Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アディーレ法律事務所の業務再開

2ヶ月はあっという間だが

2017年12月11日の日経夕刊に、アディーレ法律事務所の業務再開の記事がありました。

www.nikkei.com

  • 2017年12月11日、2カ月間の業務停止処分期間が終わり業務再開
  • アディーレは依頼者や取引先に多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを改めて深くおわびすると謝罪
  • 委任契約が解除になった顧客への対応を最優先で進める
  • 処分対象はアディーレのインターネット広告
  • 同事務所の過払い金返還請求の着手金無料キャンペーンが、景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして、2016年に消費者庁が措置命令
  • 東京弁護士会は2017年10月、法人を業務停止2カ月、元代表の石丸幸人弁護士を同3カ月の懲戒処分

同事務所のWebサイトは、この2ヶ月間、サイト閉鎖状態にあったり、顧客への案内等の必要最小限の情報だけになっていましたが、今は通常のページに戻っているようです。

 

業務再開のお知らせが出ています。

www.adire.jp

  • 依頼者、取引先、関係者の方々に心配と迷惑をかけたことへの謝罪
  • 全ての依頼者の方々に、最後まで誠実に対応することが、事務所ができる一番の謝罪
  • 業務再開後も、委任解除に伴う作業を最優先に行う
  • 広告は、再発防止策と、事務所内での広告のチェック体制を徹底、継続して再発防止に取り組む

とありました。

 

コメント

業務再開後も、委任解除に伴う作業を優先的に行うという点に着目しました。

 

今回の弁護士法人の業務停止では、業務停止になったあと、そのときに委任を受けていた案件を一旦委任を終了して、再度、所属弁護士などが、弁護士個人として委任を受けるという話だったと思います。

 

膨大な顧客がいたので、まだ、委任解除が出来ていない委任契約があり、まずは、業務再開後ではありますが、一旦委任解除だけはやらないといけないということでしょうか?

 

また、弁護士法人の業務停止期間が過ぎたので、今後は、所属弁護士への委任ではなく、弁護士法人への委任ができるようになるということかもしれません。

アディーレの場合、広告を頼りに事務所を信頼した顧客が多そうですので、弁護士法人との委任契約を希望する人が多いと推察します。

 

今回の業務停止処分で、依頼者がどの程度アディーレ法律事務所に残り、どの程度他の事務所に変更したのかは分かりませんが、アディーレ法律事務所の経営には、大きなインパクトがあったと思います。

 

アディーレ法律事務所の創業の理念には良いものがありますし、弁護士数では四大法律事務所に次ぐ規模の弁護士数のようですので、それらの弁護士が今後どういう弁護士に変っていくのかも関心があります。

 

仮の話ですが、特許事務所業務法人で、業務停止処分があり、受任している案件をすべて個人受任に変更する必要があるとしたら、どのような影響があるのか考えてみ増した。

特許や商標の場合は、出願前の仕掛品は、出願時に弁理士個人名にすることで対応できますし、特許や商標は出願してから登録になるまで時間がかかるので、さっと代理人変更を出すことで対応でき、顧客数も限られ、電子で対応可能なので、弁護士法人ほどのインパクトはないのかもしれないと思いました。

しかし、それよりも、特許事務所の場合は、お客さんへの信頼が低下し、今後の依頼がなくなるという方が影響が大きいだろうと思いました。

 

何か問題があったときに処分を受けることは仕方ないと思いますが、業務停止以外で、処分の実効性もあり、顧客に迷惑がかからない方法はなかったのかとは思います。

また、アディーレ法律事務所の場合、海外関係の業務はないと思いますが、四大法律事務所などなら、海外の仕事も大量にあります。海外の場合、簡単に代理人変更も簡単にできません。そのときは、どうなるのでしょうか?

意匠データをEUで公開

Design Viewに特許庁情報提供

2017年12月6日の日経に、特許庁が工業デザインの意匠権に関して、欧州連合知的財産庁(EUIPO)と連携して、日本の情報をEUIPOのデザインビューに掲載するという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 12月からEUIPOが運営する世界最大のデータベース(Design View)で日本の情報を公開
  • 企業やデザイナーにとっては製品化する際、他国の情報と一括で事例を確認できる
  • EUには世界で登録された意匠の検索システム「Design View」がある
  • 世界の54の知財関係庁の1300万件以上のデザインが閲覧可能
  • 企業は製品を投入する国で似たものがないか確認する必要がある
  • このデータベースは、海外の小売企業なども多く閲覧している
  • 日本企業の優れたデザインが多くサイトに出れば、海外企業にアピールする機会
  • 12月以降、様々な機能を日本語で使えるようにする
  • デザインを意匠権として申請する際、国によって提出する図面の開示要件が異なるなど制度面での違いがある
  • 日本、米国、EU、中国、韓国の5大知財庁は今後、主要国での比較調査や統計調査を実施
  • 必要なものは統一するなどして、国際的な意匠権取得の利便性を高める

