サービス。売上高は1億ドル程度
  • ネットで処方薬を受け付け、一回分の服用分を小分け包装して配送
  • 高齢者に人気
  • AIスピーカーで家庭の常備薬を管理して、減った分を定期的に配送するサービスを視野

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アマゾンが、生鮮食料品のホールフーズを買収し、生鮮食料品のネット販売が本格化しているようですが、次は、処方薬の販売のようです。

処方薬の販売には、米国でも許認可や薬剤師の配置などが必要なようですし、保険会社との関係などもあり、簡単には規模が拡大できないそうです。しかし、それでも、比較的好調とされるドラッグストア業界にも、アマゾン・エフェクトが生じてくるのだと思います。

 

さて、このピルパックですが、処方薬を一回分に小分けするのは、面白いサービスだと思います。飲み忘れや、飲み間違いが防げます。薬局で4、5種類の薬をもらうと、だんだん、数が合わなくことがありますが、それが防げそうです。www.pillpack.com

 

日本でも、病院で薬を出していた昔は、病院によっては、このタイプのサービスがあったように思うのですが、処方薬は病院外の薬局で購入することになり、この小分けをやってくれるところがなくなったように思います。

 

ネットで処方薬のサイトはないかと見たところ、日本の場合は、ネットで処方箋を送り、薬局で受け取るということは可能な所はあるようなのですが、宅配はしてくれないようです。

 

Skypeや電話などを使えば、健康保険書の確認や、口頭での指導もできるのに、手渡しにこだわって、業界を守っている感じです。

 

まあ、病院の近くに処方薬の薬局があるので、あまり気にはなりませんが、それでも、病院で数時間ほど時間がかかり、更に薬を受け取るのに数十分かかるのは、非常に疲れますので、宅配してくれるなら助かります。

 

もう一つ、AIスピーカーで薬の補充サービスをするという点ですが、どうしたらそんなことができるのか?と思ってしまいます。

AMAZON GOのように、薬箱に監視カメラでも設置しておけば、薬が減ったかどうか分かりますが、AIスピーカーでは、個人が胃薬がなくなった、目薬がなくなったと、AIスピーカーに報告しないと分からないのではないでしょうか。でもそれなら、ただの音声による注文です。

 

日常のさりげない会話を聞いて、AIスピーカーが判断(「もう、胃薬、あと少ししかないよ。」など)するのでしょうか?

こちらも、どうするのか、面白そうです。

カップヌードルのキャタピラ デザイン

位置商標で登録

2018年7月2日、日清食品ホールディングスニュースリリースで、カップヌードルのロゴやブランド名がない、キャタピラだけで、位置の商標として商標登録がされたというものがありました。

下記のリリースに、商標の見本(図面)があります。

www.nissin.com

  • 象徴的な帯型の図形(通称:キャタピラ) を「位置商標」として出願
  • 2018年4月6日に商標登録 (登録番号:第6034112号) 
  • 創業者の安藤 百福がデパートで見かけた "洋皿" がモチーフ
  • 大高 猛 (おおたか たけし) 氏がデザイン
  • 発売当時のデザインを一貫して守り続けてきた
  • 上下の帯型の図形だけでもお客さまに「カップヌードル」と認識していただけるようになっている

とあります。

 

コメント

大高猛さんは、あの有名な大阪万博のシンボルマークを作った大阪のデザイナーということです。このカップヌードルのデザインも、同じ方にデザインしてもらったものだったんですね。この点は、覚えておこうと思います。

 

カップヌードルの発売が、1971年だそうです。発売から47年間、同じデザインを一貫して使用してきたということであり、ロングライフデザインであることは確かです。

 

スーパーマーケットで確認すると、通常のカップヌードルでは、白のカップに、ゴールドのキャタピラですが、カップヌードルの種類によっては、黄色があったり、緑色があったりするようです。

 

今はゴールドが登録されていますが、色が多少変わっても、この部分にキャタピラがあると、カップヌードルを想起しますので、位置の商標という言い方がぴったりくると思います。

 

J-Plat Patで見たところ、位置の商標は、あまり登録がなく、2018年7月9日朝の時点で、51件だけでした。

これは有名だなと思ったのは、このカップヌードルのキャタピラと、キューピーマヨネーズの包装のビニールにある赤い格子模様(商標登録第5960200号)、ソニープレイステーションのコントローラーの〇✖□△(第5858802号)、亀田製菓の柿の種にあるエンブレムのようなもの(第5873740号)でしょうか。

 

カップヌードルのキャタピラが、今、はじめで出てきたとして、通常は、部分意匠で、意匠権を取るだろうと思います。そして、意匠権は、登録日から最長20年間有効となります。

 

そして、一貫して使用を継続することで、商標としての出所表示機能が出てくる場合は、商標としての保護も可能となり、今回のよう位置商標にもなるのだと思います。

 

意匠と商標が地続きである一つの事例だと思いました。