米Gretel社がブランディング
2021年4月28日の朝日新聞の夕刊に、講談社がブランドロゴを制定し、これまでの企業理念の「おもしろくて、ためになる」を英語表記にした「Inspire Impossible Stories」を発表したという記事がありました。
- 海外展開に注力。新たなロゴと理念を通じて、海外での企業イメージの浸透を図る
- ロゴは「K」を図案化したものとローマ字表記の同社の社名の組み合せ
- 初の公式統一ロゴ
- 創業以来の同社の精神は「おもしろくて、ためになる」
- これを英語で「Inspire Impossible Stories」
- 「作り手と読者の両者に新たな発見や創造性を提供し、見たこともないような物語を生み出し続ける会社である」
- 同社の作品は、海外でも人気。しかし、海外の人は作品名は知っていても、講談社という社名は知らない。講談社を世界中に知ってもらい、会社への信頼度を世界であげる
とあります。
コメント
講談社のWebサイトに、詳細なブランド特設サイトがあり、社長が出てきています。
多くのページに社長が出ており、このプロジェクトが社長肝入りのプロジェクトであることがわかります。
講談社ブランドストーリー 「おもしろくて、ためになる」を 世界へ (kodansha.co.jp)
記事にもあるように、講談社は電子化には成功したのですが、次の課題をグローバル化に置いているようです。
そのため、今回のロゴやスローガン開発を、米国のGretel社に依頼しています。特設サイトには、講談社社長とGretel代表の対談があり、ここを読めば、記事にあるようなことが、当事者の言葉としてビビッドに出てきています。
グローバル化といっても、米国が最大の市場とあり、その手段として米国の企業にブランディング作業を依頼するなんて、贅沢な感じがします。さすが講談社です。
このロゴや英語のスローガンは、名刺にあるとあり、これからがブランディングのスタートとあります。
ロゴやスローガンができれば、それで終了と思いがちですが、これがスタートとしているのは、さすがです。
ロゴを見た印象は、なんとなくレトロなものを感じました。日本の出版社が、100年前からこのロゴを使っていたとしても、驚きではありません。京都や鎌倉の創作和食や、和テイストの雑貨店のロゴでも通用しそうです。
スローガンは、Inspireがあるので、どうしても「HITACHI inspire the next」を創造します。対談によると、Impossibleは、あり得ない、みたことのない、という積極的な意味だそうです。
KODANSHAが、日本の出版社として世界で有名になることは、日本の文化を世界に知ってもらうために有効です。
文化の海外発信は、一種の安全保障にもなります。一企業のグローバル化の推進ですが、それにとどまらない意義があるように思いました。
※ ブランドビデオもあります。本が鳥になって飛んでいくブランドビデオです。
Kのマークは交差点の意味があるそうです。