Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

五輪記念貨幣の偽物

販売目的所持で逮捕

2018年1月9日付の日経夕刊に、2020年東京五輪パラリンピックの記念貨幣の偽物を販売目的で所持していたとして、会社員が商標法違反の疑いで逮捕されたという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 逮捕容疑は、記念硬貨に酷似したロゴマークの入ったメダル2枚を販売目的で所持した疑い
  • 自宅から偽物数十枚が押収
  • 中国から仕入れたものと考えられる

というような記事です。

 

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五輪記念の貨幣は貨幣ですので、その偽物は、商標権侵害ではなく、通貨偽造罪や偽造通貨行使等罪になるのではないかと思いました。

 

でもよく読むと、メダルとあるので、デザインだけ2020年五輪・パラリンピックの貨幣の真似をしているようですが、通貨とは言えないもののようです。

 

日経のWebサイトにデザインが掲載されています。デザインをみたところ、金額が書いていないので、通貨ではなく、通貨偽造罪や偽造通貨行使等罪は無理です。

五輪マークや、東京の大会ロゴがあるので、この商標権侵害となるということのようです。商品分類の第14類「貴金属」の「メダル」について、これらの商標登録があるんだろうと思います。

 

ネットオークションで販売していたということですが、それほど沢山売れて儲かるものでもないように思います。

 

自分でメダルを作るというのは大変ですが、販売されているものを買ってきて、ネットオークションで販売するのは比較的簡単です。本人は偽物という認識はなかったということですが、どうなるのでしょうか?

 

写真を良く見ると、平成32年と書いてあります。平成は31年までですので、ここは偽物感が出ています。

このメダル、昨年もニュースになっていたようです。

東京五輪の偽記念コインを販売して逮捕の日本人男「中国のネ...|レコードチャイナ

東芝の白物家電

美的集団の傘下で攻め

2018年1月14日の日経に、東芝白物家電事業が中国の美的集団の傘下になり、好調であるという内容の記事がありました。

www.nikkei.com

  • 東芝白物家電が復活の兆し。美的の支援で攻めに
  • 2017年12月期は、2500億円。2018年12月期は、黒字転換
  • 部品の共同調達、設計や製造の相互融通が功奏。コスト削減
  • 美的は基本機能に絞って価格を抑えた家電が中心
  • 東芝ブランドをグループの最上位品と位置づけ。美的ブランドとすみ分け
  • 美的の新設するインド工場で東芝ブランド製品を生産
  • 美的からOEMを受けた製品を東南アジアで販売
  • 美的の生産拠点、販売網を生かす
  • 米中摩擦が新たなリスク

などとあります。

 

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このブログの過去記事の検索をしてみると、テレビやパソコンについての過去記事はありましたが、白物家電を直接的に扱ったものはありませんでした。

東芝白物家電は、美的集団(Midea/マイディアと読むようです)に、株式譲渡されており、白物家電東芝ライフスタイルの80.1%を美的集団が持ち、東芝は残りの19.9%の株主ということです。

ある程度の保有株数はありますが、20%を切っているので、持ち分法適用会社ではありません。

 

今回はTOSHIBAブランドを高級ブランドと位置付けてくれているようです。

 

白物家電TOSHIBAブランドのライセンスは、2016年から40年とあります。

東芝:ニュースリリース (2016-03-30):東芝と美的が東芝の家庭電器事業の譲渡に合意し、戦略的パートナーシップを強化

 

復活の兆しとあるので、これはこれで良いニュースだと思いました。

 

PCは、Dynabook株式会社になるのでよいとして、テレビは海信集団(Hisence)に東芝映像ソリューション㈱の95%の譲渡です。

東芝映像ソリューション株式会社の株式譲渡について|東芝映像ソリューション株式会社

TOSHIBAブランドのライセンスは、こちらも40年です。

東芝テレビを買収、ハイセンスはグローバル展開を加速 | ハイセンスジャパン株式会社

 

東芝本体に残ったインフラ系のビジネスはだいぶ違うのですが、テレビと白物家電は販売ルートも同じですし、ブランドイメージも近いので、親会社が異なることによる弊害は生じないか心配があります。

そこを、東芝の本体が間に入って調整する(TOSHIBAブランドの価値の維持の観点で)のか、あるいは、それは最低限になっており、東芝ライフスタイル東芝映像ソリューションが相互に連携を取るのか良く分かりませんが、何らかの連携が必要なように思います。

 

