VESTEL(トルコ)に売却?
2017年年4月9日(日)の日経によると、東芝がテレビ事業をトルコ家電王手のVESTELなどの複数の会社と売却交渉をしているという記事がありました。
今回のTVの売却金額は最大で数百億円の規模ということです。
すでに白物家電は中国企業に売却しています。テレビ事業は東芝に残っていたのですが、今回そのテレビが売却されます。
テレビ事業は東芝に残っていたとはいえ、海外のテレビ事業は、すでにブランド供与ビジネスに切り替えており、日本国内での開発・販売のみに絞り込んでいたようです。
テレビ事業子会社の株式の大半を売却し、雇用と拠点(青森県三沢市)、東芝ブランドの維持を求めるようです。
今回の候補であるVESTEL(ベステル)には欧州でテレビについて、ブランドを供与済みとのことですが、他に中国の海信集団(ハイセンス)も関心を持っているとのことです。
コメント
長らく、テレビは家電の王様といわれてきました。家庭のリビングの中心にはテレビがあり、テレビの真ん中にブランドロゴが貼付されており、テレビを見るたびにブランドロゴを見ることになり、日々の生活の中心にブランドがあることになるので、電機メーカーではテレビは特別なものとされていました。
家電の王様の地位が、スマホに奪われつつあるとはいえ、未だに大切な商品であることは変わりません。東芝、白物家電事業は、中国・美的集団(Midea)に売却しても、テレビは維持しようとしていたのは、そのような背景ですが、このテレビもついに売却対象になったということです。
Philipsなどの海外メーカーもすでに同じ道を進んでいますし、日本メーカーでもSHARPの海外事業も同じ状態です。
例えばPhilipsは、医療機器を中心とする会社にリストラクチャリングをしており、家電事業の目的はブランド露出をするためと割り切っています。特に家電で儲けようと思っていないのです。そのため、家電に人物金といった経営資源を投入せずに、ライセンスビジネスに切り替えています。技術供与や生産委託したりして関係のあった会社に事業譲渡し、技術者や工場がセットで移管するなら、ある程度安心できます。全く関係のない会社にライセンスするときは、品質管理やブランドマネジメント等、指導することが多くなり、手数もかかります。
特許と違い、商標、それもハウスマークのライセンスですので、多少のロイヤルティ収入よりも品質問題を起こさず、ブランド露出を継続してもえらうことが目的です。
日本に技術部門が残っていれば、事業のコントロールタワーが残っていることになりますが、今回の東芝はその部分を売却しますので、ブランド露出だけを残すことになってしまったということですね。
浜松町の本社ビルにも何回も行かせていただきました(知財は現在、川崎駅のところに移っていると聞きました)。 前の会社に入って以来、東芝の商標・ブランドの方には、お世話になりました。是非、現在の苦境を超えていってほしいと思っています。