Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

インテルCEOの辞任

従業員との関係が社内規範違反に

2018年6月23日の日経に、インテルのCEOが従業員との関係が発覚し、社内の行動規範に違反するという理由で辞任することになったという記事がありました。

www.nikkei.com

  • インテルの発表文では、合意関係を意味するConsensual relationshipという表現
  • 不倫や性的関係などをほのめかす言葉
  • 社内規範は、全管理職が対象
  • 仕事で直接・間接的にかかわる部下との恋愛や性的関係を禁止

同じ紙面に、解説記事があります。

www.nikkei.com

  • 米国では、上司と部下との恋愛を禁止や、会社に報告義務を課しているところが多い
  • 上下関係にあるとセクシャルハラスメントに発展しやすいため
  • 英国の大学でも、教職員と学生間では恋愛関係を事前申告必要とすることがある
  • フランスでは、恋愛禁止は人権侵害で違法とされる
  • 日本では、上司・管理職と部下の恋愛を禁ずる例はほぼない

コメント

このような社内規程は日本では聞いたことがなかったので、厳しいなというのが、第一印象です。特に、インテルのような大企業のCEOが辞任するまでになるとは驚きです。

 

セクハラは裁判になり、裁判になると、会社側も被告となって、多額の賠償金を支払わないといけないので、それならいっそ恋愛禁止や届出制にしてしまおうという発想です。

なぜ、会社が訴えられるかは、セクハラの防止に努めていなかったということなんだと思いますが、ケースバイケースで色々ありそうなので、一般的に禁止することまでが必要なのかなとは思います。

 

例えば、独身の上司と独身の部下で、恋愛関係になったとして、関係も良好なら、特に問題なさそうです。この場合なら、届出をすると恋愛関係は、認められるとは思いますが、セクハラで会社が訴えれることを防止するために、どちらかを他部署に異動するとか、会社を訴えないという誓約書を書かせるとか、そういう手段を取るのかもしれません。

 

フランスが人権侵害と捉えるというのは、フランスらしいですし、日本はそこまで訴訟社会ではないので、まだ問題になっていないということなのだと理解しました。

 

アメリカのTVドラマのAlly McBealのDVD(セカンドシーズン)に、上司ではなく同僚だったと思うのですが、恋愛関係を禁止し、届出制にしている会社の話が挿入されていました。

男女の関係は良好なのですが、恋愛関係を会社に届出していなかった理由で、男性が会社をくびになり、裁判で会社に対して、復職だったか、損害賠償だったかを訴えるという話でした。

このドラマでは、弁護士のジョン・ケイジが熱弁を振るい、職場は人となりをよく見ることのできる場所であり、そこでの恋愛禁止はおかしいという主張が通って、復職か損害賠償が出たという結末でした。(正確には覚えていません)

 

20年ほど前のドラマですが、ドラマを見たとき(最近見ました)は、そんな恋愛禁止を謳った社内規程なんかあるのか?と思っていたのですが、今回のインテルCEOの報道で、上司と部下の関係では一般的な話なのだと、良く分かりました。

アメリカの訴訟社会、おそるべしということろでしょうか。

 

会社のブランドイメージには、影響無さそうな話ですが、敏腕CEOな辞任は株価下落などの原因になりそうです。