Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

TOYO TIRE

東洋ゴム工業㈱からTOYO TIRE㈱へ

正月広告にもあった件ですが、東洋ゴム工業㈱がTOYO TIRE㈱に社名変更したようです。

詳しくは、同社のリリースにあります。

www.toyotires.co.jp

  • 東洋ゴム工業株式会社→TOYO TIRE株式会社 (※All Capsです)
  • 英文社名:Toyo Tire Corporation (※Cap &Lowです)
  • 社名にTIRE(タイヤ)と掲げる唯一の国内メーカーとなる
  • モビリティ・ビジネスを事業経営の中核に据える
  • フォントは、洗練されたモダンな「Avenir (アベニール)」を使用
  • Avenirはフランス語で「未来」を意味
  • 社名ロゴのフォントの「O」は正円な字体を採用

とあります。

 

コメント

ブランド名の「TOYO TIRES」に、社名を合わせ、顧客の認知の差を無くす方法で、コーポレートブランド戦略として、よくあることです。

 

今回の社名変更は、英文字社名にしてますが、これも、SUBARU等で一般的になってきました。

一時は、ブランド名に合わせる戦略を取っても、日本語社名はカタカナ社名という会社が多かったですが、もう、英文字社名の時代という感じがします。

 

ロゴは、下記です。 

f:id:yoshikeke:20190111053743p:plain  f:id:yoshikeke:20190111053757p:plain

 

社名ロゴですが、「O」を正円にしたり、フォントにも、こだわりがあるようです。

コカ・コーラのように、ブランドロゴと社名ロゴを合わせる方法もありますが、基本はブランドロゴでのコミュニケーションで、社名ロゴは必要に応じて使う程度なのだと思いますので、このようなスッキリした、シンプルな社名ロゴが、良いんだろうなと思います。

 

今の会社法のルールでは、仕方がないのですが、「TOYO TIRE」の部分が英文字で、「株式会社」の部分が漢字なのは、やはり違和感があります。

現実には、日本の中でも、公的な書類には、日本語社名の「TOYO TIRE株式会社」を使い、法的でない広告やWeb siteなどには、英文社名の「Toyo Tire Corporation」が使われることが多いのではないかと推測しました。

 

ちなみに、当然ですが、「Toyo Tire Kabushiki-Kaisha」とするのは、長いですし、レトロな感じがしますので、英文社名を、「Toyo Tire Corporation」とするのは自然です。

 

一点、日本語社名の英語表記が、All Capsであるのに対して、英文社名は、Cap&Lowなのは、どうしてかなと思います。

社員や取引先が混同してしまい、使用において支障がでないか心配します。

ブランドロゴと区別するためにも、日本語社名は「Toyo Tire株式会社」で、良さそうですが、日本語社名は、力強さを重視したのだと思います。

 

 

本当は、会社法を改正して、Toyo Tire Corporationなどの標記も、正式な社名表記と認めるべきではないかと思います。

英語社名を認めた段階で、いつかは、こうなる運命だったのではないでしょうか。

 

もう一つの気付きは、ブランド名が、「TOYO TIRES」と複数形になっているのに、社名は単数形の「TOYO TIRE㈱」となっている点です。

これは、どういう理由があるのでしょうか?

 

最後に、これにより、同社は、社名に「TIRE(タイヤ)」を入れた、唯一の国内タイヤメーカーとなったという点です。

ブリヂストン住友ゴム工業と確かに、「TIRE(タイヤ)」は入っていません。以前は、「オーツタイヤ㈱」がありましたが、住友ゴム工業に吸収合併されてから、国内ではないようです。