Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

IoTで変わる特許紛争

通信と車 異業種での紛争

2017年11月6日の日経によると、IoTの普及で、通信と車など、異業種間での特許紛争が増えているようです。この関係を説明している記事がありました。

www.nikkei.com

記事は、大略、次のような内容です。

  • 従来は、パテントトロールが課題であったが、パテントトロールは日本を避け、欧州に
  • 特に、ドイツは審理が速く、権利者に有利な判決が出やすい。トロールが好む
  • トロールの代わりに、IoT関係の特許紛争が増加
  • 一例として、「アバンシ」。エリクソンやクァルコムや一部日本電機メーカーも入っている、パテントプール団体
  • コネクティッドカーやスマートメーターが標的
  • IoTによって、通信関係の特許を車メーカーも使わざるを得ないが、その必須標準特許を通信(のパテントプール)が保有
  • 車メーカーとしては、クロスライセンスが効かず、対象製品の解釈も、部品とするか完成品とするかでもめている
  • また、複数特許をまとめて話合うかどうかでも、もめている
  • 車メーカーは、BMWVWが、「フェア・スタンダーズ・アライアンス」という業界団体を設置し、ロビー活動
  • 欧州委員会は、2017年初めに、IoTに関連する標準特許の扱いについての指針作りを開始し、11月末に公表する予定
  • 日本もガイドライン作りに着手

横に、宗像長官のインタビューも出ていました。

 

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記事には、通信とありますが、通信サービス事業者というよりも、エリクソンなど、通信サービス事業者に機器を納入していたような通信機器事業者ですね。クァルコムは通信機器の半導体の会社です。

 

通信機器事業者も、こちらはこちらで、競争は非常に激しい業界です。通信サービス事業者は免許制で、法律で守られているので、経営は安定していますが、エリクソンも、携帯電話を撤退したり、また最近はクァルコムが買収されそうなど、淘汰のニュースを良くみる業界です。

 

IoTに入っていくなら、避けては通れない話だと思いました。電機では昔からある話ですので、今更何を言っているの?という感覚かもしれません。IoTでつながるためには、必須特許化は使わざるを得ないと思います。

 

そもそも、一つの製品に何件の特許が入っているのか?という点で、電機は圧倒的に多いと思います(自動車も多いですが)。イメージですが、車の特許は、機械もので、機構的なものが多く、部品単位で成立しており、また、車であれば設計変更で、回避できるものが多いのではないかと思います。一方、電機の特許はシステム全体に関係するような取り方をしてきたように思います。自動車でもEVのプラグの形状など、標準化ではもめていたと思いますが。

 

車は、なんとかグローバルで活躍出来ている業界なので、こちらが特許でケチつくようなことがあれば、日本経済にとっても打撃になるので、ガイドライン作成など、できえることはしようということなのだと思います。

 

記事で気になったのは、トロールが日本を避け、ドイツに行ったという部分です。2010年に8件だったトロール関連訴訟が、2015年には52件になったという記載があります。一方、日本は、トロール関連訴訟は、年間0~4件とあります。

これを、喜ぶべきかどうか考えてしまいます。ドイツの訴訟は、速く、権利者有利の判決が出る点が説明されていますが、2010年~2015年というと、日本は調子が悪くなり、ドイツは調子が良かった時期です。

トロール訴訟に巻き込まれる企業にとっては大変なことですが、裁判所が素早い判断をして、多少権利者有利に判断することは、産業政策としては、正論ではないかと思います。

 

職務発明トロールでも感じていたのですが、IoTなどでも、あまり企業の特許部門の意見を聞きすぎることは、国家の力を強化する産業政策として正しいとは限らないのではないでしょうか。

 

今年の知財訴訟は件数が多くなっているようです。1月から9月までで、500件という昨年の数が来ているようです。少しづつですが、訴訟を起こす社会になってきたのかもしれません。

2017年 赤ちゃん命名・お名前ランキング

「結衣」が7年ぶりの首位に返り咲き

2017年11月15日に、赤ちゃん本舗のWebサイトで、2017年の「赤ちゃんの命名・お名前ランキング」が発表されています。

www.akachan.jp

発表は、2種類あり、名前のランキングと使われている漢字のランキングです。TOP20のランキングは、同社のWebサイトでご確認ください。

  • 調査対象件数は全国108店舗から集まった約8万3千件(日本最大級)
  • 調査対象は、赤ちゃん本舗の会員情報のうち、2017年1月1日~10月20日に同社に登録したお子さんの名前
  • 調査件数82,917件(男の子42,416件、女の子40,501件)

