バレーボールの新旧比較が面白い
2019年3月14日の日経夕刊で、64年の五輪ピクトの制作秘話のよう記事がありました。当時、ピクトグラム(ただし、競技用は前年に出来ていた)の制作に参加した方の記事です。
手弁当であったことや、著作権放棄をしたことが書いてあります。
東京五輪のピクトグラム、64年大会が先駆け 若手美術家ら作成 (写真=共同) :日本経済新聞
その記事のところに、1964年大会のピクトグラムと、2020年大会ピクトグラムが比較して掲載してあるのが、面白いと思いました。
日経の電子版が見つけられなかったので、産経になるのですが、次のリンクで見ることができます。
産経の記事によると、今回の改定については、「和」の要素を入れようという意見もあったようですが、1964年大会へのリスペクトがあり、それを承継して、シンプルさを重視したとあります。
2000年のシドニー大会は、ブーメランをかたどった。2008年の北京大会は、篆書(てんしょ)をモチーフとしたとあります。
産経の記事を見てもらえれば分かりますが、少し線が細くなり、全体にシャープな印象となっています。また、各競技で、最も躍動的なシーンを抽出して、ピクトグラムにしているようです。
比較的ボールドの線で構成された1964年から、細くなっているのは、時代の変化を示すものとして面白いと思います。
1964年には、基本は白黒テレビです(最近、1964年大会の映像をカラー映像で流していますが、当時はのテレビはほとんど白黒です)。Webサイトなどありません。
現在ほどは、細かく鮮明な画像ではないので、ある程度、太い線が必要なことだったのではないかと思います。
さて、ピクトグラムのデザイン自体ですが、柔道は、柔道着姿で腰に手を当てている静的なピクトから、背負い投げのピクトに替わっています。こちらは、動きに焦点を当てると、こうすべきだなと思います。
最も、面白かったのは、バレーボールのピクトグラムです。2020年のピクトはアタック時のものでバレーだと直ぐにわかりましたが、1964のものは、はじめ見た時は分かりませんでした。こちらは、レシーブです。
図形で、ブランドロゴ(商標)を作るなら、この1964のバレーボールのピクトあ、非常によいブランドロゴになるように思いますが、大会競技を示すピクトグラムとしては、新しいバレーボールのピクトグラムは、出色の出来栄えだと思います。