Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ブランド・ジャパン2019

日本の今を表すブランド

2019年3月22日に、ブランド・ジャパン2019が発表されていました。

www.nikkei.com

  • 日経BPコンサルティングのブランドイメージ調査
  • 消費者が選ぶ強いブランドは、アマゾンが3年ぶりに首位
  • ユーチューブが前回調査の11位から2位に
  • 企業人が選ぶ強い企業ブランドは、トヨタ自動車8年連続で首位
  • 調査は今回で19回目
  • 一般消費者と企業人を対象にインターネットで実施し、約6万人から回答

とあります。

詳細は、日経BPのサイトである、CCL(Corporate Communication Lab.)にありますので、詳しくはそちらを見ていただく必要があります。

 

コメント

BtoC編とBtoB編の区分けは同じですが、BtoB編のタイトルが、有識者編となっています。有識者というとビジネスパーソンでも特別な人、たとえば大学教授などをイメージしてしまうので、ネーミングとしてどうかなという感じはします。

 

それはさておき、BtoC編は、

  1. Amazon アマゾン
  2. YouTube
  3. NISSIN 日清食品
  4. MUJI 無印良品
  5. Google
  6. TOYOTA トヨタ自動車
  7. ニトリ
  8. DAISO ダイソー
  9. SUNTORY サントリー
  10. Rakuten 楽天市場

となっています。一方、BtoB編は、

  1. TOYOTA トヨタ自動車
  2. HONDA 本田技研工業
  3. Disney ディズニー
  4. Rakuten 楽天
  5. SONY ソニー
  6. Nintendo 任天堂 
  7. STUDIOGHIBLI スタジオジブリ
  8. Panasonic パナソニック
  9. Amazon アマゾン
  10. Apple アップル

となっています。

ジブリって、英語で書くと「GHIBLI」になるんですね。

 

このランキングは、毎年、変化の激しいランキングです。

日本BPコンサルティングのサイトによると、このランキングは、二段階構成で調査をしていおり、まず、前年の9月に、ブランド想起調査をして、肯定的なイメージをもっているブランドを、12の分野で自由記入してもらう(純粋想起型、記憶探索型)ようです。

国内に流通するブランドの”今”を適正に評価測定しているとあります。

 

そして、11月にBtoCで1000のブランド、BtoBで500のブランドについて、本調査がされるとあります。

 

BtoC調査は、企業ブランド、商品・サービスブランドの双方をみて、BtoBでは、企業ブランド(企業名)のみを見ているとあります。

 

BtoC編であれは、1000件のブランドを、20ブランドづつ50組に分けて、各組で820人ほどが調査に参加して、点数化しているようです。

BtoB編は、500のブランドを、10ブランドづつ50組に分けて、各組で420人が参加しているようです。

統計的に、意味がある数字にしようとすると、このぐらいの規模になるのでしょうか。非常に大変な調査をしています。

 

そして、BtoC編なら、フレンドリー、コンビニエント、アウトスタンディング、イノベーティブといった切り口で、

BtoB編なら、先見力、人材力、信用力、親和力、活力といった切り口で、分析をしているようです。

調査結果は、膨大ですし、過去の蓄積があるので、個別に依頼すると、各種の分析ができるようです。

 

YouTubeや、ニトリダイソーが上位にいるのは、消費者編の特徴ですが、ビジネス編でも、ジブリが上位にいたりしています。

また、トヨタ楽天が双方にランクインしています。

このためでしょうか、両者にあまり差がないなというのが、素直な感想です。

 

今を切り取るために、その時々の事情に左右されるランキングですので、扱いの難しいランキングです。

流行は追えますが、これをベンチマークには、しづらいと思います。

ブランド調査などを自らあまりやっていない会社でも、分析が可能という意味で、良い調査ということでしょうか。

 

 

