Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

AIカメラで万引きが防げる

NTT東日本のサービス

2018年5月29日の日経に、AIを搭載したカメラで万引きを防ぐサービスを6月下旬から開始するという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 店内をうろうろ歩いたり、きょろきょろ見回したりする客をAIカメラが検知
  • 店員のスマートフォンに客の画像や場所を通知
  • 店員が声掛けすることで、万引きを防止
  • 万引きの被害は4割減
  • コンビニなら3台で効果
  • 費用は、AIカメラが1台23万8000円。利用料は1台4000円。録画画像の保管料が1ヶ月分で月500円

コメント

万引き家族」がカンヌ祭で最優秀賞のパルムドールに選ばれたことに関係するわけではないのですが、AIによる万引き防止です。

 

AMAZON GOほどのことも無い、この程度のシステムでも4割の万引き削減されるというのは驚きました。だいぶ効果があるんですね。

 

NTT東日本のWebサイトには、導入企業の声も載っていました。

万引き防止AIサービス「AIガードマン」の提供について〜AIを活用した防犯システムを提供するアースアイズとNTT東日本が業務提携〜 | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本

 

東洋経済オンラインに、一日のコンビ二の万引きの被害額は、1000円~1500円という数字がありました。

 

標準的なコンビニの売上が、一日50〜70万円として、一ヶ月で約1,500万円~2,000万円ぐらいのようです。売上の1%弱が万引き被害にあうという報告もありましたので、だいたいこんなところでしょうか。

 

1000円~1500円×30日と考えて、一つのコンビニで、被害額は、月30,000円~45,000円となります。

今回のNTT東日本のサービスは、カメラは10年もつとして、年23,800円/台×3台=71,400円÷12ヶ月=月5950円です。

利用料が、4,000円×3台=12,000円。画像保管料が、500円×3台(ここは台数としました)=1500円。全部で、月額19,450円です。

 

このサービスで被害が防げるのは、4割のようですので、万引き対策に投資できるのは、先ほどの被害額の4割とすると、12,000円~18,000円となります。

ちょっと赤字ですね。

 

ただ、今でも、監視カメラのサービスに入っているので、費用は掛かっているはずですので、そこから考えるとペイはしそうです。

 

現在コンビニ等に設置されている監視カメラは、カメラがあることによる防犯対策と、もしも事件性の高いものがあったときの検証用(捜査用)ということのようです。

そういう意味ではまったく違う用途を追加するものです。

 

ただ、コンビニでは、被害で一番多いのは、万引きよりも店員による被害という話もあるようです。従来型の監視カメラは、特にこちらを重視しているのかもしれません。

 

AIカメラで、監視する社会は、1949年発行のジョージ・オーウェル1984」に出てくる話でもあります。

 

市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョン、さらには町なかに仕掛けられたマイクによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。

 

1984年 (小説) - Wikipedia

現在の監視社会は、ほぼ小説の想定と同じ社内になっています。

これを否定もできないし、積極的に肯定もできない点が、人間のつらいところでしょうか。

そういう意味では、利用者(お客様)の便益という新たな価値で整理しているAMAZON GOは進んでいると改めて思いました。

 

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