チラシを見ていて
最近、新聞に入っていた武田コンシューマヘルスケア株式会社の「アリナミン」のチラシを見ていて、思ったことです。
チラシの左肩に武田の企業ブランドがありました。
(このマーク)
一方、コンテンツ中のアリナミンの製品のパッケージには、おなじみのウロコ印があります。
(このマーク)
東京日本橋のグローバル本社や湘南R&D拠点の建物の壁面には、上の企業ブランドロゴがあるなとは思っていましたが、まだ、製品にはウロコ印も見ます。
両者の関係性がどうなっているのかと思い、武田薬品のサイトを見てみました。
分かりやすかったのは、次の商標の変遷というページです。
ここには、ウロコ印や、企業ブランドシンボル(「抱き山」というようです)の説明があり、「抱き山」が、2019年から全世界の企業ブランドシンボルであると説明があります。
同社のサイトは、近年、刷新されているようです。
カタカナではなく、英語が多用されており、 ちょっと日本人には読みにくいサイトかなと思います。
文章の記述でも、「武田」と「タケダ」の双方があるだけでも、ややこしくはなっています。
また、スローガンも「Better Health, Brighter Future」となっているのですが、いつ頃、どういう考え方で制定されたのか、同社のブランド戦略がどういうものなのかの説明ページに行きつきませんでした。
基本的に、何年何月何日から、パキットとブランド政策を変更して、こうしますというタイプではないようです。
グローバルな企業ブランドシンボルは「抱き山」であるとしながら、認知にとって重要な、アリナミンなどのコンシューマー向けの製品ブランドに、ウロコ印を残しているのは、どういう意味なのかと思ってしまいます。
商標の場合、不使用取消審判があるので、商標は使用の継続が必要です。「抱き山」は、社屋の看板とか、チラシの左肩に置いておいて、製品にはウロコ印を置き、双方を使っているという状態にして、ウロコ印の使用実績があるということを残すというのは、商標法の理屈ですが、
一方、ブランドの理屈では、「抱き山」の露出を最大化して、ウロコ印は、残しておくとしても、社章(社旗や社員記章)程度にするというのが、お薦めです。
消費者には、ウロコ印の方がなじみがあるので、売上減を防ぐため、「抱き山」が十分に認知されるまで、上手に併記するというのも、考え方としてはありえます。
外国人のCEOとか、シャイアー社(SHIRE)の買収とか、グローバル化に向けて、大きな変革が続いているので、ウロコ印がサブになり、いつかは無くなるのだろうと思います。
円の中に正三角形があり、赤色というだけの、非常にシンプルなロゴなので、ウロコ印単品では海外での権利化は難しかったのかもしれませんが、ウロコ印の横に「Takeda」と配置した結合商標にすれば、ウロコ印でも登録になったのかもしれません。
(下のロゴの「タケダ」を英語にする方法です)
基本的には、簡単なロゴほど、商標登録は難しいですが、商標登録に成功すれば強い商標になりえるとは思います。
背景、理由は、良くは分かりませんが、ウロコ印がだんだんフェードアウトして、「抱き山」になっていくのだなと思いました。