日本でもライセンス時に、誤認混同が生じるどと商標権の取消になりますが、第三者の商標との誤認混同で、取消された例は複数ありますが、アメリカのQuality controlが守ろうとしている、品質管理の不実施で取消された例がありません。

商標とQuality controlと切れていることは、日本の商標管理の欠点の一つです。TOSHIBAの事例で何か出てこないかと思っています。

 

双方、40年というのは、長い期間です。22歳の新入社員が62歳になり、定年退職するぐらいの期間です。その時、意思決定に関与した人は、既にいません。

その時に、美的や海信が、TOSHIBAブランドを更に継続して使うのか、そもそも、この2社が各々の親会社にマージされてしまっているのかよく分かりませんが、TOSHIBAブランドは、どうなっていくのかなぁと思います。

 

知財の国際収支

総務省の科学技術研究調査

2018年12月17日の日経に、知財の国際収支が10年で3.3倍になったという記事がありました。財務省国際収支統計の「1~6月」の「知財等使用料」の話です。

また、総務省の科学技術研究調査の2018年調査で、その内訳があるという記事です。

www.nikkei.com

記事では、

  • 子会社からの受け取りが、全体の75.3%で、2兆9232億円と10年前の1.6倍に増えている
  • 他社からの受け取りは、9611億円にとどまる
  • 子会社からの収入が増えたのは自動車
  • 「輸送用機械器具製造業」は、全体の6割の収入を占めるが、その87.5%が海外子会社からの収入
  • アジアなどの海外で工場から
  • 他社からの収入が多いのは、医薬品(収入全体の49.6%を占める)

とあります。

 

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総務省の科学技術研究調査は、こちらから見れます。2018年調査(平成30年)ですが、内容は2017年(平成29年)のものです。

総務省|平成30年科学技術研究調査結果

https://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/kekkagai/pdf/30ke_gai.pdf

 

知財の中でも、特許権とノウハウなど技術の提供や受け入れの統計とあります。

  • 技術輸出の受取額は3兆8844億円
  • 前年度に比べ8.7%増
  • 2年ぶりに増加
  • 海外の親子会社からの受取額が2兆9233億円(受取額全体に占める割 合75.3%)
  • 技術輸入の支払額は6298億円で、前年度に比べ39.1%増
  • 2 年ぶりに増加
  • 海外の親子会社への支払額が2428億円(支払額全体に占める割合38.6%)
  • 技術貿易収支額は3兆2546億円で、前年度に比べ4.3%増
  • 2年ぶりに増加

これを見ると、収入はあまり増えていませんが、支払いが39.1%と非常に大きく増えています。海外の親子会社(親が多いと思いますが)への支払額は、全体の38.6%とありますので、約6割はそれ以外です。

対外支出が増えているのは、何が理由なのかなと思います。

 

また、技術貿易額は、

  • 受取額はアメリが最も多く、受取額は 1兆2779億円(受取額全体に占める割合32.9%
  • その他、中国が5067億円(受取額全体に占める割合13.0%)、タイが3338 億円(同8.6%)、イギリスが2627億円(同6.8%)
  • 支払額はアメリが多く、3941億円(支払額全体に占める割合62.6%
  • そのほか、ドイツが890億円(支払額全体に占める割合14.1%)、スイスが371億円(同5.9%)、イギリ スが238億円(同3.8%)などが多い

とあります。

収入についても、アメリカが一番なんですね。自動車ですね。世界の工場である中国の収入、以外と少ないのですね。これも自動車が理由でしょうか?

支払い額が多いのは、アメリカなのは頷けます。ドイツ、スイス(医薬でしょうか)も分かります。

 

技術輸入の支払額が、39.1%増加しているのも、アメリカ抜きでは、これほど増えないと思います。

より細目が知りたいなと思いました。

有意な数字ですが、新聞には解説がありませんでした。

  

nishiny.hatenablog.com

 

小売店の多言語対応

多言語対応協議会のガイドライン

2018年12月20日の日経に、2020年東京五輪パラリンピックで来日する外国人向けに、小売店が提供するサービスを分かりやすく表示するためのガイドラインが発表されたという記事がありました。

特に、新聞では、特に、ピクトグラムが紹介されています。

www.nikkei.com

  • 観光庁の調査では、コミュニケーションで困った場所は、飲食店、小売店が44%
  • 多言語対応協議会が、ガイドラインを作成
  • ピクトグラムなどの店頭表示では、多言語通訳コールセンターへの問い合わせが多かった免税条件を示すピクトグラムを追加
  • その他、ガイドラインでは、接客方法や多言語での商品情報提供なども示す

