Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

行ってきました(映画)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

2017年8月5日の土曜日に、ファウンダーの映画を観てきました。横浜ではジャック&ベティでしかやっていませんでした。そのため、今回、初めて、京急黄金町駅を利用しました。

thefounder.jp

映画は、レストラン事業のフランチャイズ化によって、マクドナルドを大成功に導いたレイ・クロックの話です。

 

マクドナルドは、マクドナルド兄弟がはじめた、美味しくて、スピーディな、画期的なレストランビジネスで、大成功をしており、また、彼ら自身でも多少はフランチャイズ化までやっていたようです。特に、弟さんがアイデアマンです。

 

しかし、品質管理などが課題で、大きく広げていなかったところに、その繁盛している店舗を見たミキサーのセールスマンのレイ・クロックが成功を確信し、フランチャイズ権の再販売権を獲得します(52歳からの再スタートです)。

そして、フランチャイジーの発掘や指導、資金繰りなど多くの苦労をしながら、事業を全米に推進していく過程を描いたものです。

 

資金繰りの悪化で、黒字倒産の危機にあったときに、偶然出会った税理士に、

  • レストランビジネスの売り上げについて、ロイヤルティを得るだけでなく、
  • 良い物件を見つけて不動産を取得し、フランチャイジーにレンタルして、
  • ロイヤルティと、賃料のダブルで儲けるビジネスを伝授されます。

これにより、会社には担保ができて、資金繰りが改善し、出店ペースが加速します。

 

保守的なマクドナルド兄弟と急進的なレイ・クロックの言い争いがあります。レイ・クロックが、自分の経営する会社の社名に、マクドナルドの文字を入れて、兄弟が契約違反であると激怒するシーンがあります。レイの答えは、「レストランの中の話は兄弟のものだが、その上下は契約にはない」と反論するなど、ヴェニスの商人ような展開です(シャイロックをやりこめた裁判官を思い出しました)。

 

最終的に、レイ・クロックは、マクドナルド兄弟から事業を奪うのですが、そのときの対価は、兄弟二人で、270万ドルです(一人、135万ドル)。当時ですので、悪い金額ではないように思います。

 

映画の最後の方で、レイ・クロックとマクドナルド兄弟の弟さんの会話シーンがあるのですが、この映画で一番印象的で、かつ、ブランド的でした。

 

弟さんから、一番初めに出会ったとき(ミキサーのセールスでいったとき)に、「レストランビジネスの秘密もすべて教えたのに、なぜ、自分でレストランを始めなかったのか」という質問があります。

 

レイの答えは、「気がつかなかったのですか?名前です。クロックというスラブ系の名前のレストランで誰が食事をしたいでしょうか。マクドナルドの名前が良かったのです。単にあなた方のビジネスの真似をした人のビジネスは皆つぶれたでしょう?」というものでした。

 

結局、マクドナルド兄弟は、自分達のやっていた店舗から、McDonald'sの看板を下ろし、Big Mという看板にかけ替えます。マクドナルドの商標権譲渡までが、契約内容だったようです。

 

ブランドの要素も入った、また、契約社会のアメリカらしい映画でした。ブランド、商標担当者には、お薦めです。

 

レイが、ノーマン・ビンセント・ピールのレコードを聴くシーンも良かったと思います(ピールは、ドラルド・トランプ大統領が、唯一の師匠としている人のようです)。

また、映画には夫婦関係や、1950年代の再現や、誰がファウンダーなのかなど、面白い話があるので、是非、見てください。