Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

富士ゼロックスとXEROXの経営統合

新社名は「富士ゼロックス

2018年1月31日の夕刊から各誌で報道されていますが、富士ゼロックスゼロックスが経営統合するということです。

富士フィルムホールディングスのニュースリリースが出ています。

www.fujifilmholdings.com

今回は、友好的な買収で、富士フィルムからの出がねがないようです。スキームが少しややこしいのですが、次の東洋経済の記事がわかりやすいようです。

headlines.yahoo.co.jp

 

コメント

このニュースの見出しを新聞で見た時は、米ゼロックス全体を富士フィルムが飲み込むのかと思いました。しかし、そうではなく、富士ゼロックスは米ゼロックスの完全子会社となり、その米ゼロックスの50%超を富士フィルムホールディングスが所有して子会社化するという話のようです。

 

はじめは、社名とブランドをどうするのかと思いましたが、ゼロックスの社名が、「富士ゼロックス」となる以外、特に目新しいところはありません。

ブランドは、以前と同様に、日本やアジアは、「FUJI XEROX」で、欧米は「XEROX」のままということです。現実のコミュニケーションでは、社名はそれほど前面に出てきませんので、欧米の消費者にとっては、変化を感じないのではないでしょうか。

 

今回のスキームで、富士ゼロックスゼロックスの統合は進むでしょうから、コスト改善なり、意思疎通なり、経営的な問題は良くなるのだと思います。

 

もしもの話ですが、富士フィルムホールディングスが、ゼロックスのマージをしていたなら、社名やブランドはどうなったのかと想像してしまいます。

XEROXは、非常に価値のあるブランドですし、FUJI FILMもフィルムの事業が無くなったのにいつまでブランドに「FILM」を残しているのかと良く指摘されています。

可能性としては、次の選択肢です。

面白いのは、最後の「XEROX」にするですが、なかなか日本企業では合意ができそうにないものです。

社名は、「富士フィルムゼロックスホールディングス」として、その下に、FUJIFILM社とXEROX社を置き、各々の「FUJI FILM」と「XEROX」のブランドを継続使用するのが、一般的でしょうか。

その場合、「FUJI XEROX」のブランドは消すことになります(本来、「XEROX」で十分ですので)。

 

 

新富士ゼロックスは、富士フィルムホールディングスの子会社でありながら、49%程度の一般株主もいて、上場も維持するということで、ある程度の経営の独自性は維持されます。ちょうどよい頃合いの所で、調整されたのだと思いました。