Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

日本マクドナルドの株式売却(その2)

ドル換算とロイヤルティ

2020年8月5日の日経に、米マクドナルドが日本マクドナルド株を15%売却する話の続きの話があります。

(真相深層)成長なきマック「売り時」 米本社、日本法人株15%売却へ 売上高、ドル換算で23%減 :日本経済新聞

  • 米マくドナルドは売却で得る約1040億円の資金をフランチャイズ店の支援などに充てる
  • 日本マクドナルドの最悪期は2015年。店舗オペレーションの混乱や異物混入
  • 最近の業績は好調。前期比3.5%増の営業利益
  • 2019年度の全店売上高は、5427億円の2010年度を抜き、過去最高の5490億円
  • しかし、ドル建てで見ると、2019年度の売上高は50億ドル。2010年度より23%の落ち込み
  • 米国の売上は、2010年度の281億ドルが、2019年度は379億ドルへ34%も増加。米国にはインフレがあったため
  • 日本は戦略市場ではなくなった
  • 2011年度から米国本社のロイヤルティは3%(2019年度で164.7億円。1億5100万ドル)
  • 以前のロイヤルティは2.5%(2010年度は164億円。1億6700万ドル)
  • (円安での米ドルでの受け取りの目減りを)ロイヤルティ料率改定が落ち込みを抑えた

コメント

次のブログで、米国に対するマクドナルドのロイヤルティは、昔は1%だったという記事を読みました。

日本マクドナルドは、ロイヤリティー「1」%だった?! | 精度の高い売上予測や立地分析で不振店を根絶する有限会社ソルブ

 

藤田田さんが、1971年にマクドナルドと契約するときに、米国へのロイヤルティの支払について、1%で、30年契約をしていたそうです。

「日本ではハンバーガーは売れない。だから、時間をかけなければいけない。とはいえ、利益を出せなければ店を増やせないから、ロイヤリティー・フィーは1%にしてくれ。そうしたら、どんどん店を増やそう」

という話だそうです。

 

2001年がその契約更改の年だったそうです。米国は他国と同様の5%のロイヤルティを要求したようですが、2.5%になったようです。

2011年はその10年後で、ここも契約更改の年です。ここで、0.5%上昇して、3%になっています。

 

全店売上高の3%です。粗利の3%などではありません。

フランチャイズ店などでも、日本マクドナルドを経由して、売上高の3%の支払は避けられません。

 

マクドナルドのフランチャイジーになると、どの程度の支払が必要か、載っているサイトはないかと探していると、次のサイトがありました。

マクドナルド開業資金などFC契約条件は? | フランチャイズ相談所

 

これによると、

マクドナルドの初期費用の内訳は、加盟金250万円と店舗によって金額の変動する店舗取得額が必要になってきます。ロイヤリティについては、店舗の売上高の3%を支払いことになります。また店舗の合計売上高に基づいた一定の金額を支払うレント・ロイヤリティや固定ベースレント金額、広告宣伝費4.5%なども必要です。初期費用は新規店舗なのか既存店舗なのかによっても大きく変動します。

このロイヤルティの3%は、そのまま米国本社に行きそうです。

広告宣伝費の4.5%は理解できますが、他に、レント・ロイヤルティや固定ベースレント金額などもあるようです。

 

下記の記事によると、このレント・ロイヤルティは家賃のようなもののようです。

マクドナルドの経営はまだ安泰? 「会社としての体力が非常に優良」 - ライブドアニュース

フランチャイジーの支払は、家賃のレントロイヤルティを入れて、売上高の25%程度という記載もありました。だいたいこんなところなんでしょうね。

 

原材料の供給、広告宣伝、家賃収入、いろんなところから、少しづつ利益を出して、日本マクドナルドは運営しているんだろうなと思いました。

 

それにしても、アメリカは、今となっては、日本だけでも、毎年164.7億円なりの収入があります。キャラクターライセンスビジネス以上の、ライセンスビジネスですね。