Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ギフト券の偽物

JCBのギフトカード

2019年7月30日の朝日新聞の夕刊と、同年8月5日の日経に、JCBの偽造商品券についての話が載っています。

 

まず、朝日新聞ですが、

  • JCBの偽造商品券を知人に譲渡したとして、男が偽造有価証券交付の疑いで逮捕された
  • 使用した容疑で、知人も逮捕
  • 全国で5千枚以上が見つかっており、組織的犯行
  • 警視庁は、都内で十数件把握
  • 長野県で約600枚使用
  • 北海道でも被害

つぎに日経ですが、

  • JCBの偽造券は、2019年3月から出回り始めた
  • 東京、大阪、愛知、17都道府県で確認。計5000枚以上
  • 偽造有価証券行使容疑と、偽造有価証券交付容疑
  • JCBのギフト券の他、三越伊勢丹の偽造商品券も出回っている
  • 海外の偽造拠点から暴力団が密輸、各地で使われている
  • JCBは、1990年代から4回デザイン変更
  • 1995年にホログラム
  • 2000年に表面に凹凸
  • 2007年、2015年には、ホログラムをより複雑に
  • その他、細かい仕様の変更をしている

というような内容です。

 

コメント

昔からよくあるような話です。

 

JCBやVISAのギフトカードはもらったことも、使ったことがありますが、それよりも、良くもらったり、送ったりするのは、百貨店の商品券です。

全国百貨店共通商品券という名称で、デザインが同じで、発行する百貨店名だけが違うものです。

 

今回、三越伊勢丹の商品券でも偽物が出ているようですが、これは、この百貨店券なのか、独自の商品券なのか、新聞記事からは良くわかりません。

 

さて、JCBのギフトカードです。カードとありますが、紙です。プラスチックカードは、JCBプレモカードという別の名称で、プリペイドの、銀行のキャッシュカードのような形状のものです。

一方、VISAでは、VISAギフトカードというと、プリペイドのキャッシュカードタイプのプラスチックのものを言い、紙のギフト券は、VJAギフトカードというようです。

同じ、ギフトカードという言葉を使っていますが、VISAとVJAというブランドを使い分けています。

紙のギフト券ではなく、プリペイドのカードをメインにしたいのだと思いました。

 

 

そういえば、コンビニで良く見るアップルやアマゾンのカードは、買ったことがないで、あまり知りませんが、おそらくは、IDやPWで管理するタイプのものだと思います。

Webサイトで見た限りでは、アップルのものはプラスチックカードですが、アマゾンのカードはプラスチックも紙の券もあるとあります。

使用する先が、アップルやアマゾンなので、不正があれば、自分でチェックできるのかもしれません。

 

JCBのギフトカードも、すでに紙の券の時代ではないのかもしれません。

 

もう一つ思ったのは、5000円券というのは、紙のギフト券としては高額すぎるのではないかということです。百貨店券は1000円の束であり、どうせ偽造するなら、高額の券をと思ってしまうかもしれません。

紙の券には、まだまだ需要があるのだと思いますが、偽造抑制のためには、1000円券にすべきなのかもしれません。 

 

ちなみに、ホログラムが新しい商標として、商標登録の対象になっていますが、JCBでは、数年に一度はアップデートをしているようです。そんなに長持ちではない商標です。