ランキング男の子は「蓮」が首位、女の子は「結衣」が首位

  • 男の子は昨年に続き「蓮」が首位
  • 「悠真(ゆうま)」が2位、「湊」は6位から3位
  • 女の子は「結衣」が首位
  • 「陽葵(ひまり)」10位→2位、「凜」11位→3位

「そうた」、「蒼」が人気

  • 男の子は、20「そうた」が人気上昇。「奏太」が24位→9位、「奏汰」が71位→21位、「颯太」が54位→24位
  • 字は違いますが俳優の福士蒼汰さん、棋士藤井聡太さんの影響か
  • 「蒼」 が44位→13位。福士蒼汰さんの影響か
  • 女の子は、「結衣」が2015年5位、2016年4位と毎年順位を上げて首位に(2017年上半期時点は3位)
  • 大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に続き、2017年7月からのドラマ「コード・ブルー」に出演した新垣結衣さんの影響か
  • 前回の「コード・ブルー」放映年(2010年)の首位も「結衣」で、7年ぶりに返り咲き

漢字は自然にまつわるものが人気

  • 男の子は「太」「大」「悠」の漢字で、おおらかなイメージの名前が多い。音や色などの芸術をイメージさせる「奏」や「蒼」が上昇
  • 女の子は「菜」「花」「莉」「咲」「芽」など草花にまつわる漢字が多い。「結」「彩」「月」が上昇
  • 男女共通の人気の漢字は、「希」「優」。優しさやおもいやりを大事にしてほしい、希望をもって生きてほしいとの願いからか

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この調査ですが、まず、思ったのは調査のサンプル数が非常に多いことです。これだけできるのは、赤ちゃん本舗だからだと思います。これ以上の調査は、戸籍のデータベースぐらいでしょうか。

 

ちなみに、1月から10月末までが調査対象のようです。2016年の調査でも、11月、12月は抜けているのです。あまり大きな差はないとは思いますが、11月、12月生まれの子供の名前は、どう考えたらよいのかと思ってしまいます。

 

男女別で、約4万づつの調査サンプルがあって、250名ぐらいでTOPです。また、TOP20の合計で3000名ぐらいです。名前のバリエーションは相当多そうだと思いました。

 

また、発表にありますが、人気の俳優さんの名前は、大いに赤ちゃんの名前に影響があるようです。

 

TOP20を見ていて思ったのは、男女とも、3音の名前が圧倒的に多く、2音が少しというところです。4音の名前はありません。昔は、男性は4音の名前が多かったように思います。3音ぐらいの短い音数の方が、言いやすいと言うことでしょうか。

また、男女とも、漢字一文字の名前も多いようです。昔は、漢字2文字の名前が多かったと思います。

 

その子供は名前と一緒に育ちますので、その子供の生き方に大いに影響します。

企業では、新製品ができ、ネーミングをするとき、自分の子供に名前を付けるときのように新製品にネーミングするようにしようと言われています。

子供の名前と商品を同列に扱うわけではないですが、その将来を大切に思っているわけで、言わんとすることは、同じだと思います。

 

男の子の名前に、濁音が無いようです。明るく、スマートな印象はありますが、濁音の持つ力強さが無いようです。名は体を表すといいますので、徐々に、影響は出てくると思います。

 

 名は体を表すです。

 

一方、漢字は、ランキングを見るかぎり、昔から名前でよく見る漢字が多いようです。

 

新しさが出ていると感じるのは、漢字の組合せで新しさが出ているということでしょうか。

 

本論とは、全く関係ないのですが、この記事を書いていて思ったのは、社名とブランドの不一致です。

社名が、「株式会社 赤ちゃん本舗」で、ブランドが「赤い図形(ah)+アカチャンホンポ」です。

どっちが正解かだったか考えさせてしまう、社名とブランドではないかと思いました。消費者に身近なのはブランドロゴの方ですので、社名の表記もブランドロゴに合わせて、「株式会社 アカチャンホンポ」とすべき時期に来ているのではないでしょうか。

