「Q'sai THE KALE」に
2019年10月18日の朝日新聞に、キューサイの青汁が、「青汁」という名前を止めるという記事がありました。
- 健康食品のキュウサイ(福岡市)は、青汁の商品名を、「ケール青汁」から「THE KALE」に変更。青汁だけの会社のイメージを一新
- 「まずい、もう1杯!」のCMで認知。現在は多角化
- 青汁が同社の売上高に占める割合は、現在1割
- しかし、キューサイといえば「青汁」のイメージ
- 他の商品の認知度不足が悩み
- 青汁の文字をなくし、原料のケールを全面に押し出し、健康食品の会社であることを強調
- 会社のロゴも、緑字の「キューサイ」からアルファベットに変更
とあります。
コメント
たしかに、「キューサイ」には「青汁」のイメージがあります。青汁も健康食品の一種ですので、健康食品なら問題ないとしても、化粧品に「キューサイ」は少し遠いかもしれません。
しかし、折角、「キューサイ」と「青汁」はセットで有名なのに、何かもったいない感じがするなと、はじめこの記事を見た時は思いました。
もし、他の商品とは合わないなら、有名な「キュウサイの青汁」は残しておいて、化粧品には、別のブランドをつけて、企業全体のコーポレートブランドは、例えば、今回ロゴを変えた「Q’sai」にするなどにすることで、十分なように思いました。
この点、今回の同社からの発表は、次にあります。朝日新聞の記事とは少し視点が違います。
【「青汁だけの会社」というイメージから脱却! 創業55年目を迎え、ロゴとコーポレートスローガンを刷新】|ニュース|キューサイ 企業サイト
今回の発信は、新聞では「青汁」の名前をやめることだけにフォーカスしていますが、実は、
- コーポレートブランドロゴの刷新
- コーポレートスローガンの刷新
- 新スキンケアブランド『Skinkalede(スキンケールド)』の新発売
- 主力商品のパッケージリニューアル
- 企業サイトとショッピングサイトのデザインも刷新
というものを一挙にやったようです。具体的には、次のような各説明があります。
- 新ロゴ
- 「Q」には、「Question:常に問いかけること」、「Quest:探求していくこと」、「Quality:高い品質であること」の3つの想い
- コーポレートカラーには、青汁を想起する緑色と地球を想起する青色の中間色を採用。「Q’SAIブルー」と名付けた
- 新コーポレート・スローガン「生きるを、しなやかに。」
- 関係会社の社名の表記方法の改定
- 公式ショッピングサイトの改定
キューサイ【公式】通販サイト | 青汁、コラリッチ、健康食品の通販
ここまでやるなら、戦略的な発想に基づく、大々的な変更だなという感じです。(※ 正式社名は、「キューサイ株式会社」のままのようです)
そもそも、青汁の売上高はすでに、1割ということであれば、もしも仮に、青汁がTHE KALEになったことが理由で売上が下がったといしても大した影響はなさそうです。
それよりも、化粧品などの他の商品の売上増が期待されるので、全体的にはプラスに働く感じです。
昨日の、ヴィッツとヤリスはグローバル化の話ですが、こちらは、強い祖業があるときの、事業の多角化の話として、非常によいケーススタディの材料になりそうだなと思いました。