とあります。

 

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ガイドラインは、下記から入手できました。

協議会について | 2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会 多言語対応に向けたポータルサイト

 

小売業の多言語対応ガイドラインは、下記です。

https://www.2020games.metro.tokyo.jp/multilingual/council/pdf/retailpt_20181220.pdf

 

多言語対応協議会は、2014年3月からスタートしていたようですが、小売り店のことは後回しになっており、2017年から検討し、2018年12月にガイドラインの初版を発行したとあります。

ただ、このガイドラインは、東京・五輪パラリンピック後も使うことを想定しているとあり、今後も、改訂をしていくようです。

 

桜のマークに、Japan.Shopping!というアイコンが、ピクトグラムのシンボルで、各ピクトマークは、サイトからダウンロードして、適宜アレンジして、使うようです。日本の小売りの現場で、これらのピクトグラムを見ることが、増えそうです。

 

店頭のピクトグラムは、新聞ではアイキャッチがあり、紹介しやすいので、これが全面に出ていますが、ガイドラインを見てみると、接客一般に応用できるものになっています。

 

特に、英語、中国語、韓国語で、基本的な接客用語(ようこそことば)を、説明しているページは、参考になりそうです。このページは、良いなと思いました。英語はまだしも、中国語、韓国語も対応しないといけないとすると、店頭スタッフも、大変だなと思いました。

亡くなった祖母が昔お店をしていたとき、進駐軍が来て(2020年の75年前ですね)、米兵に片言の英語で接客をしたと言っていたことを思い出しました。

楽しい思い出のようだったので、今回の多言語対応も、楽しみながらやらないといけないところでしょうか。

welcome.japan-retail.or.jp

 

免税条件を示すピクトグラムが追加されたと新聞にありますが、ガイドラインを眺めていると、店頭での、税込価格(Tax included)、税抜価格(Without tax)、税額(Tax amount)という表示の例もありました。

税金は、質問が多そうです。

 

その他、QRコードや、ICTを利用した商品情報の提供、通訳ソフトや通訳機、通訳サービスなど、最新の技術やサービスが紹介されています。

情報がてんこ盛りな感じです。

 

社内の各協議会の担当者から、情報が下りてくるのだと思いますが、ピクトグラムの決定、店内への掲示や、接客外国語の研修開催など、後一年半ですので、待ったなしだなと思いました。

 

最近、新幹線だったか、ローカル線だったか忘れたのですが、通勤電車の車掌さんが、日本語の案内に続けて、録音ではなく、自分の英語で行先案内をされていました。

まるで飛行機のキャプテンのようです。進んできたなと思いました。

西武・そごうの広告の意図

そうなんだ

2019年1月7日のJ-castニュースに、正月の西武・そごうのパイを投げつけられる広告についての解説記事がありました。

www.j-cast.com

 

この広告は、日経と朝日新聞に掲載されていました。暴力的、悪意を感じるという批判があったようです。

 

さて、J-Castニュースは、西武・そごうに制作の意図を確認しています。

それによると、

  • そごう・西武は、2017年から『わたしは、私。』というメッセージ広告を発信
  • 同質化圧力から脱却し、私らしく生きることを応援するという意味
  • 今回のメッセージも、同様の考え
「さまざま制約の下でも、ご自分らしさを全うするために奮闘される女性や、それに共感するすべての方々を応援していきたいというメッセージを込めて発信させていただきました」

 

とあり、表現については、

 

「『わたしらしさ』を貫くために、立ち向かう女性を、演出上の『たとえ』としてパイ投げで表現しましたが、これについて、ご不快な思いをされた方については、心よりお詫びを申し上げたく存じます」

とあります。

 

コメント

表現に関しては謝罪をしていますので、それ以上の反応はないようです。

現時点でも同社のWebサイトに掲載されています。

わたしは、私。 | 西武・そごう

 

制作のポイントは、さまざま制約の下でも、自分らしさを全うするために奮闘される女性や、それに共感するすべての方々を応援していきたいというメッセージであるとあります。

 

30年前を考えると、女性は深夜残業も禁止されていましたし、鉄道の仕事など24時間勤務の仕事には、つく事さえできませんでした。今は、女性の車掌さん、運転士も沢山います。

男性、女性関係なく、社会の荒波に遭遇こともあるでしょうしし、そういうことを表現しているんだろうなとは思いました。

 