スポーツの愛称

柔道のゴジラジャパン

2019年3月19日の朝日新聞デジタルで、全日本柔道連盟が、柔道の日本代表の愛称を「ゴジラジャパン」とすると発表したという記事を見ました。

  • これまで、連盟は、海外選手の戦い方を分析するシステムを、「Gold Judo Ippon Revolution Accordance」(金・柔道・一本・革命・調和)で、通称「ゴジラ(GOJIRA)と呼んでいた。
  • これを知った東宝側から提携を提案
  • 今年末まで。延長はありうる
  • インパクトの強いゴジラのイメージキャラクターは、求心力に
  • ジャージーゴジラのイラストなど
  • 連盟の理事会は、賛成14反対8に割れた。最後は多数決
  • 礼儀正しさ、破壊のイメージに意見。2名の女性理事は反対

という内容です。

関連で、同日の朝日新聞デジタルには、日本代表や、リーグの名称について、リンクがあり、そちらは、

  • 野球とホッケーの日本代表が、ホッケーが2008年3月に「サムライジャパン」を商標登録し、野球が漢字の「侍ジャパン」と棲み分けた。
  • ホッケー幹部は、今さら、ケンカにならない。露出が違いすぎる
  • 女子サッカーは、「なでしこ」で、アテネ五輪向けに、2004年に一般公募し、現在では、リーグ名も「Lリーグ」から「なでしこリーグ」へ
  • ハンドボールの「ムササビジャパン」としていたが、女子代表「おりひめ」とつながりを意識して、「彗星(すいせい)ジャパン」に

とあります。

 

コメント

ニックネームは、難しい問題です。連盟や機構やリーグのようなところが、自らプロモーションするために、使用する場合は、商標登録への配慮が必要になります。

特に、有償のスポーツ興行の場合は、一つの事業となり、類似商品役務審査基準にも、「スポーツの興行の企画・運営又は開催」があります。

また、その愛称で、グッズ類を販売するなら、各グッズでの商標の手当が必要です。

ゴジラ」の場合、グッズを売ろうとすれば、東宝とタイアップしないと売れないといことは理解できます。

 

一方、誰か、第三者などから愛称がつけれて、それがマスコミを通じて拡散して、自然発生的に愛称となるケースがあります連盟や機構やリーグのようなところが関知しないところで、発生した愛称ですので、止めることも簡単ではないですし、下手に止めるようにすると、人気に水を差すようで、無粋になりますので、放置しておきます。すると、いつの間にか、その名称が確立しまったということも多いと思います。

 

そうなると、すでに、有名、周知になっているので、今更、権利があるからというだけで、権利者は、クレームはできません。

世の中で、商標権者が強いのか、周知・著名商標主が強いのか?というと、圧倒的に、周知・著名商標主が強いのです。

 

登録主義だ、なんだと言っても、周知・著名な商標に、もし商標権者がクレームしようものなら、社会が黙っていません。

 

そうはいうものの、事業を行うなら、権利確保が重要です。公的な、連盟や機構やリーグだから、先に権利者がいる名前でも、自由に採用できるという訳でもありません。

マスコミが勝手につけたようなものか(連盟等が決めたものか)、一過性のものか(永続的なものか)、収益事業か(無収入のものか)、グッズ類の有無、などから、総合的にみていくことになります。

 

J-pkat patをみると、ホッケーの「サムライJapan」と野球の「SAMURAI JAPAN」が並存登録されています。アサインバックでもしたのでしょうか?

アサインバックをしていないとすれば、すでに著名で混同が生じていいない等の、何か特別の判断があったのだと思います。

(商標権上は、朝日新聞にあるように、カタカナと漢字で棲み分けているのではないようです)

 

 

国際出願件数ランキング(特許と商標)

特許は華為、商標はノバルティスが一位

2019年3月19日の日経夕刊で、2018年の国際特許出願のランキングを見ました。

国際特許出願、アジアが初の5割超、中国がけん引 :日本経済新聞

  • アジアの国からの出願が5割超
  • 通信、人口知能で、中国に勢い
  • 1位は米国(56,142件、1%減)
  • 2位は中国(53,345件、9%増)、2年以内に米国を抜く予想
  • 3位は日本(49,702件、3%増)
  • インドは27%増

個別企業では、

大学では、

  • 米中大学が10位までを占める。阪大が11位

商標の国際出願件数は、6%増の61,200件で、

  • 国別では、米国、ドイツ、中国の順

意匠の国際出願件数は、4%増の5,404件

とあります。

 