Beakfast at Tiffany

ティファニーで朝食を

2017年11月11日の朝日新聞の夕刊に、ティファニーが初めてカフェをオープンさせたという話が出ています。

www.asahi.com

記事によると、

  • ティファニーは11月10日、ニューヨーク五番街の本店内にカフェをオープン
  • 店名は「ザ・ブルー・ボックス・カフェ」
  • 食器や革製品などを扱う本店の4階
  • 商品の包装や広告で使われる淡い青「ティファニー・ブルー」で内装を統一
  • オードリー・ヘップバーン主演映画「ティファニーで朝食を」の題名を想起させる
  • クロワッサンやフルーツなどの朝食は税抜き29ドル(約3300円)
  • ランチ(39ドル)やティーセット(49ドル)なども提供 
  • ティファニー本店は、トランプ・タワーに隣接
  • 厳重な警備のあおりで、客足が遠のき、業績にも影響
  • 年末を控え、改装で巻き返しをはかる

となっています。この朝日新聞の記事は、よくまとまっていると思いました。

 

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弁理士試験に合格した、29年前に、弁理士関大会から、合格祝いにパーカーの万年筆をもらいました。パーカーというと、当時は、大阪地裁の大江裁判官のパーカー判決が有名で、いろんなところで商標の説明をするときに、パーカーの万年筆をもっているのは、非常に便利だったのを覚えています。

 

ティファニーは、色の商標の説明のとき、いつも出てきます。単色で、商標としての機能を果たす、数少ない商標(ブランド)です。残念ながら、ティファニーの製品は持っていないのですが、興味を持ってこのブランドを見ています。

 

同じ話題のNew York Timesの記事もありました。www.nytimes.com

ニューヨークタイムズの記事ぢは、映画では、オードリーヘップバーンが、朝イエローキャブからおりて、ティファニーのショーウィンドーをぶらつき、クロワッサンとカップのコーヒーを持っているシーンがあるが、残念ながらそれはビルの外だったという描写から始まります。

検索したところ、そのシーンがYouTUBEにありました。

 

 


Breakfast at Tiffany's Opening Scene - HQ

ヘップバーンの持っているコーヒー、今のスターバックスと同じようにキャップが付いています。

 

ニューヨークタイムズの記事からの他の情報としては、

  • このカフェの窓からは、ニューヨークの人気の目的地がよく見える
  • ティファニーブルーの色の名前は、robin's-egg blueという。コマドリの卵の青という意味ですが、調べてみたら本当にコマドリの卵はティファニー・ブルーでした。
  • brick and mortar locationの伝統的小売業は、オンラインの競争業者に顧客を奪われているが、ティファニーは、最近、マンハッタンのロックフェラーセンターやグランドセントラル駅の近くなどに、店舗をオープンし、宝石、家庭用品、小物などを置いている
  • ティファニーの部門責任者いわく、このカフェは「新しいティファニーの窓として、実験の場所であり、経験の場所である」

ティファニーのWebサイトを見ていると、家庭雑貨や、メンズアクセサリーの財布やボールペンなども販売しているようです。Francfrancや、Afternoon Teaの状態です。時計程度なら分かりますが、ここまで商品レンジを広げてよいのか?と思うようなブランド拡張です。ただし、値段は結構しますので、ブランド力は維持できるのかもしれません。

また、カフェですが、カフェを併設した店舗を主要都市に配置することは、非常によりイメージづくりになります。対オンラインを考えると、カフェのようなリアルな体験のできる拠点は、必要なことだったのかと思います。

www.tiffany.co.jp

「からやま」と「からよし」

仮処分の差止請求

2017年11月16日の朝日新聞の電子版で、とんかつ専門店の「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングスが、大手のすかいらーくに対し、から揚げ専門店の看板などの表記を使わせないよう求める仮処分を東京地裁に申し立てたというニュースがありました。

「かつや」は近年大成功した業態ですが、から揚げが次の主戦場になっているようです。

www.asahi.com

記事によると、

  • すかいらーくのから揚げ専門店の看板やメニューが、アークランドが開発した新業態のから揚げ専門店と酷似
  • アークランドは2014年から、から揚げを扱う新業態として「からやま」を展開
  • 10月末現在、首都圏や愛知県、海外などに28店舗
  • 白地に黒のひらがなで店名を表現した看板が特徴
  • すかいらーくも今年10月、から揚げを扱う専門店「からよし」を出店
  • 3店舗目は「から好(よ)し」の店名
  • アークランドは「からよし」などの看板が「からやま」の色使いや字体と似ていて、「お客さまが混同する」と指摘し、不正競争防止法違反と主張
  • 同社は定食メニューも酷似していると主張
  • 「からやま」の「からやま定食」はから揚げ4個、5個、6個入りの3種類。「からよし」の定食も、から揚げを4~6個から選べて価格も同じ
  • 「からやま」はイカの塩辛や大根の漬物をテーブルに常設し、客が自由に食べられる。「からよし」なども同様
  • アークランドは「明らかに模倣している」として、提訴も検討中