コミュニケーションの部署にいたときは、合計で、3名の女性の部下になったことがあります。女性が相当苦労している姿も見ているので、このビジュアルは、あまり違和感なく受け入れました。

 

3段落の説明文のコピーがありますが、このコピーとの兼ね合いが、微妙だったんでしょうか。

 

しこし、この3段の説明文がなく、最後の「わたしは、私。」だけであったとしたら、また、これはこれで何を言っているのか、分かりません。

 

女性躍進という掛け声だけではNGという前説があり、ビジュアルで、既に男女の差の社会が現実になっている面があり、それを最後の「わたしは、私。」の男女差のない状態を示すコピーで締めるという一連の流れが必要だったのかもしれません。

 

2017年からシリーズで「わたしは、私。」をやっているとありますので、先にコピーや考え方があり、それいに見合った、多少きつい表現のビジュアルをつけたという感じでしょうか。

 

ちなみに、論点は、全く違うのですが、今回のパイの広告では、クリームについては、脚注で

※食用ではない特別なクリームを使用しています。

 と説明書きがついています。このディスクレームでは、食べ物を粗末にしてはいけないということの他、この広告は、色々配慮しているということは伝わります。

 

まあ、話題になったということで、広告としては、成功ということでしょうか。

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

TOYO TIRE

東洋ゴム工業㈱からTOYO TIRE㈱へ

正月広告にもあった件ですが、東洋ゴム工業㈱がTOYO TIRE㈱に社名変更したようです。

詳しくは、同社のリリースにあります。

www.toyotires.co.jp

  • 東洋ゴム工業株式会社→TOYO TIRE株式会社 (※All Capsです)
  • 英文社名:Toyo Tire Corporation (※Cap &Lowです)
  • 社名にTIRE(タイヤ)と掲げる唯一の国内メーカーとなる
  • モビリティ・ビジネスを事業経営の中核に据える
  • フォントは、洗練されたモダンな「Avenir (アベニール)」を使用
  • Avenirはフランス語で「未来」を意味
  • 社名ロゴのフォントの「O」は正円な字体を採用

とあります。

 

コメント

ブランド名の「TOYO TIRES」に、社名を合わせ、顧客の認知の差を無くす方法で、コーポレートブランド戦略として、よくあることです。

 

今回の社名変更は、英文字社名にしてますが、これも、SUBARU等で一般的になってきました。

一時は、ブランド名に合わせる戦略を取っても、日本語社名はカタカナ社名という会社が多かったですが、もう、英文字社名の時代という感じがします。

 

ロゴは、下記です。 

f:id:yoshikeke:20190111053743p:plain  f:id:yoshikeke:20190111053757p:plain

 

社名ロゴですが、「O」を正円にしたり、フォントにも、こだわりがあるようです。

コカ・コーラのように、ブランドロゴと社名ロゴを合わせる方法もありますが、基本はブランドロゴでのコミュニケーションで、社名ロゴは必要に応じて使う程度なのだと思いますので、このようなスッキリした、シンプルな社名ロゴが、良いんだろうなと思います。

 

今の会社法のルールでは、仕方がないのですが、「TOYO TIRE」の部分が英文字で、「株式会社」の部分が漢字なのは、やはり違和感があります。

現実には、日本の中でも、公的な書類には、日本語社名の「TOYO TIRE株式会社」を使い、法的でない広告やWeb siteなどには、英文社名の「Toyo Tire Corporation」が使われることが多いのではないかと推測しました。

 

ちなみに、当然ですが、「Toyo Tire Kabushiki-Kaisha」とするのは、長いですし、レトロな感じがしますので、英文社名を、「Toyo Tire Corporation」とするのは自然です。

 

一点、日本語社名の英語表記が、All Capsであるのに対して、英文社名は、Cap&Lowなのは、どうしてかなと思います。

社員や取引先が混同してしまい、使用において支障がでないか心配します。

ブランドロゴと区別するためにも、日本語社名は「Toyo Tire株式会社」で、良さそうですが、日本語社名は、力強さを重視したのだと思います。

 

 

本当は、会社法を改正して、Toyo Tire Corporationなどの標記も、正式な社名表記と認めるべきではないかと思います。

英語社名を認めた段階で、いつかは、こうなる運命だったのではないでしょうか。

 

もう一つの気付きは、ブランド名が、「TOYO TIRES」と複数形になっているのに、社名は単数形の「TOYO TIRE㈱」となっている点です。

これは、どういう理由があるのでしょうか?