コメント

●中国の勢いが止まりません。10位までに、

1位 華為技術(ファーウェイ)

5位 中興通訊(ZTE)

7位 京東方科技集団(BOE)

が入っています。

●また、韓国も元気です。

6位 サムスン電子

8位 LG電子

日本企業は、トップ10に、三菱電機だけなので、寂しいところです。

技術では勝てないので、商標や意匠で勝つことで、生きていく方法はあるのですが、各社ともなかなかそこまで割り切れていないのだろうと思います。

 

●特許は、海外が優位で、あまり面白くないので、WIPOの元ネタWebサイトで、商標や意匠を見てました。

https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2019/article_0004.html

https://www.wipo.int/export/sites/www/ipstats/en/docs/infographic_madrid_2018.pdf

出願人の国別ランキングでは、

  • 1位 米国(8,825人)
  • 2位 ドイツ(7,495人)
  • 3位 中国(6,900人)
  • 4位 フランス(4,490人)
  • 5位 スイス(3,364人)

国別の数字では、

  • 韓国が、+26.2%
  • 日本が+22.8%(2017年→2018年で、2,543件から3,124件へ)
  • 米国が+11.9%
  • トルコが+10.2%

です。日本は、国別では8位ですが、だんご状態ですので、この調子なら、来年にも、5位に躍り出そうです。

 

出願人別では、

  • 1位 ノバルティス(174件)
  • 2位 ロレアル(169件)
  • 3位 ダイムラー(129件)
  • 4位 アップル(87件)
  • 5位 ヘンケルAG(86件)

日本の出願人では、

です。資生堂任天堂は、グローバルTOP10 に入っています。

 

意匠のハーグシステムでは、

ドイツ、スイス、韓国、フランス、オランダの順であるが、オランダが+71.3%、日本が+52.6%と数を伸ばしているとあります。

 

やはり、日本の商標と意匠は伸ばしています。

特に、日本の商標の4社、なかなかやるなという感じです。

日経も、こちらにフォーカスを当ててくれると、日本に元気がでる情報になるのですが。

Rinnaiのロゴ変更

スッキリした感じに

2019年3月18日に、Rinnaiのブランドロゴの書体が変更になるというニュースリリースが出ています。

https://www.rinnai.co.jp/releases/2019/0318/images/releases20190318.pdf

 

内容は、

  • 2020年に創業100周年
  • グローバルブランドとしての価値向上をめざし、リンナイ(Rinnai)ロゴを一新
  • 同時に、リンナイブランドの世界観を表現する基本デザイン要素(ビジュアルアイデンティティ)を刷新
  • 2019年4月1日から、新しいロゴマーク、VIシステムへとリニューアル
  • 新しいリンナイロゴは、しっかりとした骨格の現代的なゴシック体のフォント
  • 伸びやかで親しみやすく人間的な雰囲気
  • Healthierな生活を創造していくリンナイブランドを表現
  • 商品は、キッチン商品、給湯・空調機器など
  • グローバル市場で「熱と暮らし」「健康と暮らし」をキーワード
  • 世界各国の生活文化・気候条件・エネルギー事情に合った最適なソリューションを提供し、現地社会の暮らしに貢献する

というようなものです。

<現在のロゴ>

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<新ロゴ>

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コメント

リリースにもありますが、全体的に、現代的になっています。文字の線が細くなっている訳ではないのですが、セリフのない書体になっています。ここが一番の差です。

二つのロゴを並べると、色も違うことが良く分かります。

 

リンナイというと、ガスコンロというイメージがありますが、Webサイトを見ていると、確かにガスを使うものがほとんどですが、キッチン、バスルーム、給湯器、ストーブなど、商品も多岐にわたります。

以前のロゴは、ガスコンロの「火(炎)」には合っていると思いますが、現在の商品は、外から「火」が見えない商品も多くなっており、それに応じて、ロゴも現代的にする必要があったのだと思います。

 

ただ、現在のロゴを承継しているとこともあります。「R」の右下に帯びている線や、「i」の棒線の上の「●」です。

これは、以前の「Rinnai」ロゴのイメージを上手に承継していると思います。

 