 コメント

今の事務所では、商標、それも外国商標(内外)だけを担当しているので、なかなか意匠に触れるチャンスがありません。

 

以前の会社では、入社してからしばらくは、商標も意匠も担当しており、AV商品と電化商品という家電を担当していたので件数も多かった記憶があります。

だいたい、午前中は意匠、午後にネーミング系の商標(ペットネーム)、夜にブランド(ハウスマーク)という生活をしていました。

意匠と商標をセットですると、どうしても、期限の優先される意匠を先にやる必要になり、次に、事業部から督促のあるネーミングとなり、最後に重要なブランドを空いた時間にするという事態になりがちです。今は、担当を明確に分けているのだと思います。

仕事はだいぶ荒っぽかったですが、数だけは相当な件数を処理したと思いますので、意匠の類否判断の感覚は残っています。

意匠の意見書や審判請求や外国出願など一通りやりましたし、意匠調査もやりました。あれぐらいやったのだから、素直な感覚として、意匠もやりたいなと思います。

 

さて、この話は、外国商標実務で見ているTM Viewと同じようなDesign Viewというシステムを、EUIPOが作っていて、それに日本もデータを供給するということです。

この程度のシステム、日本が先頭に立ってやれば良いと思いますが、日本の特許庁は電子出願などでは先行しましたが、Webには強くないのかもしれません。今となっては、インドなどの方が、進んでいるように思います。ガラパゴスです。

 

EUIPO(欧州連合知的財産庁)という立派な名前ですが、特許はEUIPOでは取り扱わず、EU傘下ではなく、別の条約で出来た欧州特許庁が担当しているという構成です。

 

商標の方では、EUIPOがTM Viewを、世界知的所有権機関WIPO)がGlobal Brand Databaseを公開して競っていますが、意匠でも、WIPOにGlobal Design Databaseというものがあるようです。

 

WIPOはマドプロやハーグ協定で潤っており、EUIPOはEUTMや登録共同体意匠(registered Community design、RCD)で潤っているので、このような似たデータベース事業を双方でやっていると聞いたことがあります。

二つが競うことで、結果として良いものができるのであれば、ユーザーとしては良いことだと思います。

 

先日、特許事務所のような特許実務をする企業の商標の責任者と話をしていたときに、企業や特許事務所が今やっているデータ入力のような仕事は、将来無くなるだろうと言っておられました。理由は、各国がデータをEUIPOやWIPOに預け、企業や特許事務所などは、そのDBを使える状態になるのでは?ということです。

 

企業で、商標管理していて、一番大変なのはデータ管理で、だんだん特許事務所からデータをもらうようになり、今はオンラインで企業のシステムに入れることが多くなっていますが、それでも特許事務所には入力作業が残っています。

EUIPOやWIPOのDBと直結して、その作業が無くなるなら、入力ミスのようなことも、減るはずです。

 

だいぶ前にある大会社の商標の責任者が、国内商標のDBを一切作っていないと豪語されていたことを思い出しました。その方は、年に一度、自社の名称でパトリス(当時)で検索して、全件打ち出して、それを順番にならべて、今年の更新リストにすると言っていました。簡単な方法ですが、間違いのない方法だと感心した覚えがあります。事業場への請求ができないとか、どの事業場の依頼かわからないとか、突っ込みどころはありますが、公的なデータベースを基本にするという点は、発想が似ています。

 

知財の醍醐味は、催告であり、侵害訴訟であり、模倣品対策であり、異議申立であり、無効審判であり、係争にこそありますので、DB管理のようなものから早く解放されて、本質的な業務ができるようになれば良いと思います。 

