Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

AMAZON GO

話題の無人コンビニが開業2018年の1月23日の日経夕刊に、以前からYouTubeのプロモーションビデオで話題になっていた、アマゾンの無人コンビニがついに開業したいう話題が出ています。

www.nikkei.com

  • アマゾンは、シアトルで、レジのないコンビニエンスストアAMAZON GO(アマゾン・ゴー)」を一般向けに開業
  • 100人並んでも待ち時間は10~15分
  • スマホのアプリに表示されるQRコードをゲートにかざして入場
  • あとは、商品を棚から取って店の外に持ち出すだけ
  • 会計は、自動的スマホ決済
  • 店の天井に、カメラが確認できただけで130台以上設置
  • 誰が何を取ったかを追跡し続し、 商品を棚に戻せば、それも反映する
  • 日本のコンビニとほぼ同じ約170平方メートル

ということです。

上記の日経電子版では、日経の記者が、体験レポートの動画をアップしています。

 

アマゾンのWebサイトには、このコンビニを紹介するイメージ動画があります。

www.amazon.com

アマゾンの説明によると、AMAZON GOは、一言でいうとチェックアウトが不要なお店ということです。言い換えると、レジにならぶ必要がないということになります。no lines and no checkoutです。Just Walk Out Shoppingという言葉が出ています。

技術的には、自動運転や、コンピュータビジョン(ロボットの目)、センサー、ディープラーニングの技術を使っているとあります。 

営業時間は、7AM-9PMで、月ー金のようです。

 

コメント

この無人コンビニは、以前から話題になっていたものです。ポイントは、カメラなのですね。過誤請求を避けないといけないので、130台以上という多くのカメラで撮影しているのだと思います。請求のために処理すべき情報量≒後々の証拠として蓄積しておくべき情報量も半端ではないですね。

 

このコンビニが普及すれば、万引きが無くなる可能性もあると思いました。入るときに、スマホをもっている段階で、本人確認ができています(スマホを盗まれたときは、どうしようもないですが)。それにこのカメラの数です。日本のコンビニの監視カメラとは全く違うボリュームです。

また、アマゾンとしては、スマホ決済ですので、レジも不要で人件費は少なくできそうです。

 

アマゾンが、次に狙っているのは生鮮食料品事業で、そのためにホールフーズを買収していますので、 本気でリアルな店舗を展開するのだと思います。AMAZON GOが日本に上陸してくれば、日本のコンビニも大変だなと思いました。特許も取られているのではないでしょうか。

 

カメラ設置と情報分析、蓄積にコストはかかりますが、上述のレジの人件費や、万引きの引き当てが不要になりますので、コストメリットがあるかもしれません。

 

基本的に、もはやコンビニやスーパーでは単純な万引きができなくなると思いますので、この社会に与えるインパクトは相当強いものがあると思います。スーパーマーケットの悪いところは、地元の商店をつぶしたことと、もう一つ、万引きを誘発してしまったことだと思います。AMAZON GOの技術で万引きが無くなれば、だいぶ社会が変わるのではないかと思います。社会学の先生で、研究されている方がいるのではないでしょうか。

 

一方、怖いのは、プライバシー侵害です。通常この種のビッグデータ系のシステムでは、プライバシー侵害にならないように、顔のデータを消すとかいう発想に行きますが、それでは棚に戻したときの本人確認ができません。たぶん、自動でデータ処理をして基本的にはAMAZONの社員も記録している画像を見ることができないとか、クリーンルーム的なものを導入しているとか、第三者機関を入れているとか、何かの方法でプライバシー侵害の問題を、別途、回避しているように思います。ここは、法律と技術が融合した議論がありそうなところです。

 

あと、ネーミングは、AMAZON GOなのですね。Pokemon GOとか、Thunderbirds Are Go! とか、GOは流行りの言葉のようです。

 

今年の5月のINTAの総会は、シアトルであるようです。シアトルには、スタバの1号店とか、AMAZON GOとか、商標やブランドの方には見るべきものが多そうです。