まだ、Webサイトも古いままなので、4月1日以降になってみないとどんなVIシステムを採用したのか分かりませんが、数か月後にもう一度見るようにしてみたいと思います。

 

こちらの会社も100周年のようです。日本の企業は、100周年とか、110周年とかいう会社が多いなと思います。

周年行事に、ブランドロゴを変更し、VIシステムを変更するのは、絶好のタイミングです。裏返せば、周年行事でもないと、ブランドロゴの変更やVIシステムの変更は、やるチャンスがなかなか無いということでもあります。

 

ブランドロゴを変更した場合、通常はグルーバルに、商標出願を出し直します。やはり使用しているブランドロゴで権利を持っておきたいためです。

このタイミングに、商標の指定商品・役務のアップデートも可能になりますので、広報宣伝部門のみならず、商標部門にとっても、ロゴ変更は商標管理を現代化する絶好のチャンスです。

英語で知財訴訟(2)

必要なこと、件数比較

昨日の関連記事です。同じ日の日経(2019年3月15日)の5面に載っていた、説明記事からです。

  • 日本で訴訟が可能となると企業の負担が軽くなる
  • 日本で知財訴訟をしようとする外国企業は増える
  • 知財に詳しい裁判官の育成が必要
  • 法解釈だけではなく、最新のビジネスに詳しい裁判官の育成が不可欠
  • 国内の紛争解決の実績が伸びれば、知財に関する情報や人材の集積につながる

数字としては、

  • 日本の特許訴訟(の第一審ベース)の件数は、2016年で166件
  • 米国は5080件
  • 韓国は2018年に英語を使える訴訟制度を導入

というものです。

 

コメント

今、企業では、ポリコムなどを使った、テレビ会議は一般的です。海外とも直接、HDの画像で会議をします。裁判所は、法廷に出廷しないといけないというのが、まだまだ、遅れているなと思うところです。

おそらく時間はかかるのでしょうが、東京まで出張しなくても裁判ができるようにしないといけませんし、外国人に門戸を広げると、当然の要求として、海外からポリコムでアクセスしたいという要望が出てくると思います。

 

さて、この記事の特許訴訟の件数ですが、特許侵害裁判で166件とあります。(商標と不正競争、著作権などの事件は、もう少し、あります。)

アメリカの件数と比べると、その差は歴然です。約30倍の訴訟の数です。アメリカの人口が倍と考えても、15倍となります。

 

ただ、日本企業でも、特許の警告状などは、沢山来ますが、裁判になる前に当事者同士で和解になります。正確な数字はないですが、感覚としては、警告書200件で、訴訟1件というのが現状ではないでしょうか。大企業同士は、クロスライセンスなどで話し合いますし、大企業に下手に警告書を送ると、カウンターで何倍ものの侵害を追求されそうです。商売上のしがらみがあるかもしれません。

 

訴訟を起こすと、必ず、結論が出るという良い面はありますが、紛争解決に時間とコストがかかるという思いもあります。しかし、裁判所の印紙代が問題ではなく、弁護士費用と準備の手間が問題という意見になりそうなのです。

 

おそらくは、侵害事件をやったことがないので、訴訟は大変だという思いが先行しているのだと思います。企業の先輩から、訴訟は大変だからやめておけと言って育てられると、企業の知財担当は、訴訟を敬遠するようになります。

しかし、裁判を受ける権利は人権ですし、低廉な費用で見識のある方に判断をしてもらえるとすると、これほど便利なものはありません。

 

裁判所には、この企業担当者の心理的ハードルを下げる施策、企業担当者や弁理士などを招いての裁判所見学の充実などが、裁判件数を増やす、一番有効な対策ではないかと思います。

英語化のような施策とならび、他の面の対策も有効かもしれません。

 

外国企業は、カウンターの恐れや、商売上のしがらみが少ないだけ、純粋にその権利を行使してくるかもしれません。ここが、この英語で訴訟が有用な点ではないかと思います。

 

知財高裁の統計のページが参考になります。

知的財産高等裁判所 | 統計

知財の民事事件は、第一審ペースで2008年から2017年で、497件から692件とあります。最後の2017年に大幅に伸びています。

 