Wal-Mart Stores Inc.の社名変更

Walmart Inc.に

2017年12月8日の朝日新聞に、ウォルマートの社名変更の記事がありました。

www.asahi.com

  • ウォルマート・ストアーズは、来年2月から社名を「ウォルマート」に改めると発表
  • 店舗を意味するストアーズを社名から外すことで、オンライン販売へのシフトをさらに進める
  • ウォルマートも、ネット通販会社を買収するなどネット重視に
  • 社名変更は1970年以来、ほぼ半世紀ぶり
  • アップルは2007年、iPhone(アイフォーン)の発表を機に、「アップルコンピュータ」から「コンピュータ」を外した
  • グーグルも2015年、ネット検索中心から自動運転などにビジネスを広げるタイミングで、持株会社「アルファベット」をつくった

●2017年12月7日のブルームバーグにも、記事がありました。追加情報としては、次のようなところです。

www.bloomberg.co.jp

  • 来年2月1日は新会計年度のスタート
  • Wal-Mart Stores Inc.からWalmart Inc.に変更
  • Walmartという名で顧客に親しまれている
  • 2日以内の配送無料化や、ネット事業運営のためのアイビーリーグ出身者採用
  • アマゾン・ドット・コムに対抗する電子商取引企業への脱皮を目指し、次々と策を講じてきた 
  • ウォルマートはグーグルとも提携
  • スマートスピーカー「グーグルホーム」を通じて音声で商品を注文できるサービスを開始
  • ウォルマートの米オンライン販売の伸び率は過去3四半期にわたり50%超

とあります。

 

●2017年12月7日の日経電子版には、次の追加情報がありました。 

 

www.nikkei.com

  • 実店舗をイメージする「ストアーズ」を社名から外し、ネット通販部門のさらなる拡大を印象づける狙い
  • 社名変更で弾みをつけ、ネット通販最大手、アマゾン・ドット・コムの背中を追う
  • ウォルマートは2018年度にはネット売上高を前年度比4割増やす計画
  • 米の主要企業の社名変更では、テスラモーターズが今年2月に社名からモーターズを外し、「テスラ」にした
  • 電気自動車(EV)だけでなく、蓄電池外販や太陽光発電など事業を拡大しており、社名に反映させた

 

 コメント

そもそも、ブランドロゴは「Walmart」ですし、皆ウォルマートと言っています。また、社名をブランドネームに合わせるのは、過去から沢山事例があるので、特にどうということもないニュースですが、アマゾン・エフェクトに負けていない企業として、ウォルマートには注目が集まります。

3つの記事を読み比べると、説明に出てくる事例が少し違います。

社名変更の事例として、朝日新聞がAppleとGoogleを引き、日経がテスラを引いています。3社とも、会社が大きく変わるタイミングということで、適切な事例だと思いますが、テスラが一番近いでしょうか。

 

私は、STARBUCKSのブランドロゴからCOFFEEの文字がなくなったこと(2011年)を思い出したのですが、そえはブランドロゴの話で、社名として、今でも、Starbucks Coffee International, Inc.とかスターバックスコーヒージャパンとかがあるようです。

 

Walmart自身の広報ニュースリリースはこちらです。

 

news.walmart.com

Legal Nameの変更という言葉と、店舗やネットを含めて顧客はOne Walmartを体験するという言葉が出ています。 

1969年10月31日に法人化したときはWal-Mart, Inc.で、1970年1月9日に Wal-Mart Stores, Inc.になったとあります。また、現在のWalmartのブランドロゴは、2008年6月から使用とあります。

表記方法は多少違いますが、創業当時の元の社名に戻るとも言えます。

 

 

 

 

 

韓国の商標制度

異議申立の勝率が高い

2017年11月17日の特許ニュースに、「韓国の商標制度の概要」が出ていました。RIN IP Partnersの弁理士の宮田佳代子さんのまとめです。面白いと思った点に適宜コメントします。

特許ニュース

  • 韓国の商標制度は、日本と似ているのですが、権利付与後異議申立制度を採用している点と、指定商品の追加登録出願制度を有する点、それと、商標の類否判断が広く判断される傾向にあるのが、日本との相違点のようです。

 

  • 出願件数は、2016年で170,347件とに日隠の161,859件よりも多く、アジアでは、中国、インドについで、3番目の出願件数ということです。

人口が、5,125万人で、日本の半分以下ですので、比率的に考えると商標出願はだいぶ多いと思います。

  • 特許庁の中に、特許審査1局から3局まであり、それと並列で商標デザイン審査局があります。

韓国は、商標デザイン局という一つの局を持っている点は、進んでいます。本当に産業政策を考えるなら、売れる商品を奨励しなければならず、特許も重要ですが、商標・ブランド、デザインは重要です。