 

最後に、これにより、同社は、社名に「TIRE(タイヤ)」を入れた、唯一の国内タイヤメーカーとなったという点です。

ブリヂストン住友ゴム工業と確かに、「TIRE(タイヤ)」は入っていません。以前は、「オーツタイヤ㈱」がありましたが、住友ゴム工業に吸収合併されてから、国内ではないようです。

 

特許庁長官の年頭所感

商標の審査促進

2019年1月4日付けで、特許庁のWebサイトに、特許庁長官の宗像さんの年頭所感が出ています。

2019年 年頭所感 ~特許庁長官 宗像 直子~ | 経済産業省 特許庁

 

中小企業支援、ベンチャー企業支援、デザイン経営というところが、目立ったところでしょうか?

特に、中小企業支援は驚きです。

今年4月から、全ての中小企業を対象に、特許料金を一律半減します。軽減手続には、定款や法人の登記事項証明書などの証明書は一切不要とし、抜本的に簡素化します。

中小企業の特許料金の半額化がメインですが、インパクトがあります。大企業の出願比率が高いので、実際の特許庁の収入にはそれほど影響しないと思いますし、将来、中小企業のビジネスが成功するなら、国家全体として十分ペイできるということなんだと思います。良さそうな施策です。

ただ、この短い年頭所感だけでは分からないのですが、外国企業はどうなるのか?と思いました。外国の中小企業も日本に特許出願することはありますが、これは対象外になるのでしょうか?

また、定款や法人の登記事項証明書などを不要にすることは、この軽減措置だけのものか、一般的なものか、どうなんでしょうか? 

 

デザイン経営については、

特許庁にデザイン経営を取り入れ、ユーザー目線で行政サービスの在り方を変えていきます。昨年8月、デザイン統括責任者(CDO)とデザイン経営プロジェクトチームを庁内に設置したところです。ユーザーの皆様の声を基に素早く施策の原案を作り、議論を行い、速やかに実施し、継続的に見直し・アップデートをしてまいります。

 とあります。

 

デザイン経営という言葉で、デザイン系の人が活躍しているようですが、一般企業であれば、CSなり、経営品質なり、ブランディングで整理しているような気がします。なぜ、デザイン経営?という気はします。

 

さて、商標については、

迅速な商標審査は、訪日外国人のインバウンド消費の鍵です。日本で買い物をする理由を尋ねた中国のアンケート調査では、半数近くが「ニセモノでないから」と答えています。一方、ニセモノの輸入差止件数は前年比で約2割増加しています。商標は出願しただけでは取締りを行うことが出来ません。登録されていることが必要です。こうした中、商標出願件数はこの5年間で1.6倍に増加し、審査期間が長くなっています。より迅速な審査を行えるよう、審査体制を強化してまいります。

インバウンドの増加の理由が、日本には偽物が少ないためというのは、理解できます。そして、そのため、迅速な商標権の設定が必要であり、最近、出願が増加しているので、審査体制を強化すると続けています。

 

しかし、模倣品の少なさは、商標権設定の迅速化とあまり関係ない問題だと思います。昭和の後半の審査に数年かかっていた時期の方が、今よりも、もっと模倣品の流通は少なかっただめです。模倣品は特許庁の審査ではなく、流通の問題です。

最近、模倣品が増えているのは、ネット販売や個人輸入の増加といった点が、一番の問題ですので、この点は、商標審査につなげているのは、少し強引な感じがしました。

模倣品対策は、ネットの監視(システム的なところも多い)やクレーム処理方法、水際規制だと思います。

 

それはさておき、審査体制の強化は良いことですし、昨年からニュースなっていました。 

nishiny.hatenablog.com

 

通常、業務の効率化は、ITや制度仕組みの見直しを先行させますが、今回は、それを超えて、人の手当を行っている点が注目点です。

 

特許庁の商標業務というと、商標審査となりますが、それだけではなく、法改正、商品・役務の記載方法などの商標制度運用の見直し、そして、それらのみならず、模倣品対策、水際規制、海外の特許庁との交渉、ブランディング、などと商標審査官出身者が活躍できる業務が拡大しているように思います。

そうなると、審査官の増員か、審査の外注化は避けて通れません。

審査官の増員は簡単にはできませんので、外注化は時代の流れではないかと思います。

 

この審査業務の一部の外注化、業務委託は、実際どのようになるのでしょうか?

弁理士が誰でも参加できるオープンな制度になるのか、特定の外郭団体などの活用となるのか、まだ、良く分かりません。