参考までですが、統計によると、審決取消が下火です。

2008年から2017年で、496件から236件と半減しています。(理由は不明ですが、特許庁の審判の制度があがっているということなのでしょうか。)

 

こちらも参考までですが、4年間の東京・大阪の地裁の統計のようですが、

民事事件では、請求容認系が半分。請求棄却系が半分です。これは、訴訟は、所詮、勝つか負けるかの世界ですので、良く理解できます。

請求容認といっても、和解が全体の3分の2、実際の容認判決が3分の1です。

そんな感じです。

 

 

 

英語で知財訴訟

国際裁判部

2019年3月15日の日経に、知財裁判が英語で訴訟可能になるという記事があります。

知財、英語で訴訟可能に 「国際裁判部」新設検討 :日本経済新聞

内容は、

  • 特許侵害などの知財訴訟で英語の使用を認める「国際裁判部」の設置
  • 2019年中に提言まとめ、法改正へ
  • 協議会(知財司法に関する経済界と私法関係者のダイアログ)で、議論
  • 国際裁判部の新設。知財高裁の専門部に
  • 外国企業は日本語で審理する日本の裁判所の利用に慎重
  • 渉外紛争は、日本以外が舞台になる
  • 日本企業は、日本で解決したい
  • 日本語で裁判をするには、裁判所法の改正が必要

コメント

裁判所法の改正となると、大変だなあという気がしますが、これは必要なことだろうと思います。

今回は、基本に外国人が原告になり、日本の裁判所で、英語で訴訟進行ができるようにするためのものだと思います。

確かに外国人の立場に立つと、何を言っているのか分からない日本で、訴訟が進行するのは、非常に不安なものがあります。

 

日本で、外国商標の仕事をしていますが、英語なら、多少時間はかかっても出願から中間から異議や審判まで、全て理解できるのですが、ドイツ語やスペイン語、韓国語、その他の言語は、翻訳ソフトで理解できることもありますが、簡単には理解できません。現地代理人からの英語書面だけが頼りです。これが、口頭審理となると、全く理解不能だと思います。

裁判の途中で、翻訳してもらう訳にもいかないでしょうし、仮に法廷に出廷していたとしても、後で弁護士に聞いて、理解するしかありません。

 

日本が舞台の事件(日本の権利が問題になる事件)でも、英語で議論が出来るとなると、外資系企業による日本での知財裁判が増える可能性は、大です。

日本企業が、外国の企業を訴えるときに、被告の住所地の外国裁判所で、なれない日本法の議論をしてもらって判決を得るという方法もありますが、その結論が、本当に日本法の解釈として正しいのか、微妙なものも多いと思います。

それなら、日本の裁判所で、外国人も参加しやすい英語で訴訟をし、判決を出してもらい、その判決を外国の裁判所で執行してもらう方が、手っ取り早いですし、ある程度の大手が相手になると思いますので、妥当な判決なら、執行でもめることも少ないのかもしれません。

 

最近話題の東京に設置するという仲裁裁判所も、当然、英語が使えると思います。こちらとセットで、東京で知財の渉外訴訟、争訟が集まるのは良いことだと思います。

 

nishiny.hatenablog.com

 

ただ、韓国では、すでに英語での訴訟を受け付けています。 

nishiny.hatenablog.com

この面で、韓国は、進んでいるなと思いました。

 

さて、問題はその先で、グローバル企業の争訟は、日本の権利だけではありません。商標調査をしていても、ある商標を調査すると、各国で同じ権利者の同じ権利が引用例に上がってきます。このとき、欧州においても、権利判断は各国毎ですので、各国の代理人で類否の解釈などが異なります。

このような各国毎の権利解釈の違いのような点も、グローバルな争訟では検討が必要です。

 

仮に、日本、韓国、米国の事件があったとして、

日本の権利は日本の裁判所で、各国の権利は韓国の裁判所で、米国の事件は米国の裁判所でというのではなく、企業が求めているのは、ワンストップで、各国の判断もできて、総合的な判断ができるところです。

こちらは、仲裁裁判所の役割でしょうか。

 

ともあれ、日本も大きく動き出しているなと思います。

 

 