なお、外国商標をしていて、USPTOのように、特許と商標を並列で記載するか、IP〇〇と、Intellectual Properrtyという言葉を使っている国が多いのに、韓国と日本はまだ、特許庁です。著作権文科省ということで、遠慮しているのだと思いますが、いい加減変更しても良いのではないでしょうか。企業で、特許部と言っているのは、少数派だと思いますし、特許の人気低迷の理由の一つかもしれません。

  • 2016年の商標デザイン局の審査官は、162名ということです。

 

商標法と運用の特徴は、以下のようなものです。

  • 商標の定義には、自己の商品と他人の商品を識別するために使用される標章となっています。自他商品識別という本質的なところを定義に入れています。
  • 新しい商標では、匂いの商標が制度に入っています(まだ登録例はないようです)。
  • 審査では、商品の類似について、「日韓類似群コード対応表」というものがあるようです。
  • ファーストオフィスアクションまでは4.8ヶ月、審査期間は平均9.6ヶ月です。
  • アルファベット、漢字だけでなく、日本語のひらがな、片仮名も図形ではなく文字商標として扱われるようです。
  • 商標の類似は日本よりも厳しく、類似範囲は広く判断されるとあります。
  • 同意書制度はされておらず、替わりにアサインバックが可能とあります。
  • 出願中、登録後に指定商品の追加出願が可能ですが、元々商品だけだったのに、役務の追加というのは出来ないようです。
  • 一番の特徴と思ったのは、異議申立です。権利付与前の異議申立制度で、3名の審査官による合議体で、職権審査が可能です。異議申立件数が、2,278件で(日本は396件)、異議申立で拒絶決定される割合は43.8%と非常に高率です(日本は18.6%)。

これは、付与前異議か付与後異議かが大きく影響しています。日本の付与後異議で維持の決定がでたときは不服申立ができず無効審判となるのですが、反対に取消決定が出たときは知財高裁に出訴が可能です。知財高裁に上げて欲しくないという忖度が取消決定を少なくしている実際の理由のようです。

異議は、商標制度にとって根本的な制度であり、欧州のように抵触審査をせずに異議だけでも良いぐらいなので、異議の勝率が20%を切るのは問題のある制度設計です。異議申立が減り、企業の商標への関心を低下させます。早期権利化を優先したためと思いますが、韓国のように50%程度であるのが自然であり、早急に日本の商標法の制度改定が必要な点だと思います。

以前の法改正の時、早期権利化の方が重要と思いましたが、間違っていました。

  • 不使用取消審判における同一性は弾力的に評価されるようです。
  • あと、最近話題になっている権利範囲の確認審判制度があります。侵害訴訟を起こす前には、利用するもので、頻繁に請求するもののようです。

特許で検討しているような、標準化にからめるのが良いのかは分かりませが、日本の知財高裁のメンバーは法律家であり、技術やブランド・デザインに詳しくないので、この制度は参考になります。

確認審判制度は、もともとは、日本の制度だったのが、韓国に残っているものです。

韓国の制度にも、定義、異議申立、確認審判と、台湾同様に見えるべき点があると思いました。

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

日経BPコンサル 大学ブランド・イメージ調査

地域毎に発表

2017年11月29日の日経で、大学ブランド・イメージ調査が発表されています。

www.nikkei.com

大学ブランド・イメージ調査2017―2018(首都圏編)のランキングは、1)東京大学、2)慶応義塾大学、3)早稲田大学、4)上智大学、5)一橋大学、6)東京工業大学、7)青山大学、8)明治大学、9)東京外国語大学、10)お茶の水大学、の順となっています。

1位から5位は、昨年と同じ。その他の順位も多少の前後はありますが、TOPは、同じ顔触れです。

  • いま注目されている、旬である大学は国際基督教大学(ICU)が首位
  • 総合ランキングは東京大学が3年連続トップ
  • 首都圏在住のビジネスパーソンにインターネットを通じて調査
  • 49項目のイメージに当てはまるかどうかを尋ねた
  • 東大は「一流感がある」「基礎学力が高い」「各界に多数の人材を輩出している」などの項目でトップ
  • 2位の慶応義塾大学は「就職状況が良い」「自分の意見をしっかり言える」で高評価
  • 3位の早稲田大学は「チャレンジ精神がある」「自由闊達である」で高評価

などとなっています。

 

