不正チェック
2018年4月13日の日経の私見卓見欄で、M&Aの不正チェックにAIを活用するという話が出ていました。www.nikkei.com
KPMG FASのパートナーの高岡俊文さんの寄稿文です。
- M&Aのデューデリジェンス(DD)は有効だが、時間が限られ、買収にはすべての情報が開示されない
- 規模の小さい事業での損失が見逃されがち
- 買収後のポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)のチェックすることが必要
- DDは経営企画、PMIは事業部門にバトンタッチ
- DDとPMIにAIの活用
- メール、取引データ、契約書を精査させる
- リスクに抵触するファイルを高い制度で自動選別する技術
- 従来は、キーワード検索、サンプル調査だった
詳しくは日経でご確認下さい。
コメント
寄稿者のおられるKPMG FASは、KPMGグループの中で、企業に対してフィナンシャル・アドバイザリー業務を提供する会計系アドバイザリーファームのようです。M&A、デューデリジェンス、不正調査などが業務範囲のようです。
米国では、法務では証拠開示(ディスカバリー)にAIを導入して、メールなどをチェックすると聞きますので、それと似たものだと思います。
メールサーバー、ファイルサーバーを全部チェックするのは、大変そうですし、人の作業では無理があるので、確かにAI向きの話だと思います。
KPMGのWebサイトに、不正リスク・コンプライアンス対応サービスが少し紹介されていました。
事業売却する方は、すこしでも高く売ろうとするので、このような不正リスクが発生するのだと思います。
M&Aのプロセスも一般化されているようですし、最終的には契約や表明保証があるので、問題はないだろうというのではなく、実際に不正が問題が発生するので、M&Aを合理的に進めるには、このようなもの手法も必要なのだと思いました。
たぶん、売る方は、潜在的な可能性としてか、顕在的なものになっているかは別として、不正を知っていると思います。
大きなM&Aでは、誰にインタビューしたら良いかもわかりせんので、このようなAIで課題を荒ぶるいして、実際に担当者に質問して問題を明らかにして、対応策を練るというところまで、必要になりそうです。
M&Aによる成長が、本当の成長かどうかは別ですし、M&Aしたことが却って混乱を生じされることも多いと思います。しかし、足りない部分を補う方策として、M&Aが必要なことも事実です。
企業のM&Aほどの不正リスクはないと思いますが、特許事務所でも弁理士のリタイヤに伴う事業承継は重要な問題のようですので、M&Aは他人事ではない問題です。