このようなニュースです。

 

私は行ったことがないのですが、実際の定食の内容がよくわかるブログがありました。

kabumatome.doorblog.jp

 

コメント

とんかつの「かつや」は知っていましたが、から揚げの「からやま」は知りませんでした。

2017年1月に、大阪の京橋に単身赴任していたときに、明太子で有名な「やまや」が京橋のガード下で、お昼にから揚げ定食を出していて、いつも満員なのは見ていたので、知っていました。こちらは、明太子と高菜が食べ放題です。

tabelog.com

 

さて、本題に戻って、「からやま」「からよし」の件は、仮処分案件ですが、今回は、アークランドサービスホールディングスが、ニュースリリースまで出しています。東京証券取引所の適時開示がされています。売上等に影響が大きい仮処分ということだと思います。

 

名称だけでみると、商標の類似という狭い話になり、非類似でお仕舞いですし、看板も白地に黒でとか、ひらがなでといっても、難しいと思います。

 

メニューも、唐揚げは唐揚げですので、似たり寄ったにはなります。しかし、定食の構成や、無料で大根の漬物とイカの塩辛というところまでまねると、ここまでまねるのかとアークランドが怒るのもの分かります。

 

特に、すかいらーくは大企業ですので、資本力によってあっという間に、現在28店舗の、からあげ専門店業界TOPの座を、ひっくり返すことは十分可能と思います。

 

コメダ珈琲のケースでは、店舗外観、メニュー構成が良く似ており、フランチャイズになるならないといった経緯もあり、東京地裁で和解となったのだと思います。nishiny.hatenablog.com

 

本訴の提起もありえるでしょうが、どこかで和解するとして、双方納得のいく、あるいは、社会が納得する和解案は、メニュー構成の変更や、無料の大根の漬物やイカの塩辛を、別のものに変えるという点なんでしょうか?

今回の話は、トレードドレスというよりは、大昔からある議論である、料理に特許が与えられるのか?、というのが、知財の議論の本質に、一番近そうです。

 

もう一つは訴訟戦略です。

すかいらーくも大企業ですので、仮処分や訴訟を起こされたぐらいでは、驚きはしないと思いますが、フランチャイズ化をしようとするなら、仮処分や訴訟でケチのついた状態では、フランチャイズに支障がでるような感じもします。

 

そうなると、仮処分や訴訟を活用した、アークランドは、ある意味、目的達成となります。これも一つの知財戦略・法務戦略だと思います。

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

行ってきました(落語)

庚寅長月の会 戸塚講演

2017年11月12日の日曜日の午後13:30-~15:30ごろまでですが、近くの戸塚さくらプラザホールで、開催された5名の落語家の会に行ってきました。

totsuka.hall-info.jp

 

落語を聞くのは、1月に大阪の天神橋の繁昌亭に行って以来です。と言っても、寄席に行ったのは繁昌亭がはじめてでした。

 

今回は、家の近くでやっていたので、当日申込で、一人でぶらりと行きました。チケットは、横浜市民は2000円ですが、400名以上入る会場が満席です。客層は、平均年齢70歳以上という感じです。

繁昌亭は、40歳代~50歳代が中心でしたし、デートで来ているような若い人も多かった記憶があり、東京の寄席でも、大阪の繁昌亭と同じぐらいの客層と思います。しかし、戸塚は、住宅地でしたので、お年寄りが多かったのだと思います。

 

出演者は、三遊亭鬼丸、蜃気楼龍玉、林家きく麿、入船亭扇里、柳谷小せん、というメンバーでした。残念ながら、名前を知っている方ではなかったのですが、写真を見た段階で面白そうだなと直感できるメンバーでしたので大丈夫です。

 

はじめに、アイスブレークとして綾小路きみまろさんのように、年寄をからかう自虐ネタから始まりました。これがなぜか年寄には受けるのです。

 

5名いますので、元気のいいネタ、色っぽい話、まじめな落語、色ありました。休憩を入れて、合計3時間弱ですので、一人、30分程度は話されていたのだと思いますが、そんな感じはありません。あっという間に終わりました。

 

それまで落語というと、大阪出身ですので、子供のころテレビでよく見ていた、米朝松鶴や仁鶴や枝雀といった上方落語が中心です。

この10年程度、飛行機で東京大阪を往復することが多かったので、機内で音楽の代わりに落語を聞くことも多かったように思います。

立川談志のCDを聞いていたこともあります。

 