コメント

日経BPコンサルティングのWebサイトによると、他に、北海道編、東北編、甲信越編、北関東編、北陸・東海編、近畿編、中国・四国編、九州・沖縄・山口編と全部の9つの地域毎のランキングになっているようです。

 

首都圏編という点が、気になっています。首都圏と近畿(と言っても京都)の大学は、全国から人が集まります。地域的にも、近畿、東海以外の地方の高校生は、首都圏に出てくる人が多いと思います。9つの地域に分けと、実際の学生の受験動向は、必ずしも当てはまらないように思います。

consult.nikkeibp.co.jp

 

また、大学の成果のランキングとしては、東大、京大がセットで出ていないランキングに何の意味があるの?と思います。

 

この日経BPコンサルのサイトでは、地域毎に偏差値を出していますが、東大の偏差値は、88.6ポイントで、一番高いのは、東海の名古屋大学の95.0ポイントです。近畿の京都大学も93.3ポイントです。

 

そもそも、このランキングは、大学関係者に大学ブランドの大切さを理解してもらうために実施しているランキングのようです。

ブランド作り、話題づくり、Webサイトやスマホサイトの充実など広報活動に頑張った大学は、世間の評価は上がりますので、その結果をウォッチして、次の施策に生かすためのもののようです。

 

日経BPコンサルとしては、大学にデータを提供したり、必要な調査を実施したり、ブランド戦略立案に協力したり、自らのビジネスにつなげるためのものです。

 

確かに、最近の大学や私立高校のWebサイトは、企業以上に充実してきています(一方、公立高校は驚くほどお粗末です)。大学入試もWeb化していますし、大学の授業もスマホを使うなど、想像以上に進んでいます。

 

大学のロゴやカラー、広報誌発行、サイト作りなど大学にとっては非常に重要ですし、そのためにには大前提として、考え方の整理(ブランド戦略)を作成しないといけないのは、企業とまったく同じです。

 

大学が広報部門を持つのは当たり前になっていますし、日経BPコンサルとしても良い顧客なのだと思います。そのため、TOPだけではない、色んな学校の色んな特長を調査していて、その調査の成果物の一つをPRのために出しているというところでしょうか。

書評の紹介  "HOW TO STOP BREXIT (AND MAKE BRITAIN GREAT AGAIN)" 

ブレグジットの止め方

2017年12月2日の朝日新聞のGlobeに、翻訳家の園部哲さんの書評がありました。

書評は、"HOW TO STOP REXIT"というタイトルの本で、作者はNICK CLEGG(英国の自由党の元党首)です。

ニック・クレッグが、保守党のキャメロン党首と一緒に連立政権を組んでいたのは、2010年~2015年とありました。

 

globe.asahi.com

書評ですが、

  • 「How to Stop Brexit」は、ベストセラー
  • EU離脱は、2年間の間に交渉をまとめる必要がある
  • すでに三分の一が経過にたにも拘わらず、まともな交渉に入っていない
  • メイ首相の求心力も落ち、EUは英国のやる気と能力に疑問をもっている
  • 離脱キャンペーンの幹部が、インチキ数字を使っていたことを告白
  • 英国民は「EU離脱」という欠陥商品を売りつけられた
  • 離脱に関する条文を書いたスコットランド人法律家は、離脱は撤回可能と明言
  • 2回目の国民投票をやればよい
  • そもそも、労働党も保守党も、議員のマジョリティーは残留派だった

このような内容のようです。

 

コメント

一旦離脱しますと宣言したら、事情が変更しても絶対に離脱しないといけないということはないと思います。大体、各法分野においては、言葉は色々ですが、事情変更の原則ということも言われますし、まあ世論が変われば変更できるのは当然だと思います。

 

メイ首相なども、そもそもは離脱反対派だった聞いています。英国人らしく、何が一番得かという点を、徹底的に考えて動いているのだと思います。

 

メイ首相の指導のもとEU離脱が進むのか、反対にニック・クレッグがこの本で主張しているように事情が変ったとして再度国民投票を行ってEUに残留するのか、将来どうなるのかは全く分かりませんが、この本がベストセラーになるということは、英国は自由に言論ができる国ということは良く分かります。

 

ちなにみ、この点、2017年12月8日のニューズ・ウィーク電子版によると、英国とEUは、ブレグジットの主要3分野で合意したとあります。

www.newsweekjapan.jp

 

主要3分野とは、1)清算金 2)在英EU市民と権利 3)アイルランドの国境問題の3つです。

これを受けて、第二段階に進めるようになり、離脱後の通商協定や移行措置の協議入りが始まるようです。

 

