新社名は「富士ゼロックス」
2018年1月31日の夕刊から各誌で報道されていますが、富士ゼロックスとゼロックスが経営統合するということです。
富士フィルムホールディングスのニュースリリースが出ています。
- 富士フイルムホールディングスがゼロックス株式の過半となる50.1%を取得
- 富士ゼロックス株式会社とゼロックスが経営統合
- 富士ゼロックスは、現在、富士フイルムホールディングスが75%、ゼロックスが25%出資
- 富士ゼロックスは日本・アジア、ゼロックスは欧米中心に事業展開
- 今回、富士ゼロックスがゼロックスの完全子会社となることで両社は経営統合
- ゼロックスは、社名を「富士ゼロックス(英語名:Fuji Xerox)」に変更
- 富士フイルムホールディングスは、新富士ゼロックス株式の50.1%を保有
- 新富士ゼロックスはNYSEの上場を維持
- 富士ゼロックスおよびゼロックスのブランドについては引き続き両方を使用する予定
- 今回の統合により、コスト改善効果
- 現ゼロックス本社(米国)および現富士ゼロックス本社(東京)の両方を本社として活用
今回は、友好的な買収で、富士フィルムからの出がねがないようです。スキームが少しややこしいのですが、次の東洋経済の記事がわかりやすいようです。
コメント
このニュースの見出しを新聞で見た時は、米ゼロックス全体を富士フィルムが飲み込むのかと思いました。しかし、そうではなく、富士ゼロックスは米ゼロックスの完全子会社となり、その米ゼロックスの50%超を富士フィルムホールディングスが所有して子会社化するという話のようです。
はじめは、社名とブランドをどうするのかと思いましたが、ゼロックスの社名が、「富士ゼロックス」となる以外、特に目新しいところはありません。
ブランドは、以前と同様に、日本やアジアは、「FUJI XEROX」で、欧米は「XEROX」のままということです。現実のコミュニケーションでは、社名はそれほど前面に出てきませんので、欧米の消費者にとっては、変化を感じないのではないでしょうか。
今回のスキームで、富士ゼロックスとゼロックスの統合は進むでしょうから、コスト改善なり、意思疎通なり、経営的な問題は良くなるのだと思います。
もしもの話ですが、富士フィルムホールディングスが、ゼロックスのマージをしていたなら、社名やブランドはどうなったのかと想像してしまいます。
XEROXは、非常に価値のあるブランドですし、FUJI FILMもフィルムの事業が無くなったのにいつまでブランドに「FILM」を残しているのかと良く指摘されています。
可能性としては、次の選択肢です。
面白いのは、最後の「XEROX」にするですが、なかなか日本企業では合意ができそうにないものです。
社名は、「富士フィルム・ゼロックスホールディングス」として、その下に、FUJIFILM社とXEROX社を置き、各々の「FUJI FILM」と「XEROX」のブランドを継続使用するのが、一般的でしょうか。
その場合、「FUJI XEROX」のブランドは消すことになります(本来、「XEROX」で十分ですので)。
新富士ゼロックスは、富士フィルムホールディングスの子会社でありながら、49%程度の一般株主もいて、上場も維持するということで、ある程度の経営の独自性は維持されます。ちょうどよい頃合いの所で、調整されたのだと思いました。