そのようなテレビやCDといったメディア系のものと、実際の寄席やライブの違いは歴然ですので、次は、是非、上野などの寄席に行ってみようと思います。

 

実は、東京の落語にはちょっと苦手意識がありました。チャキチャキの江戸っ子弁というか、東京弁というか、言葉の問題です。

単なる発音、イントネーションの違いを超えた、文化の違いなのだと思いますが、江戸落語には苦手意識がありました。

 

しかし、それは杞憂でした。この5名の落語は大丈夫でした。聞くと、5名の中には長野県や九州出身者もいるということで、これなら、大丈夫です。食わずぎらいは駄目ですね。

 

ちょっとした落語解説もあり、落語を見るのは頭をつかうので途中に色物で紙切りやマジックがあること、落語家人口が逆ピラミッドになっており、所属の落語協会では、前座30名・二つ目50名・真打210名など、面白い話もありました。

弁理士試験の合格発表

今年は255名が合格

所属する西日本弁理士クラブから、合格祝賀会の連絡が来たので、その時期だと分かりました。

合格者の皆さん、おめでとうございます。お疲れさまでした。

合格発表自体は、特許庁のWebサイトにありましたが、統計データは経済産業省のWebサイトに出ています。

www.meti.go.jp

2017年の結果は、

  • 志願者数4,352人(前年度4,679人)
  • 受験者数3,912人(前年度4,211人)
  • 受験率(受験者数/志願者数)89.9%(前年度90.0%)
  • 合格者数255人(前年度296人)
  • 合格率(合格者数/受験者数)6.5%(前年度7.0%)
  • 合格者平均受験回数4.2回(前年度4.4回)

とありました。

 

合格者の内訳としては、

  • 年齢別
    20代:20.8%、30代:46.7%、40代:23.1%、50代:8.2%、60代:0.4%、70代:0.8%
    最年少20歳、最年長71歳
  • 職業別
    会社員:52.5%、特許事務所:31.8%、無職:6.7%、公務員:2.7%、学生:2.4%、自営業:0.8%、法律事務所:0.8%、その他:2.4%
  • 男女別
    男性:72.9%、女性:27.1%
  • 出身校系統別
    理工系:78.8%、法文系:15.7%、その他:5.5%
  • 受験(免除)種別
    短答受験者:25.9%、短答試験免除者:63.9%、筆記試験免除者:8.2%、工業所有権法免除者:2.0%

とあります。

コメント

最近の受験制度や合格者数など十分理解していないのですが、一時は、1万人受験して800名が合格するというときもありましたので、受験者も合格者もだいぶ減ったなと感じます。

 

以前の、合格率3%の弁理士試験が優秀な弁理士を生むためのシステムとして機能していたのかは不明ですが、資格試験は合格率が低い方が難しいとされ権威がありました。当時(30年前のことですが)、3%台の司法試験や弁理士試験は難関に思えましたが、7%の行政書士は非常に簡単に思えました。現在の合格率は、6.5%ということで、昨年の7%より少し下がったようです。

 

自分が受験していた当時の記憶との対比なので、数字はアバウトなのですが、合格者の内訳で、20代が20%もいるのは、だいぶ違っています。当時、20代は数名でした。

 

男女比は、女性比率が格段に上がっています。当時は数名でした。

 

法文系と理工系の比率はこんなものかと思います。

 

多肢選択式試験の免除は、知財学部の大学院と制度変更のようです。

 

一番の注意を引いた違いは、特許事務所勤務より、会社勤務が多い点です。これは、資格試験としては、だいぶ奇妙な状態です。当時は、6~7割程度が、特許事務所勤務だったように思います。そもそもが、開業向けの資格ですので、この比率は、ひっくり返らないとおかしいようにおもいます。

 

弁理士の数が多すぎることもあり、価格破壊が起こっているのですが、給与水準が企業に負けているようです。仕事は企業の方がバラエティがありますので、弁理士や志願者が企業に流れているように思います。

 

また、単純に、知財業界で働いているの数が反映している面もあります。知財協会加盟各社の知財担当者を合計すると、10万人と聞きました。特許事務所が何軒あるのか数字はありませんが、1万人の弁理士の8割が特許事務所にいるとして、そして、8000人のサポートをしていただく人が弁理士一人に各3名いると仮定して(4名でワンチームのイメージ)、合計3万2000名となります。この数字の差が反映したものでもあると思います。