商標・意匠は、移行措置の問題ですので、主要論点が片付けば、これから作業が進むのだと思います。

 

先日、英国の商標弁理士(兼特許弁理士)が、来所されたときにも、この話題を説明して帰られました。商標・意匠の問題などは、そもそも、議論に大きな対立があるものではなく、主要論点がきまれば、特にもめることはないという感じでした。そうかもしれません。 

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤマハの発動機株の売却

保有割合が9.93%に

2017年11月29日の日経に、ヤマハヤマハ発動機の株式を売却するというニュースがありました。

www.nikkei.com

とあります。

 

また、2017年11月28日のヤマハニュースリリースによると、保有方針と売却理由という項目がありました。

  • 株式は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する場合にのみ保有する方針
  • ヤマハ発動機株式会社は、共通の「ヤマハ」ブランドを使用しており、 「合同ブランド委員 会」 、「ヤマハブランド憲章」、 「合同ブランド規程」を設け、様々な取組みを共同で実施
  • 株式の保有、取締役の派遣を通じ、双方の持続的成長に向けた取組みを適切にモニタリング
  • モニタリング・協力関係により、 「ヤマハ」ブランド価値の維持・向上を図ることが、中長期的な企業価値の向上に資する
  • 今後とも協力関係を維持。一方で、資産効率の観点などから保有レベルについては、主要株主(議決権割合が10%以上の株主)を外れるレベルまで保有を引き下げる

とありました。

 

コメント

何かのブランドの本で、YAMAHAブランドは、潜在能力から言って、日本一のブランドという文章を読んだことがあります。TOYOTA2000GT のエンジンはYAMAHA製ですし、YAMAHAポプコンとか、相当良いイメージがあるのは、確かです。

 

さて、売上規模は、すでにヤマハ発動機の方が1.5兆円規模で、4000億円規模のヤマハを大きく超えているようです。

先日の講演会で元ヤマハ弁理士さんから、両社のYAMAHAロゴの違いなどを聞いていたので、このニュース、興味を持って読みました。

 

nishiny.hatenablog.com

  

紫が楽器・音響機器のYAMAHAロゴで、赤がバイクやマリンの発動機のYAMAHAロゴ、また、音叉の長さ違いや、YAMAHAロゴ自体の違いの話も聞きました。

10%を切るということは、ほぼ株式でのコントロールは難しく、ニュースリリースにあるような、「合同ブランド委員 会」 で議論し、「ヤマハブランド憲章」、 「合同ブランド規程」でコントロールしないといけないようですが、大変だなぁと思いました。

 

J-Plat PatでYAMAHAを検索すると、4類、7類、12類は、ヤマハ発動機が商標権の名義人になっています。その他の分類は、ヤマハが名義人です。

ヤマハが完全に商標権を保有して、ライセンスしているのかと思っていました。

 

海外も、Global Brand Databaseで見ると、上記の分類は、ヤマハ発動機名義になっているようです。

 

商標権は、すみ分けているということですね。

 

ヤマハに権利があり、使用権者が発動機だとすると、ライセンス契約やライセンス登録が必要になり、面倒なのは分かります。

 

旧財閥系では、戦前は財閥本社があったので、一元管理ができていたのが、戦後の財閥解体で分かれてしまい、日本の商標権の名義は主要各社を変えましたが、海外では財閥本社の業務を引き継いだ商社が名義を持っていると聞いていたですが、今は違ってきているのかもしれません。

 

権利の名義を一社に集中しておくメリットは、商標権の取得時に引用されないという点です。同意書制度のある国はまだよいのですが、同意書制度がなければ、新商品や新サービスは権利化できないことも出てきます。

 

経営的には、それにとどまらず、一元管理することで求心力を維持することが可能で、組織のアイデンティティを守ることができ、たぶんこちらが、真の目的です。

 

商標権で抑えておくと、例え、株式保有比率が50%なくても、コントロールが可能なことが多いためです。

 

このあたり、緩めの企業グループと、きつめの企業グループがありますが、創業者がいるときはきつめで、だんだん緩くなる傾向があります。また、創業者がおられなくても、理念等の浸透度の高い企業グループは、まとまる傾向にあります。

 

話は変わりますが、若い人は、ヤマハが昭和62年までは日本楽器製造株式会社(日本楽器)という社名だったことを知らない人が非常に多いので、世代間格差があって、面白い点です。