ZIPAIRの名前

ドメイン名でスクープ

2019年3月8日に、日本航空JAL)のリリースで、JALが国際線中距離LCCのブランドを「ZIPAIR」(ジップエア)とし、社名を「株式会社ZIPAIR Tokyo」にしたというものがあります。

国際線中長距離LCCエアライン『ZIPAIR』が誕生 | プレスリリース | JAL企業サイト

 

JALのサイトによると、ブランドのネーミングの由来について、

『ZIPAIR』の名称は、英語で、矢などが素早く飛ぶ様子を表した擬態語“ZIP”から生まれた造語であり、「フライトの体感時間が短い」エアラインであることを表現しています。また、“ZIP CODE”(郵便番号)が持っている「さまざまな場所に行ける」というイメージや、デジタルファイルフォーマットの“.zip”のイメージを盛り込み、「至る所に日本人らしい創意工夫をつめて、計算し尽くされた移動体験を目指す」という想いを込めました。

としています。また、社名にTokyoが入っているのは、

社名については、新しいエアラインのベースとなる地名であり、世界でも有数のカルチャー発信都市でもある「東京」を冠して『ZIPAIR Tokyo』としました。

 とあります。

 

これについては、2019年2月26日にTraicy(トライシー)のスクープ記事が出ています。

トラベルメディア「Traicy(トライシー)」

ここでは、

JALが全額を出資の中長距離線格安航空会社(LCC)のティー・ビー・エル(T.B.L)が、1社一つしか入手できない「co.jp」のドメイン名「zipair.co.jp」を取得したことから判明したものだそうです。

ドメイン名から、ブランド名が、「ZIPAIR(ジップエア)」になる見通しであることがわかったとあります。

 

その他、ドメイン取得では、「zipair.jp」「zipairtokyo.jp」「zipair.net」「zipair.us」「zipair.club」は、マークアイの名義で取得しているとあります(※JALがマークアイを使っているのは昔から有名な話です)。

 

また、ZIPのネーミングの由来を、次のように予想していました。

zipは、「ビュッと音をたてる、元気よくやる、疾走する、勢いよく進む、迅速に動く、迅速に行動する、~に元気を与える」などの意味がある。

中世・近世ヨーロッパの地誌に現れていた東方の島国、日本のことを示す「ジパング(Zipangu)」によるものである可能性もある。

はじめに見たニュースは、この「ビューと音をたてる」云々と書いてあったと思いますので、このTraicyの記事が出典だったのかもしれません。

 

また、この記事では、

zipという名称はかつて、エア・カナダ傘下の簡易サービスを提供する航空会社として存在しており、2004年9月に運航を停止している。

ということも紹介しています。

 

コメント

最近、商標では出願公開されたものをウォッチングする人が増え、どの会社がどういうネーミングの商品・サービスに関心があるか、ニュースリリースなどの、正式な対外公開前にオープンになるケースがあります。

これは、日本だけではなく、海外でも同じ現象のようです。

 

商標には。意匠の秘密意匠ような、秘密商標制度というものはないため、公開を止める方法はありません。

対策をとしては、特許事務所名義や、関係する会社名義で、仮に出願しておいてもらうということ程度ですが、費用がかかる上に、予想が出来たりしますので、万全ではありません。

 

今回のケースでは、一社一つしか取得できない、「co.jp」のドメイン名で明らかになりました。関係ない第三者に横取りされてしまうため、秘密管理には気をつけないといけませんが、出願の方が大切です。ある程度、事前に漏れることは、仕方ないというところでしょうか。

 

検索していると、面白い記事がありました。「zipair.com」は、現在は、Northeast Airlinesがドメイン名の登録をしているとのことです。

JALとZIPAIRと、やがて哀しきzipair.com - やじり鳥

日本の顧客を相手にするなら、「zipair.co.jp」「zipair.jp」「zipairtokyo.jp」「zipair.net」「zipair.club」でもOKですが、海外の顧客にも使ってもらうには、やはり「.com」が良いかなという気がします。Northeast Airlinesに、譲渡をお願いすべきなのかとも思いました。

 

いや、日本行きであることが明確になるので、zipair.jpが、海外の人は一番良いかもしれません。ドメイン名に行先まで記載してあります。