 

ただ、方向性としては、先行技術調査や発明発掘、ライセンス交渉など、企業は企業ですることがあり、明細書作成や外国特許事務の内製化に有為な人材をあまり配置しない方が健全と思います。

 

ちなみに、先日、商標・意匠のBrexitの関係で、英国の商標弁理士会(CITMA)のWebサイトを見ていると、メンバーは1500名とありました。一方、英国の公認特許代理人協会(CITA)のPatent Attorneyは2000名で、その他の人を入れて、合計3500名のメンバーとありました。

これらの団体が、日本の商標協会のような任意団体なのか、日本の弁理士会のような加入がないと活動できないものなのかは不明なのですが、参考数値です。

そもそも、弁理士という制度は英国発のものなので、もう少し勉強しておきます。

About CITMA

About us | Chartered Institute of Patent Attorneys

 

東芝のテレビ撤退

ハイセンスに決定

東芝がテレビ事業から撤退するということになったようです。Yahooニュースに記事がありました。時事通信の配信です。

headlines.yahoo.co.jp

  • 東芝は、テレビ事業の全額出資子会社、東芝映像ソリューションを中国の海信集団(ハイセンス)に売却する契約を締結
  • 来年2月末にも東芝映像の株式の95%を約129億円で売却
  • 債務超過である東芝映像の財務状況を勘案すると、売却益は約250億円
  • 東芝は2015年12月に海外のテレビ事業から撤退。国内に絞ったが、赤字が続き
  • 東芝はブランド使用権をハイセンスに供与
  • 「レグザ」の商品名でテレビの生産・販売を続ける
  • 中間決算の会見で、テレビとパソコン(PC)について、事業撤退を含め検討すると表明していた

とあります。

 

コメント

サザエさんのスポンサー撤退が、最近のニュースでしたが、そのときから、テレビとPCの撤退は言及されていたので、ついに来たかという感じです。残るはPCです。

 

時事通信の記事からですが、ハイセンスは、日本でTOSHIBAブランドを使えるようです。最近、家電量販店では、ハイセンスブランドのテレビも良く見ますので、将来的には、Hisenseに移行するとするのか、HisenseとTOSHIBAの2本だてで行くのか、どちらも可能性があります。

中国に行くと、ホテルにハイセンスのテレビがあることが多く、つけると「ハイセンス」という音声が流れます。ブランドをバッジではなく、音で刷り込む戦略のようです。

ちなみに、2017年11月15日の朝日新聞には、ハイセンスは北米で、シャープのテレビの使用権を持っており、市場シェアを狙っているとありました。

 

すでに、東芝白物家電は、ハイセンスではなく、美的集団(Midea)に事業譲渡しています(東芝ブランドのライセンス付き)。テレビは、4月の段階では、トルコのVestelか中国のハイセンスかどちらになるかという話でした。折角なら、どこかに一元化した方が、ライセンス先が減りますので、管理が行き届きやすいのですが、美的集団(Midea)は、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどの生活家電ということですので、致し方ないというところでしょうか。

 

nishiny.hatenablog.com

 

先日のサザエさんのニュースのときに、ブランドライセンスが、ブランド露出量の多い家電になり、対象が日本市場になるときは、広告のコントロールが非常に重要で、今後のブランドライセンス契約での重要部分となりそうだという書きました。

その広告コントロールの対象となる、主力の家電製品の対象会社が2社あるとすると、TOSHIBAブランドのブランドイメージが拡散が心配になります。

できれば、日本に、宣伝の機能子会社でも作り、宣伝する場合は、そこを通すことなどしたいところですが、そこまで要求できないとすると、どのようにチェックを効かせるのか、興味深いところです。

 

参考になるのは、Philipsの撤退事業向けのブランドマネジメント子会社だと思いますが、東芝ですので、東芝らしい、良い方法を編み出しているのではないかと思います。

Philipsのブランドマネジメント子会社の研究など、大学の経営学部などでやれば良いと思いますが、大学の先生でこのあたりに感心を持っている方を、あまり聞きません。海外の大学の先生では、研究されている方がおられるのでしょうか?

 

M&Aとブランドライセンスとブランドマネジメントに絡む話は、昔から、現実には沢山あります。

案外、オープンになっており、新聞にも良く出ているような話なのですが、実務で参考になるような、企業が判断するときの指針となるようなまとめが欲しいなと思います。

 

nishiny.hatenablog.com