相当、マルチブランド
2019年2月14日のキリンホールディングスのWebサイトで、「キリングループ・ビジョン2027」「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」「新コーポレートスローガン」制定の記事を見ました。
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」を策定 | 2019年 | ニュースリリース | キリンホールディングス
CSV経営(Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造)を標榜しており、酒類メーカーとしての責任、健康、地域社会・コミュニティ、環境に取り組むとあります。
また、食から医にわたる領域での価値創造に向けて、食領域と医領域をつなげる、「医と食をつなぐ事業」を立ち上げるとあります。
同時に、キリングループの存在意義をシンプルに表現するために、新コーポレートスローガン「よろこびをつなぐ世界へ」を制定したとあります。
事業ポートフォリオの図があるのですが、そこでは、左にメインとなる「食」(種類・飲料)、右にKYOWA KIRINの「医」があり、その中間に、iMUSE、THIRNE RESERCH、協和発酵バイオがあり、「医と食をつなぐ事業」と紹介されています。
コメント
長期計画、中期計画、新コーポレートスローガンと、てんこ盛りの内容で、変革期にあるということが分かります。
CSVとか、最新の考え方で整理しているのが、注目点でしょうか。
個人的に面白いと思ったのは、4つほどあります。
1.すでにマルチブランド政策に移行している
まず、豪州のLION社や、MyanmarのBREWERYなど、ビールの海外ブランドを持っているのと、
医の分野でKYOWA KIRINがあり、既に、相当なマルチブランド政策です。ひと昔前の、小岩井乳業と長野トマト(もうMBOして、キリンホールディングスから離れているようですいるようです)ぐらいのイメージだったのですが、大きく変わっているようです。
酒類は、基幹事業ですので、海外ブランドの買収も既存事業の延長で理解しやすいですが、医薬の協和キリンは、だいぶ毛色が違います。
もともと、キリンにも医薬事業があったものを、協和キリンに一元化しているようです。
2.事業ポートフォリオがブランドポートフォリオになっている点
事業ポートフォリオの図がありますが、そのまま、ブランド体系の説明図になっています。事業の方向性が明確なので、単なるブランド体系の図よりも、理解しやすい図です。
この事業ポートフォリオの図に、懐かしい協和発酵のロゴ(協和発酵バイオとして)があります。今まで、協和キリンの100%子会社だったのを、キリンホールディングスの95%子会社に付け替えるという話が出ていました。
すでに事業計画を、着々と進めている感じがします。
4.ブランドスローガンではなくコーポレートスローガンとしている点、
最後ですが、キリン図形やKIRINロゴの上にある、「よろこびがつなぐ世界へ」のスローガンですが、ブランドスローガンではなく、コーポレートスローガンとしている点です。
ブランド中心というよりは、経営中心の、戦力なんだなと思いました。
ブランドが経営にきちんと組み込まれていて、これはこれで良いのかなぁと思いました。
ちなみに、英語版もあります。Joy brings us togetherで、「よろこびが一緒に運んでくれる」、日本語の「世界」という言葉のイメージは「未来」という感じなんですね。